MSG二連戦RAWストコン以下豪華カード投入!セドリック・アレクサンダーをプッシュ!

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 1984年からWWF(現WWE)の全国侵攻が始まる前のローカルテリトリー時代、マンハッタンのど真ん中にあるMSGは毎月定期戦が行われており、実況でも「ブルーノ・サンマルチノが100何十回メインで(旧施設の)MSGを埋めた」とかやるんだが、WWEは歴史も数字も改ざんするのでそのまま引用はしない。しかし、天井桟敷席が$10とかだった時代、確かに毎月のMSGは満員だったのは、週刊ファイトの歴代特派員が現場取材しているので本当にことである。客席には常連のブロンデイのデボラ・ハリー(現在74歳)&クリス・シュタイン夫妻など、マンハッタン在住者の毎月の楽しみでもあった。
 しかし、全国制覇を遂げるとPPV中継は全国あちこちから放送するようになり、また新装でやや小ぶりになったMSGは値段が異常にハネ上がってしまい、WWEにとっては採算が合わない会場になってしまった。今でもハウスショーとしては年に2度ほどはやってはいるんだが、放送中継するとなるとさらに法外な賃料を要求されることもあり、約10年以上に渡ってRAWがMSGから中継されることはなかったのだが、視聴率低下傾向に歯止めをかける狙いに加えて、AEWという新興プロモーションに対するけん制もあれば、じきにフットボールのシーズンが始まり、自動的に視聴率が下がることもあって、ここはその秋からSmackDownが4大ネットワークのFOXから生中継されることもあって、あえてMSGからの二連戦に打って出たと推定される。現地からの情報によると、チケット代はプレミアム価格設定で、その天井桟敷席でも邦貨にして5000円くらいは取ったそうなので、物価の上昇を考慮してもなんか高級な娯楽に出世したのだろうか。

 但し、高い値段に見合うようにちゃんと”ストーンコールド”スティーブ・オースチンをはるばる呼んでから始まり、カードもフォー・ホース・ウィメンの4名が現在はベビー対ヒール対決となって、ベッキー・リンチ&シャーロットvs.サーシャ・バンクス&ベイリーとか、豪華なカードを並べていた。また、いよいよ現地時間9月18日から「NXTがUSAネットワークで始まります」という告知を挟むこともMSG二連戦の大きな目的なのであろう。


 もっとも、「キング・オブ・ザ・リング」のトーナメントは、リコシェを加えた3way戦がバロン・コービンが漁夫の利でサモア・ジョーを抑え込むとか、よほど幹部に気に入られているんだろうとしか評しようがないカードもあった。

1時間目にはまず、AJスタイルズとセドリック・アレクサンダーのシングル戦も組まれた。

 最後はスターをずらりと並べた10人タッグなんだが、最初こそドルフ・ジグラーとセス・ロリンズの定番からにしたものの、すぐにCM時間(笑)でカットされて、最後は205 LIVE出身のセドリック・アレクサンダーが今宵二度目の登場にしてケツではoverさせたのはニンマリか。昔の名前のレジェンドだけでやっていたら未来はないのだから、初めてプロレスを見にMSGに来たお客さんに名前を憶えて貰って帰すことは重要であり、毎回同じことしかやらないストコンだけでは進歩がないことになるので、NXT告知と合わせてセドリックのプッシュは評価しないといけない。もっとも秋からSmackDownがFOXに移行したら、205 LIVEはどうなるのだろうかという懸念は未だ残ったままなのである。

■ WWE RAW
日時:9月9日
会場:ニューヨーク市 マディソン・スクエア・ガーデン

◆オースチン、ロリンズらをビールで祝勝

“ストーンコールド”スティーブ・オースチンがユニバーサル王者調印式に立会人として登場した。投げ込まれた缶ビール2本を飲み干したオースチンは「ここに戻ってこれてうれしいよ」と会場のマディソン・スクエア・ガーデンでの思い出を語ると、ブラウン・ストローマンとセス・ロリンズを呼び込んだ。PPV「クラッシュ・オブ・チャンピオンズ」のRAWタッグ王座戦で共闘し、さらにユニバーサル王座戦で対戦する2人はオースチンと握手を交わし、ロリンズが「試合が終わっても、俺はベストでユニバーサル王者のままだ」と王座戦への意気込みを語ると、ストローマンは「タッグ王者でいたいが、同時にユニバーサル王座も狙っているぞ」と王者を挑発して契約書にサインした。すると、前回の調印式に続いて再びThe OCが登場し、AJスタイルズが「おとなしくしてないと怪我するぞ」とオースチンに警告すると、ロリンズとストローマンがThe OCを襲撃。スタイルズはなんとかロリンズの攻撃をかわしたが、背後にいたオースチンがスタイルズに中指を突き立てると、ストーンコールド・スタナーを決めて蹴散らした。

◆トリは豪華10人タッグもセドリック・アレクサンダーがピンフォール


 さらにメイン戦ではロリンズ&ストローマンがセドリック・アレクサンダー&バイキング・レイダーズとタッグを組んでThe OC&ドルフ・ジグラー&ロバート・ルードと10人タッグ戦で激突。10人入り乱れての激しい攻防を展開したが、最後はアレクサンダーがランバー・チェックでスタイルズを沈めて勝利するとオースチンが再び登場。ロリンズらと缶ビールで乾杯したオースチンはそのまま浴びるようにビールをがぶ飲みして5人の勝利を祝った。

 PPV「クラッシュ・オブ・チャンピオンズ」は日本時間9月16日にWWEネットワーク(日本語実況版有り)でライブ配信される。

◆ベッキー&シャーロットは前哨タッグ戦を制して王座戦へ弾み

 PPV「クラッシュ・オブ・チャンピオンズ」を前にRAW女子王者ベッキー・リンチがシャーロット・フレアーとタッグを組んで、ベイリー&サーシャ・バンクスと激突した。PPVでベッキー対サーシャのRAW女子王座戦、ベイリー対シャーロットのSmackDown女子王座戦が決定している中、先週、パイプ椅子攻撃を受けたベッキー&シャーロットは試合が始まる前からベイリー&サーシャを襲撃し、シャーロットはパイプ椅子を持ち出して報復を狙った。試合が始まっても両チームは激しい攻防を展開し、サーシャがバンクステイトメントを決めれば、シャーロットがフィギュア・エイトで反撃。さらに大技の攻防となった終盤ではベッキーがレッグドロップ、シャーロットがムーンサルトを立て続けにベイリーに叩き込むもサーシャがカット。続けてベッキーがサーシャを鉄製ステップに叩き付けてディスアーマーで捕らえるも、今度はベイリーが背後から攻撃してカットしてシャーロットをジャーマン・スープレックスで投げ飛ばしてダイビング・エルボーを狙ったが、これをヒザで迎撃したシャーロットがナチュラル・セレクションをベイリーに放って3カウント。ベッキー&シャーロットは前哨タッグ戦を制して弾みを付けた。

◆9月と10月の「NXT」配信に関して

 アメリカ現地9月18日(水)から2時間番組としてUSAネットワークにてライブ放送されることが先日発表されたWWEの未来を作る若手スーパースターが活躍する人気番組「NXT」の配信に関する詳細が発表された。9月18日(水)の初回と、9月25日(水)の第2回に関して、最初の1時間はUSAネットワークでライブ放送され、2時間目はWWEネットワークでライブ配信される。これは先にAEWがTNTでの生中継がスタートするのが10月2日(水)なので、先制パンチで通常の番組サイクルを無視して急遽始めることになったものの、すでに放送予定が決まっていたドラマ番組との調整がつかず、最初の2回に関しては最初の1時間だけがUSAネットワーク生中継と変則にせざるをえなかったため。しかし、AEWと正面から裏番組で激突する10月2日以降は、毎週水曜日に2時間番組としてUSAネットワークでライブ放送される。また日本など海外のユニバースに関してはは、WWEネットワークにて毎週木曜日、午後10時から配信される。なので、一般のTV番組になるからといって、いきなりNXTが見られなくなるわけではない。(※いずれもアメリカ東部時間)

日本での放送スケジュールは下記の通り。
<初回>
9月19日(木)
午前9時~10時 USAネットワークでライブ放送(※ 日本からの視聴は出来ません)
午前10時~11時 WWEネットワークでライブ配信

9月20日(金)
午前11時~午後1時 WWEネットワークで配信(日本時間9/19回の全2時間)

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<第2回>
9月26日(木)
午前9時~10時 USAネットワークでライブ放送(※ 日本からの視聴は出来ません)
午前10時~11時 WWEネットワークでライブ配信

9月27日(金)
午前11時~午後1時 WWEネットワークで配信(日本時間9/26回の全2時間)

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<第3回以降>
10月4日(金)以降
毎週金曜日 午前11時~午後1時 WWEネットワークで配信

なお、サマータイムが終了する11/3以降は配信時間が1時間遅くなり、下記の通りになる。
毎週金曜日 正午12時~午後2時 WWEネットワークで配信
さらにパワーアップする「NXT」をどうぞ引き続きお楽しみください!


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’19年09月19日号MSG2連戦 ノアN1 猪木IWGP Impact移籍 ラガーマン DEEP イリエマン