今回のドラディション大会は藤波辰爾がWWF(当時)ジュニア・ヘビー級選手権をカルロス・ホセ・エストラーダより奪取、その後も遠征した思い出の地、ニューヨークをキーワードとした大会が開催された。招聘されたレスラーは御存じボブ・バックランドである。
昨日の東京・後楽園ホール大会も大いに盛り上がりその勢いのまま、大阪大会もかつての大阪のプロレス人気さながらの熱狂であった。
なお試合開始前に会場に流されていた曲はフランク・シナトラ歌唱の「ニューヨーク・ニューヨーク」という凝りようである。
マニアは記憶しているであろうし思い出しても欲しい。藤波辰爾が2015年のWWE『レッスルマニア31』にて殿堂入りした事を・・・
壇上に登場する前に流された映像には、通称・ドラゴンとまず紹介、シェイ・スタジアムのチャボ・ゲレロ戦の映像も盛り込まれ週刊ファイトの初代海外特派員・フランク井上(井上譲二)、2代目特派員・田中正志(タダシ☆タナカ)の姿が数度確認出来たりする。そしてWWF(当時)ジュニア・ヘビー級チャンピオン、日本の至宝IWGPヘビー級チャンピオン、リック・フレアーを破ってNWAヘビー級チャンピオンという実績、KENTAによる尊敬すべき先輩というコメントなどが紹介された後にホストのリック・フレアーが登場してスピーチ。かつてIWGPを争った客席にいるベイダーも紹介。1979年に初めてフジナミとはシャーロットで会ったこと、グレート・ムタが好きだが日本で最高のレスラーはフジナミであると賛辞が贈られた。その後、藤波辰爾が壇上に上がった際に拙い英語で語り始めた際にこれぞ至極金言と言える言葉を述べた。
それは「今までも、これからも僕の人生は冒険です」という言葉でスピーチを締めたことだ。冒険という言葉は長年プロレスを愛し続けている愛好家にとっては、かつてのプロレスの試合の名場面をしっかりと記憶しているものであり、それは自身の心の内側にいつまでも生き続けている思い出でもあり、昭和世代であれば当時流行っていた懐かしの曲をふと聴いた際によぎることのある当時の思い出に似た感傷に近い感覚なのかもしれない。
藤波辰爾という日本のプロレス界の至宝かつ、長きにわたり一線級を維持しているからこそ心を揺さぶられる冒険というシンプルな言葉の響き・・・
プロレスという、スポーツであってスポーツでない、演劇のようであって演劇でない、なんと言ったらよいのかの摩訶不思議なるジャンル! 自身にとってプロレスとはいったい何か? レスラー人生の歩みを止めないのは未だに答えが出ないその探求心の為なのであろうか!
プロレスは記録ではない。大事なのは、やはり記憶なのである。
藤波2世はレスリング至上主義愛好家注目のレスラー!レスリングマナーは親父譲り、既に親の七光を脱却している。
■ DRADITION 2018 = BACK TO THE NEW YORK TOUR IN OSAKA =
日時:2018年4月21日(土) 開場 15:00 開始 16:00
会場:大阪・大阪南港ATCホール Cホール
<第1試合 シングルマッチ>
〇TORU
9分00秒 D-ガイストからの片エビ固め
●金龍
<第2試合 シングルマッチ>
●倉島信行
7分43秒 胴締めスリーパーホールド
○冨宅飛駈
<第3試合 シングルマッチ>
●菊池悠斗
8分15秒 足四の字固め
○LEONA
<第4試合 タッグマッチ>
田中 稔 〇金本浩二
12分48秒 ムーンサルトプレスからの片エビ固め
●ブラック・タイガー スペル・デルフィン
<第5試合(セミファイナル) タッグマッチ>
AKIRA ●長井満也
11分55秒 マスク剥ぎにより反則勝ち
〇ザ・コブラ 越中詩郎
<第6試合(メインイベント) スペシャル6人タッグマッチ>
船木誠勝 長州 力 〇藤波辰爾
13分40秒 ドラゴンスリーパー
●ヒロ斉藤 藤原喜明 ボブ・バックランド
レフェリー:1, 2, 4, 5試合目 KC、3, 6試合目 ジェントル高久
リングアナ:弥武芳郎
待ち焦がれられていたバックランド、日本のファンの前で大ハッスル! 前田日明がゲストで来場。最後の最後でさらに盛り上がる。藤波辰爾に向けた言葉は「新日本プロレスの道場の練習で鍛えに鍛えあげられたからこそ今でも現役生活を続けられる」。前田日明の言葉は、かつてはプロデビューまでこぎつけるのが狭き門であった時代。その重みを感じさせるものがあった。
▼ボブ・バックランド「7年近く王者を守り続けその間65回もMSGのメインを努めた」
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▼ニューオーリンズ遠征記:EVOLVE, HoF, NXT盛況~スーパードーム米国底力
▼実録アンドレ・ザ・ジャイアント~追悼・人間発電所~頑固Bバックランンド
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’18年04月19日号ニューオーリンズWM 棚橋弘至ROH 桜庭和志Quintet 力道山 藤波辰爾