2月13日(火)大田区総合体育館での激闘から一夜明けた勝利者会見がキックスロードで行われた。
まず、小野寺プロデューサーは、満員札止めとなった会場の他に、中継映像の視聴者数を証して大盛況だったと大会を総括。その後髙橋一眞、小林愛三が登場した。
髙橋3兄弟の長兄一眞は、狂犬ぶりを抑えて町田の良さを消しにいったと自らの闘いを振りかえった。
小野寺プロデューサーは大阪初進出となる5・3エディオンアリーナへの一眞出場を明言。
さらに高橋三兄弟が揃ったことはあるのか?と、質問を向け、(末弟がアマ時代に揃い踏みはあったがプロになってからはないとのこと)地元大阪での3兄弟参戦を匂わせた。
続いて小林愛三は、キル・ビーのハードパンチャーぶりとハートの強さに圧倒されたと吐露。
セコンド陣からの声で奮い立っての逆転劇だった事を証した。
今後についてはあくまでも無敗でのRENA戦を目指すと宣言。
2人と入れ替わって、マサ佐藤、不可思のトーナメント勝ち上がり2人と、メーンを締めた神童・那須川天心が登場。
大方の予想を覆して水落を流血TKOに沈めたマサ佐藤は、水落のパンチの重さとラッシュのスピードに言及。
額を切り裂いた肘は、水落を研究する中で急遽取り入れた戦法だった事をあかした。
続いては、「予想通りの展開ながらも相手の間合いに入ってしまった」と、瞼と目の下を健太の肘で切り裂かれ、10針縫ったという痛々しい姿の不可思。SNS上でも疑問が寄せられ、不完全燃焼決着となった為に神妙な面持ちで、「延長だと思った」と、自身も決着に納得していないと心境を吐露。
「この先、準決勝、決勝と、健太選手の気持ちを背負って、納得していないお客さんたちを納得させるためにも、残りの試合で取り返す為にも…天心選手の様なスゴいテクニックもないので、命を削って取り返しに行く」
と背水の陣での王座奪取を宣言。
そもそも判定の結果に関しては不可思に責任はない。
間近で観ていた筆者も確かに序盤は不可思が攻められていると思ったが、その後、健太も不可思の肘で出血しており、延長が打倒だったは確かにその通りでもある。
しかし水落と違って不可思の傷は広くとも浅かったと思えて、TKOに至るほどの出血にならなかった。そこはさらに眼を攻めさせず、決定打を防いだ不可思がスゴかったともいえるし、トーナメントの1回戦という試合の性質上、強いていえばどちらかに決める必要があるという背景もある。
引き分けで延長決着と、観てる側は簡単にいってしまいがちだが、出血している両者にあれ以上闘わせていいのかという見方もできる。
となると結局、選手の側に微妙な判定になるぐらいなら一発狙おうという、KNOCK OUTらしい闘いをするしかないという結論に落ち着く。
それは不可思としても改めて肝に銘じたところだろうし、前述の決意はその現れであろう。
髪を染めた風貌やビッグマウスと裏腹に、生真面目でナイーブさを感じさせるのが不可思。単身、帽子や眼帯で顔を隠すこともせずに会見場へやってきていた。
不可思を知らない道行く人から観ても、明らかに殴られた顔を晒す行為で、あるいは不甲斐ない自身への罰のようでもあるし、自らを追い込む決意の表れとも思える。
今後の不可思の闘いには注目していきたいところ。
そして、小野寺プロデューサーをして「本物の中の本物」「宝の中の宝」といわしめた神童・那須川天心。
最初、スアキムが探りながらくると思っていたら強烈な蹴りを受けたという神童は、普段は蹴りを受け流して攻撃するのだが「これは受けたらいけない」
と思い直して徹底ガードしたとのこと。
しかしそれでも、格闘技人生で初めて、試合後に全身に痛みを感じたという。
小野寺プロデューサーは改めて、昨日の快挙を称えると、
「今後中途半端な選手は当てられない」「かつては打倒ムエタイだったが、今は世界が打倒那須川天心になった」
と、大きな存在となった神童の現状を分析した。
「毎回出て欲しいが…」
と前置きした上で、今後に関しては那須川サイド、RIZIN、ホームであるRISEと話さないといけないという認識を示した小野寺プロデューサーとしては、昨暮れのマッチメークを踏まえて間接的に釘を刺したともいえる。
その那須川参戦は未定の次戦4・14川崎、続いての5・3大阪でどんなカードが切られるのかも注目したい。
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