[ファイトクラブ]Netflix『Mr.マクマホン 悪のオーナー』公開ストーンコールドかく語りき

[週刊ファイト10月17日]期間 [ファイトクラブ]公開中

▼Netflix『Mr.マクマホン 悪のオーナー』公開ストーンコールドかく語りき
 by Favorite Cafe 管理人 & 編集部編
・経済誌Forbes億万長者リスト:テイラー・スイフトにビンス・マクマホン!
・ビショフからの電話でWCWをクビに。インチキ王者でWWF登場
・ブレッド・ハート戦が生涯ベストバウト「レッスル・マニア13」
・ミスター・マクマホンとオースチンの抗争は全てシュートだった
・誰よりもプロレス心理を知り尽くした男、ビンス・マクマホン
・必要なのは、面白いものを分かりやすい形で提供すること
・WWEはアメリカにおけるストーンコールドの独占権を要求してきた
・レスリング自体が軽視されたら、プロレスビジネスは落ち込む
・オレは世界一カネを呼び込めるレスラー、映画の世界でもカネを呼ぶ



 Netflixで配信されている『Mr. マクマホン 悪のオーナー 』が話題だ。大ヒット配信中の『極悪女王』に続く、マニア垂涎のプロレス作品である。全6話からなるこのドキュメント作品全体のクオリティは相当高い。ビンス・マクマホンJr.の生い立ちから、WWE(WWF)の隆盛、そしてドキュメンタリー制作中に起きたマクマホンの性的虐待疑惑までが赤裸々に語られている。

経済誌Forbes億万長者リスト:テイラー・スイフトにビンス・マクマホン!

 さらに今週は、経済誌Forbes恒例の長者番付が発表された。イーロン・マスクとかの桁違いのトップ陣は、もとから嫌いだからトランプ支持表明なんで、共に倒れてくれと願うばかりなんだが、なんといっても一般大衆の本年の注目はテイラー・スイフトなのである。メールにもテイラーの広告というかグッズ販売のが日本語で勝手に届くのだから、やはりガラパゴス国家でも世間の関心は強いのだろう。

 ということは、最初にテイラーちゃんがどのくらいのランクなのかのページにまず飛んだ大衆が多いと思われるが、そこにビンス・マクマホンの顔を見つけてギョっとしたプロレスファンは極めて多いかと。失脚したあとなんであるが、WWEの株式も売ったからなぁ・・・。
 ということで、今週の肝というか、グローバル目線でのマット界最大のニュースは、どう考えてもNetflix『悪のオーナー』公開と、昔のギミック”億万長者”がリアルになったMr. マクマホンなのであった。

Netflix『Mr. マクマホン 悪のオーナー 』

 本稿では、2004年に週刊ファイトが取り上げた、ストーンコールド・スティーブ・オースチンのロングインタビューで、WWE(当時はWWF)アティチュード時代を振り返ってみたい。WWEが全米を制圧するに至るアティチュード時代は、このドキュメンタリーの『Episode 4』で詳しく描かれている。

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 1997年、テキサスの荒くれ者、スティーブ・オースチンがWWFのマットに登場した。そして1998年の『レッスル・マニア13』にマイク・タイソンを投入した頃から、それまでWCWの後塵を拝していたWWEがテレビ視聴率でもスター選手層の厚さでも逆転し始めた。
 オースチンは、WWEの反体制派として“悪のオーナー”マクマホンに本音で立ち向かい、ファンの人気を集めた。マクマホンはマット上でリアルに怒っていた。ただし、オースチンも試合場でビールを噴射し、中指を立てる。決して正義の味方ではない“悪”のオースチンが“極悪経営者”マクマホンを痛めつける構図がファンを熱狂させたのだ。
 オースチンの反体制の振る舞いが、リアルな人間模様なのか、ショーなのか観客にも分からない。オースチンもマクマホンもリアルな感情をぶつけた。そしてショーは完璧だった。

マクマホンとオースチンの抗争

 週刊ファイトでは、オースチンとWWEの契約が終了した2004年の春、ジミー鈴木特派員による単独インタビューをおこなっている。オースチンの活躍で全米を制覇したアティチュード時代とオースチンのプロレス観にせまっている。ストーンコールド、かく語りき。

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 ビショフからの電話でWCWをクビに。インチキ王者でWWF登場

(週刊ファイト 2004年5月13日付より)
―― 最初に、WCWからWWF(当時)に動いた理由は?
オースチン)一番大きな理由はこうだ。日本遠征で上腕三頭筋を断裂してしまって、リハビリを経てリングに戻ろうというときに、エリック・ビショフ(当時WCW社長)からの電話があってクビになったということだ。もしビショフからの電話がなければ、WCWに残っていたよ。なぜなら、オレはそれまで2回、WWFに行ったんだが、プッシュされたわけでもなかったし、可能性というものを感じていなかったから、WCWを辞める気はなかった。リハビリをしながらギャラをもらっていたところ、ビショフにファイヤーされた。だからWCWを離れたというわけさ。

―― WCW時代で1番良かったことは何でした?
オースチン)業界の中でのベストフレンドだったブライアン・ピルマン(故人)とタッグを組んだことだな。彼とは以前にもハリウッド・ブロンズというチームを組んでいた。アメリカで人気が出始めた時にケガをしたのは残念だった。

―― WCWでの待遇には満足していましたか?
オースチン)待遇というより、いろんな経験をさせてもらったことに感謝している。リック・ルードやポール・E・デンジャラスリー(ポール・ヘイマン)との旅は楽しかった。そして、リッキー“ザ・ドラゴン”スティムボートのような達人と一緒に仕事ができたのは収種だったし、ハリー・レイスとの会話はとても勉強になった。いろんな人たちから多くのことを学ぶことができたのは、自分にとってとてもプラスになったよ。

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リッキー・スティムボート、井上譲二記者、ジェイ・ヤングブラッド

―― スティムボートやレイスから何を学びましたか?
オースチン)レスリングにおけるサイコロジーだね。WCWにはほか他にもグレートなピープルがたくさんいた。

―― そして、WCWを離脱してからECWを経てWWFに入りました。その時、売り出しは約束されていたんですか?
オースチン)ノー! オレは単純にいい試合ができるヤツとして呼ばれただけだ。彼らはオレに強いポテンシャルを感じてはいなかった。

―― 当時、どういう役柄を与えられていたんですか?
オースチン)オレが言われたのは、ミリオンダラーチャンピオンとして、テッド・デビアスをマネージャーに付けて登場するということさ。デビアスがオレをチャンピオンと紹介して、オレはミリオンダラーベルトを持って登場したんだ。だけど、そのベルトは本物ではなく、ニセ物だった。要するに、オレに与えられた役どころは、インチキのベルトを持った、インチキのチャンピオンというわけさ。

リック・フレアーvs.テッド・デビアス

―― それには満足していましたか?
オースチン)デビアスはオレがファンだったころからひいきのレスラーだったからね。デビアスは偉大なる職人さ。彼は試合でのアクションでストーリーを伝える達人だった。だから、それはそれで、いい勉強になったよ。

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―― 当時のコスチュームは?
オースチン)そこで言われたのは、グリーンのトランクスを着用すること。グリーンはマネーの色というわけさ。それで、エージェントに「ブーツ(リングシューズ)はどうするんですか?」と聞いたら、「自分の持ってるやつを履け」って。「じゃあ、ベストは?」と聞くと、「オマエにベストなんか要らない」って答えが返ってきた。オレの扱いなんて、そんなもんさ。そうやっていくうちに、「リングマスター」と呼ばれるようになった。そうして、自分から会社にアイデアを言うようになって、ストーンコールドが生まれたというわけさ。会社が新しい役割を与えてくれたわけじゃないし、イメージチェンジのアイデアをくれたわけじゃない。基本的に、すべては自分で切り開いていったのさ。

 ブレッド・ハート戦が生涯ベストバウト『レッスル・マニア13』

―― あなたのプロレス人生でのハイライトの一つは、『レッスル・マニア14』(1998年3・28ボストン)でのマイク・タイソンとの絡みです。当時、タイソンにはどういう印象を受けましたか?
オースチン)タイソンとの仕事はオレ自身、とてもエンジョイした。なぜなら、彼は大のプロレスファンなんだ。そのへんのレスラーよりよっぽど詳しい。彼自身が育ったニューヨーク地区・・・ビンス・マクマホン(シニア)の時代ばかりか、AWA、ゴージャス・ジョージに至るまで、彼にこの業界のことを話させたら、ちょっとした専門家並みさ。
 ボックスオフィス(興行収入)の面から見ても、WWFのイメージ的な面から見ても、メーンストーリーに押し上げた価値ある興行だった。われわれの一つひとつのシーンは世間からもの凄い注目を集めたしね。

マイク・タイソン、ショーン・マイケルズ(レッスル・マニア14)

オースチン)だけど、あれがオレの一番好きな『レッスル・マニア』なのかといえば違うんだ。オレ自身のフェイバリット『レッスル・マニア』はブレット・ハートと闘った『レッスル・マニア13』(1997年3・23シカゴ)なんだ。なぜなら、あの試合は自分自身の中で、生涯のベストバウトの一つだといえるから。それまでも卓越したレスリング技術を持つ彼のことは尊敬していたけど、あの試合を通じて、ますます彼のことを尊敬するようになった。
 それに比べると、『レッスル・マニア14』の時のショーン・マイケルズは体中、ガタガタだった

ブレッド・ハート、スティーブ・オースチン(レッスル・マニア13)

―― そう言いますけど、あの試合も素晴らしかったですよ。マイケルズはとても試合ができる体じゃなかったのに・・・。
オースチン)あァ、彼は背中に激しい痛みを感じていた。あの状態で、あそこまでやったショーンのことも、素直にリスペクトしているよ。彼自身にとっても、オレにとっても、プロレス人生のハイライトの一つと言えるな。

ショーン・マイケルズ、スティーブ・オースチン(レッスル・マニア14)

 ミスター・マクマホンとオースチンの抗争は全てシュートだった

―― ところで、WWEがここまでビッグになった背景には、あなたとビンス・マクマホン代表との一連の抗争があったからだと思いますが、彼との抗争においてどんなシーンが印象に残っていますか?
オースチン)オレにすれば、すべてのことが気に入ってたよ。まず、彼とはいろいろ言い争ったけれど、あれはすべて台本通りのインタビューじゃないってこと。ビンスがオレに対して何か言って、オレが言い返す。するとまた、ビンスが返してくる・・・。すべて、シュートなインタビューだった。われわれは何をすべきか、何を結末とすべきかは分かっていたが、細かい台本は作らなかった。
 最近のWWEでは、前もってすべてを決める風潮にあるけれど、それは良いこととは言えない。オレは昔のスタイルに戻すべきだと思う。ダスティ・ローデス、リック・フレアーは、その場のノリでしゃべっていたし、カクタス・ジャックにしてもインタビューにはたけていて、その場のノリでやってきた部分が多い。最近では、何をしゃべったらいいか指示するヤツがいるから最近の若いヤツはカネを生むしゃべりができないんだ。すべての言葉はハートからくるべき。心からそう思わないと、良いしゃべりにならない。

極悪経営者、ビンス・マクマホン

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