AEW志田光が新鋭クリスupさせジョン・モスクリーxジョーイ・ジャネラ

photo (C)Lee South/AEW

 一週間の流れから先に記すなら、「水曜生TV戦争8」の段階でNXTに平均視聴者数で逆転を許したAEWだったが、第9回に関しては感謝祭と重なったため、データ発表が大幅に遅れることに。やはりWWE『サバイバー・シリーズ』でのNXTプッシュがライト層にも浸透したためか、もとから感謝祭だと他の一般番組含めて落ちるのは仕方ないものの、AEWの落ち込みが大きく、やや心配されたものである。但し、以下の「水曜生TV戦争10」に関しては、AEWが平均851,000人に対して、NXTの平均845,000人と、再び微差だが奪回したことになる。もっとも本誌が一貫して指摘してきたように、半年後、1年後に競争がどうなっているかが重要なのであって、毎週の結果に一喜一憂しても大局を見誤ることになるのだが・・・。

■ AEW Dynamite
日時:12月4日(現地時間)
会場:米イリノイ州 シャンペイン ステート・ファーム・センター


 今回のメインはジョン・モスクリーが、インディー回ではハチャメチャな試合をすることで名を売っていたジョーイ・ジャネラをAEWでは二度目に迎えるカード。ただまぁ、例のケニー・オメガとの日本流デスマッチが、良くも悪くも記憶に新しいこともあり、それと比べてしまうハンディはあったかも。「水曜生TV戦争」は北米のライト層のレスリング見る目を飛躍的に向上させた功罪があり、NXTとも比較される怖さがある。ただ、これまでは一般層には知られてなかったハズのジョーイ・ジャネラを短期間でここまで引き上げて、メインを成立させているAEWのトニー・カーン代表以下のプロデュース能力の称賛は「鷹の爪大賞」他でも繰り返し強調せざるを得ない。


 番組エンディングは先週の逆というか、客席の最上段の入口からクリス・ジェリコらインナー・サークル軍が現れ、リングにまであえて行かず、そこで勝利したMOXを睨む満員の客席が映像に強調される幕切れに。いずれはこの二人が対決ということになろう。


 新人選手を売り出すという点では、先にも触れた通りのAEWである。前回タッグを組んだクリス・スタットランダーがランキング1位の志田光と対戦となれば、まぁ普通に考えればどこまで善戦したかというテーマになるのだが・・・。まずクリスの入場が凝っていて尺も取らせると。宇宙人キャラらしく、本人のメイクもそれ風になっていて、実況ではさかんに「志田はキャリア11年、クリスは3年」と強調するのだが、ということは・・・となるのである。もっとも、クリスはまだまだグリーンであり、間が持たないから意味もなく器械体操の側転で志田の回りを一周とか、記者としては「なんじゃこりゃ?」と思ってしまうのだが・・・。


 ということで、パワー殺法のクリスが格上の志田に勝利に。新日本プロレス経験者が多いこともあるが、上の選手でも負けることがあるというスポーツ・ロジック路線なのがAEWなのだ。ただ、お客さんは両者に声援送っていたし、志田が落ちることもなければ、クリスは要注意だと覚えられる結末である。一般客にはいずれも馴染みのない名前だったことを思えば、会場の沸きようは凄いことなのだ。
 但し、例によってオーサム・コングとブランディのブードゥー教が出てきて、また別の新人の髪をナイフで切ると。もっともライト層でも、ブランディが団体のエース・ベビーフェイスCodyの妻にして、会社の重役というのはある程度知ってるんじゃないかと思うのだが、こういうスキッドがブランディのやりたかったことなんだろうか?


 そのCodyの方は、プロモやらせたらピカ一なんだが、かのクリス・ジェリコ戦で鉄板花道に顔ぶつけて切った眉上の傷がこれはずっと残るなぁと。まぁしゃべりはいいんだが、やはりMJFと因縁の清算プログラムやるべきと思うのだが・・・。なんかオメガの高級腕時計とか、イタリア製の高級靴を賭けるとかやって靴脱いでたんだが、正直ピンとこないかも。


 番組オープニングは、兄貴ダスティンがヤングバックスと組んだ正規軍が、サミー・ゲバラ&サンタナ&オルティーズのインナー・サークルとやって掴みは成功と。また、クリス・ジェリコは、ジャングルボーイ・ぺリーに「お前なんか俺様とやって10分持たない」とプロモすることで、女性客に受けるに違いない新人ジャングルボーイをメインに抜擢する腹づもりのようだ。恐るべしAEWなのである。

 ちなみにあのシャンパンは本当に売っているらしく、なんか番組の宣伝だけでとてつもない注文なんだそうだ。信じられないんだが、これまたリアルなのだ。


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’19年12月12日号鷹の爪大賞2 ノア 船木藤田 水曜生 Bロジャース 保坂秀樹 MasFight