[ファイトクラブ]井上譲二の『週刊ファイト』メモリアル第72回 G・馬場さん 度量の大きさは猪木氏より数段上!

[週刊ファイト5月28日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼井上譲二の『週刊ファイト』メモリアル第72回
 G・馬場さん 度量の大きさは猪木氏より数段上!
・馬場さんが若手などを殴ったことは1度もなかった
・だが、その一方で「無愛想」という声も少なくなかった
・米ラスベガスで開催されたNWA年次総会での出来事
・過去のいさかいなどにこだわらず、来る者は拒まずの姿勢を貫いていた


 私がプロレス記者になって1番驚いたのは、「これほど温厚な性格でよくレスラーが務まるな」と思う選手が何人もいたこと。その筆頭格がジャイアント馬場さんである。事実、馬場さんの付け人を務めた泉田純さんは「体罰は1度もなかったし、声を荒げたこともなかった」と証言している。こればかりは生まれつきの性格だろうが、馬場さんはマット界の誰よりも度量の大きい人間でもあった。

「全日本プロレスに在籍中、馬場さんが若手などを殴ったことは1度もなかったし、自分の入門前にもなかったみたいです」

 私が泉田純さんからそう聞かされたのは、17年1月に彼が急死する2カ月前。

「じゃあ声を荒げて若手や社員を叱責したことは?」と尋ねると、泉田さんは「それもありません」と言い切った。

 今から20年くらい前まではプロスポーツ界に限らず、高校や大学の運動クラブにおいても体罰は日常的に行われていた。

 一見、優しそうに見えるプロ野球の長嶋茂雄氏や星野仙一氏にしても監督時代はキレたら手がつけられなかったという。

 全日プロとシノギを削っていた頃の新日本プロレスに目を向けると、教育係の山本小鉄氏をはじめ、A・猪木氏や坂口征二氏も若手に体罰を加えていた。ただ、3人の中で坂口氏だけはビンタ一発で済ませていたという。

 西本聖投手にビンタ20連発を見舞った長嶋氏や、山本昌投手らの顔面をコブシで殴りつけていた星野氏と比べると全然マシと言えるだろう。

 いずれにしても、長年に渡って若手を指導する立場に置かれながら、1度も殴らなかった馬場さんは極めて稀な人。生まれつきの性格なのだろうか? 馬場さんの生前にこの事実を知っていたら私は本人に理由を聞いていたと思う。

 だが、その一方で「無愛想」という声も少なくなかった。この私にしても、まともに話してもらえるまで5年以上かかっている。初対面のときから気さくだった猪木氏とはあまりにも対照的だ。


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