本来ならば、昼と夜の2部構成の予定が、新型コロナウイルス感染症の拡大に対処するための措置として、合同興行で開催されたRISE EVOL10 & RISE GP6。
第6試合、当初対戦する予定だったAYAがコロナ陽性で欠場となり急遽1階級上げてエミと闘って判定勝ちした大蔵萌は、試合後のマイクで感極まって声を震わせた。
「コロナで大変ななか、試合できて本当に良かった。ありがとうございます。」
おそらくは、この日フェイスに出場したすべての選手がみな同じ思いを抱いたことだろう。
大会が決まってもいつ試合が中止になるかもわからない。大会自体が中止になるかもしれない。
いまはもう、どこで誰が感染してもおかしくない状況だ。
不安と混沌のなかモチベーションを維持し続け、希望を捨てず素晴らしい闘いを見せてくれたすべての選手に敬意を表したい。
小川、拳信王に壮烈なKO勝ち！
■ RISE EVOL.10 ＆ GIRLS POWER.6
日時：2022年2月12日（土）開場17時30分／本戦開始18時00分
会場：東京・新宿FACE
＜第1試合 スーパーフライ級（-53kg）3分3R＞
◯星 憂雅（IDEAL GYM）@yugadesu0528
判定 3-0（30-29,30-29,30-28）
●旬ノ介（K-LIFE）
蹴り合いから始まった第1試合、2Rから星が徐々に手数を増やす。3Rになって星がキレの良い右ストレートで追い上げ、判定勝ち。
＜第2試合 ライト級（-63kg）3分3R＞
●Delgermuru拳信王（FLAT UP）
KO（3R 1分30秒）※右フック
◯小川悠太（誠心会館 所沢支部）
1Rまでは拳信王がバックボーンモンゴル空手の独特なリズムで小川にロー攻め、前に出てプレッシャーかけ優勢に思われたが、2R小川が猛攻に転じ拳信王からダウンを奪う。一度目は立ち上がった拳信王だったが小川が右のフックを畳みかけ天を仰いでダウン。倒れた際に後頭部を打ち立ち上がることが出来ず担架で運ばれた。
山科ウォンバット飛び膝蹴りで福島を2RKO！
＜第3試合 スーパーフェザー級（-60kg）3分3R＞
◯森下祐樹（SUNNY GYM）
KO（2R 1分21秒）※膝蹴り
●杉本 祥（TARGET SHIBUYA）
1R杉本が右ストレートで森下からダウンを奪う。
2Rも森下は右ストレート、組んで顔面へ膝を入れ、最後は左膝で森下2回目のダウンでレフェリーストップ。
＜第4試合 フェザー級（-57.5kg）3分3R＞
◯山科直史（極真会館）
KO（2R 2分17秒）※レフェリーストップ
●福島草太（MASTER JAPAN）
1Rパンチを当てていたのは福島。だが山科も右のカーフキック、パンチラッシュから膝を顔面に当てダウンを奪う。
2Rも山科がペースを握り、福島がロープを背負いパンチと膝のラッシュでダウン。
最後は山科が近距離での二段式の飛び膝で再びダウンを奪い、レフェリーストップ。
試合後マイクで山科は、飛び膝の使い手ということで、ウォンバット山科と呼んで欲しいとアピールした。
大蔵萌、エミに文句なし判定勝ち嬉し泣き「試合ができて良かった」
＜第5試合 -45.5kg契約 3分3R＞
●世莉JSK（治政館）@gohandesuyo_014
TKO（3R 1分44秒）※ドクターストップ
○相見梨夏（サクシードジム）@aimirika0821
現役高校生対決となった女子の最初の試合だったが、2Rから世莉の鼻血が止まらず3R開始まもなく2度目のチェックでドクターストップがかかり相見の勝利となった。世莉おもわず悔し泣き。
＜第7試合 フライ級（-52kg）3分3R延長1R＞
◯大倉 萌（大道塾 吉祥寺支部）@kuudoo0103_moe
判定 3−0（30-28,30-27,30-27）
●エミNFC（NFC）@emi_nfc
両者とも、対戦予定の選手が新型コロナウイルス陽性となり欠場。大倉が1階級上げる形でエミと対戦した。
意外なことに、大蔵の動きにエミが翻弄される。
エミが前に出るところを良く見て右ストレート、ミドルを的確に当てていき、右のハイキックも綺麗に決める。
2R3Rも左ミドル、パンチ、膝ほぼすべて当て、エミの攻撃をパーフェクトに交わし、文句なしの判定勝利を収めた。
試合後マイクで大倉は「コロナで大変な中、試合できて本当に良かった。ありがとうございます」と声を詰まらせ涙。
感動のマイクだった。
宮崎大金星！平岡琴、田淵涼香に判定勝利
＜第8試合 フライ級（-52kg）3分3R延長1R＞
●聖 愛（魁塾）@seina_saamon
延長判定 0-3（9-10,9-10,9-10）
本戦判定 1−0（30-29,29-29,29-29）
◯KOKOZ（TRY HARD GYM）@KOKOZ1024
ほぼ互角の闘い、繰り出す技も似ており、華々しい打ち合いがいまひとつないままジャッジイーブンで延長へ。
延長戦でようやく右ストレートを出し、ムエタイファイターらしい強烈なローで圧したKOKOZが聖愛に僅差の判定勝ち。
第9試合 セミファイナル（第9試合）アトム級（-46kg）3分3R延長1R
◯平岡 琴（TRY HARD GYM）
判定 3−0（30-29,30-29,30-29）
●田渕涼香（拳聖塾）
空手バックボーン同士のプライドがぶつかり合う苛烈な闘いとなった。
1Rこそ互角に渡り合うふたりだったが2R中盤田淵がスタミナ切れか口を開け苦しそうな表情に。
平岡はそのタイミングを逃さずにドルを当てバックキックを狙うかの動き。回転し出したところでゴング。
平岡は3Rに入ってもパンチ、組打っての膝と攻撃止まらず、田淵も左右のストレートで応戦に出るが、ジャッジは平岡の判定勝ち。
＜メインイベント（第10試合）ミニフライ級（-49kg）3分3R延長1R＞
●erika♡（SHINE沖縄）
判定 0−2 （28-29,28-28,27-29）※erika♡に2Rと3Rにレッドカード
◯宮﨑若菜（TRY HARD GYM）
メインに相応しい厚みを感じさせる見応えの試合。
いま一歩詰めがなくKOを逸し判定で宮崎の勝利となったが、パンチや膝などは宮崎よりヒットしていたように思われたerika♡が首相撲でつかまえる時間が長いことからレッドカードを2枚貰ってしまい、これが判定に響いた可能性否めないのがもったいなく残念だった。
erika♡、宮﨑両選手ともに華があり今後が楽しみ。
試合後若菜は「今日はerika♡選手に勝ったので寺山選手、私とベルトを懸けて対戦してください」と、怪我で療養中の寺山日葵にマイクアピールした。