[週刊ファイト1月17日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼短期連載『ジャイアント馬場 表と裏の顔』 第1回
テリー・ファンクの現役引退→復帰でダメ社長ぶりを露呈
by 井上 譲二
・旧・全日本プロレスにおける馬場元子氏の女帝ぶり
・馬場さんは外国人対して「ノーと言えない日本人」の典型
・2万㌦もの大金を借した時は米プロモーターも驚いていた
・馬場さんの3度目のNWA王座奪取についても押し売り説が・・・
話題の『ジャイアント馬場没20年追善興行』
昭和のプロレスファンのみならず平成のファンも楽しみにしているビッグマッチが近づいてきた。2・19両国国技館にて開催される『ジャイアント馬場没20年追善興行』がそれである。一夜限りながら久々にG・馬場を感じられるイベントだが、熱狂的な馬場ファンだった人たちも素顔のG・馬場を知らない。そこで本誌は故人を取材した数少ないプロレス・ライターの1人、井上譲二氏に短期連載を依頼。改めて馬場さんの知られざるエピソードを披露してもらった。
昨年12月28日に全国放送された『爆報!THEフライデー』(TBS系)を観たオールドファンや業界関係者は、改めて旧・全日本プロレスにおける馬場元子氏の女帝ぶりを知ることになった。
馬場元子氏
私から見ても編集された内容はほぼ事実。むしろ、事実上の全日オーナーだった元子氏の一部にすぎなかった。
とりわけ、社員に対するパワハラまがいの叱責は日常的だったが、彼女が全日プロ内部で最も怖い存在になったのは社長であるジャイアント馬場さんがあまりにも優柔不断で選手や社員を叱らないことにフラストレーションを募らせたからでもあった。
従って元子氏は外国人選手の処遇にも口出しをしている。
例えばNWA世界ヘビー級王者時代のリック・フレアーの夫人同伴での来日。1回目は馬場さんが了承したことなので容認したが、2回目の時は元子氏が「毎回、ベス夫人の飛行機代をもつことはできません」と言って拒否している。70年代から80年代にかけて馬場ファミリーの一員と言われたドリー・ファンクJRやハーリー・レイスがある時期からピタッと全日プロに来日しなくなったことも元子氏の決断と見られている。
もちろん、元子氏の好き嫌いが理由ではなく、ドリー、レイスが全日プロを食い物にしていると考えたためだ。
NWA年次総会での新間寿、ビンス・マクマホンSr.、ドリー・ファンクJr.、ジャイアント馬場