(c) AEW
現在米国はThanks Giving Dayになり、番組冒頭は元WWEのバージルが昔の名前のソウルトレイン・ジョーンズからと。感謝祭は年長者が敬まわれるのである。クリス・ジェリコ率いるインナー・サークルがプレゼントを家長に捧げるスキットに。当然、チャンピオンではなくシャンピオンだから、シャンペンの泡も飛び散ると。サプライズの大きなカバーから出てきたのはプロ・ホッケー選手だったジェリコの親父テッド・アーヴィン。ニューヨーク・レンジャーでも活躍したからそのホッケー服だけでなく、「ハロー、ニューヨーク!」とボケて、シカゴの客をコケにするスキッドにも”出演”する。もっともマーチングバンドの音楽隊に交じっていたSCUに邪魔されるのだが・・・。メインのカードの予告ということになろう。
■ AEW Dynamite
日時:11月27日(現地時間)
会場:イリノイ州 シカゴ シアーズ・センター
第二試合に組まれた女子戦は日本から飛んできたビア・プリーストリーがフレディー・マーキュリーさくらえみと組んで、志田光と、怪力だがまだ経験は浅いクリス・スタットランダーとのタッグ戦。早くも”Shida, Shida”と会場が味方しているのがもの凄いことなのだ。そのスタットランダーがローリング・クレイドルで回す際、実況はダニー・ホッジのオクラホマ・ロールと言っていた。今回もさくらえみがくるくるリボンで勝利役だったのはやや驚いたのだが・・・。
ケニー・オメガとPACの名勝負数え唄はとにかく目まぐるしいスピードだ。実況でも触れられていたが、同じ技なり、同じシークエンスの順番をやれる選手はいるかも知れないが、ここまで鮮やかにやるのはオメガしかいない。また、PACもそれを受けて返すことが出来るのだが、WWE時代のPACはやりたいようにやれせてもらえなかったわけだから、日本のファンだけがこの二人がいかに凄いかを見れてきたのだが、米国のお茶の間向きのテレビ番組でこういう日本流というのも誤解を招きかねない表現にせよ、アメリカでは広く紹介されていなかった攻防が、AEWを通じでもうひとつの拠点である英国ITV他、全世界に視聴されているというのは画期的な変革が起きていることになる。
親友だったCodyを裏切ったMJFは、早くもヒール全開で観客のヒートを買っているのだから若いのに上手い。今回は12人バトルロイヤルの決勝カードになる。DDP(ダイアモンド・ダラス・ペイジ)が贈呈するダイアモンドが賭けられており、ハングマン・ペイジをウォードロウのアシストもありクロスローズを決めて勝利すると。まだ2ヶ月しかたってない新興プロモーションが、それまで全国区的には知られてなかった選手たちを、ヒールにせよベビーフェイスにせよ認知させているAEW恐るべしなのだ。
トリは、前週の味のあるコントになっているプロモを経て、同じく確かに格・序列が重視される業界ではタッグ試合で丸め込んで勝ったくらいでは、世界王座に挑戦とはならないランクのスコーピオ・スカイが、ジェリコと王座戦をやってイイところまで行くという構成である。言うはたやすいが、実際にそれを成立させてデリバーできるかはまた別問題。当然、SCUトリオの他の二名がどうからむのかもあれば、スコーピオが期待に応えなければならない。ちゃんとうまくメインの世界王座戦をやったのだから勝った負けたはどうでもいい。誰もがスコーピオ・スカイというのは出来ると印象付けたのだから、プロレス芸術ではお客さんに勝ったのである。
NXTはフルセイル大学の小さいスタジオからの配信なので、メジャー感を出すにはギッシリと埋まり立ち見客もいるシアーズ・センターの全景をカメラが捉えると。番組の最後は、その客席の最上段の入口からジョン・モクスリーが現れ、リングにまであえて行かず、そこでジェリコを睨む、満員の客席が映像に強調されるというエンディングである。2019年の総括として、AEWの誕生といきなりの躍進、そして「水曜生TV戦争」の勃発はグローバルにマット界を総括するなら筆頭であることは間違ない。
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▼感謝祭WWEシカゴ4連戦NXT浸透~年末世界展望と鷹の爪大賞2019
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’19年12月05日号WWEシカゴ4連戦 メイ社長 鷹の爪大賞1 スターダム会見 ペイジ映画