ACB54+ファイトナイツ61+ファイナルファイト・チャンピオンシップ28欧州3大会!

(C)Absolute Championship Berkut

 3月10日(現地時間)にイギリス・マンチェスターで『ACB 54: Supersonic』が開催された。
 このアブソリュート・チャンピオンシップ・ベルクートは2012年から精力的に大会を開催してきたロシアのMMA団体で、ロシア人同士だけではなく、ロシア勢が(ロシアから見て)海外勢と対戦するカードも多く組まれる国際的な大会だった。しかし、最近はチアゴ・シウバ、ポール・ブエンテロ、マイク・カイルという世界的に有名な元UFCファイターと契約し、ロシア対世界ではなく、ワールドワイドなMMA団体となり、2017年1月には遂にアメリカ進出も果たした。
 そして今大会はアメリカに続く海外進出、イギリス大会で、友好関係を結んでいる欧州最大のMMA団体であるポーランドKSWのミドル級王者マメッド・ハリドヴが参戦、元UFCで現在Venator FCミドル級王者であるルーク・バーナットと王者対決を行うのがメインだ。
 ハリドヴはKSWエースとして破竹の連勝を続けており、非UFCファイター、ミドル級最強と言われている。しかし、連勝を続けるプレッシャーで参ってしまい暫く休みたいと休養を宣言。そして復帰戦は敢えてホームであるKSWではなく、ACBで行う事となった。しかしハリドヴは2017年5月のKSW最大のビッグマッチでボリス・マンコウスキーとの王者対決が決定しており、その為、この試合は絶対に負けられない状況に追い込まれていた。しかし、試合は秒殺、ハリドヴが試合開始と同時にパンチラッシュでバーナットを金網際に追い込み、バーナットは崩れ落ちる様にダウン。レフェリーがストップしハリドヴが完璧な勝利で次回KSW最大のビッグマッチへ弾みをつけた。

 また拡大路線という事で元UFCやベラトールという選手が続々と登場。セミファイナルでは、2016年までUFCだったマイク・ウィルキンソンが、一度だけUFC参戦経験のあるブレンダン・ラフレーニと対戦。ラフレーニの打撃ラッシュを受けてウィルキンソンは金網際で壊れた人形の様にダウン。衝撃的なKOとなった。更に元UFCで日本のパンクラスでも活躍するナム・ファンも参戦するも、同じく元UFCでACB初参戦のロバート・ホワイトフォードのギロチンで締め落とされた。

 またレスリングエリートとして鳴り物入りでMMAデビューし、ベラトールを主戦場にしていたババ・ジェンキンスも登場。対戦相手はアリ・バゴフで、ジェンキンスは1Rは得意のレスリングでテイクダウンを奪い上になって攻撃するも2Rに失速。逆にバゴフに上を奪われ最後は三角締めで一本負けを喫した。

■ ACB 54: Supersonic
日時:2017年3月10日(現地時間)
場所:イギリス・マンチェスター

<ミドル級>
○マメッド・ハリドヴ(ポーランド)
 1R 0分21秒 TKO
●ルーク・バーナット(英国)

<フェザー級>
○ブレンダン・ラフレーニ(英国)
 1R 2分30秒 TKO
●マイク・ウィルキンソン(英国)

<ミドル級>
○アスランベック・サイドフ(ポーランド)
 判定
●イオン・パスク(ルーマニア)

<キャッチウェイト>
○アリ・バゴフ(ロシア)
 2R 4分01秒 三角締め
●ババ・ジェンキンス(米国)

<フェザー級>
○ロバート・ホワイトフォード(英国)
 1R 0分21秒 ギロチンチョーク
●ナム・ファン(米国)


(C)Fight Nights Global

 3月11日(現地時間)にロシア・ブリャンスクで『Fight Nights Global 61: Enomoto vs. Aleksakhin』が開催された。
 このファイトナイツはロシアを中心とした東欧で精力的に大会を行なっており、過去にはアンドレイ・アルロフスキーなど大物も参戦しているのだが、UFCファイトパスで生中継もされだしたので、一躍、世界の格闘技ファンに知れ渡った(欧州ではテレビ生中継は以前から)。更にあのエメリヤエンコ・ヒョードルが試合した事で更に注目度が増している。またメジャーになった事で、UFCファイトナイトと混同を避けるため、ユーロ・ファイトナイツと呼ばれる事も増えてきた。
 今大会のメインは、ワンチャンピオンシップでベン・アスクレンと対戦した事もあるニコライ・アレクサヒンと元M-1王者で日本の戦極で活躍した日系人ヤスベイ・エノモトが対戦した。試合は、1Rにエノモトがアレスサヒンからフラッシュダウンを奪い有利に試合を進めるが、2Rにアレクサヒンがローキックでエノモトからダウンを奪うとパウンドの猛攻。グランドで上から攻めているとエノモトがタップ。アレクサヒンがTKO勝利でエノモトを倒し、地元の大歓声を浴びていた。

 またセミファイナルには、元ベラトール王者のエマニュエル・ニュートンがロシアのアルトゥール・アスタホフと対戦した。ニュートンは現在、ロシアに活動の場を移しているが、前戦はWSOF-GC(日本のDEEPと提携している)王者であるエフゲニ・エロヒンに敗れており、再起戦となる。相手のアスタホフはM-1、アフマット・ファイト・ショー、プロFCなどロシア主要団体を渡り歩いているサンボ王だ。当然、地元のアスタホフに声援が集まり、試合がスタート。バックブローを狙う変則的な打撃で攻めるニュートンだが、アスタホフが冷静にさばき、カウンターでパンチラッシュ。終始スタンドの展開が続いたが、2Rにはニュートンをぐらつかせる場面を作ったアスタホフが判定で勝利を勝ち取った。

■ Fight Nights Global 61: Enomoto vs. Aleksakhin
日時:2017年3月11日(現地時間)
場所:ロシア・ブリャンスク

<ミドル級>
○ニコライ・アレクサヒン(ロシア)
 2R TKO
●ヤスベイ・エノモト(スイス/日本)

<ライトヘビー級>
○アルトゥール・アスタホフ(ロシア)
 判定
●エマニュエル・ニュートン(米国)

<ミドル級>
○ゲオルギ・ロベジャニダゼ(グルジア)
 判定
●アユブ・ギムバトフ(ロシア)


(C)FFC

 3月11日(現地時間)にギリシア・アテネで『Final Fight Championship 28: Greece vs. Rest of the World』が開催された。
 このファイナルファイトチャンピオンシップは、クロアチアを本拠地して開催されるMMAとキックの混合イベントで欧州では大きな大会となっている。過去にはあのミルコ・クロコップが参戦(大会名が紛らわしいので日本では、ミルコ引退大会と報じられた)しているほどだ。
 そんな中、2016年2月に行われたギリシア大会では、なんと、あのグローリー王者であるロビン・ファン・ロスマーレンがMMAデビューする試合が行われ勝利を飾っている。そして、今大会でロスマーレンのMMA2戦目が行われた。対戦相手はリスト・ディミトロフでMMA2勝2敗の選手だ。試合は、キック王者とスタンド打撃勝負などしたくないディミトロフがタックルを仕掛けるがロスマーレンが潰す。するとディミトロフが引き込みで寝転がるという展開となった。レフェリーがブレイクでディミトロフを起こすとすぐにロスマーレンのパンチが襲いかかりダウンも奪う。最後はロスマーレンのキックのダメージで立ち上がれないディミトロフを見てレフェリーがストップ。ロスマーレンがTKO勝利となった。

 セミファイナルではヘビー級王座戦が組まれ、ドラコ・ストシックが日本のIGF参戦経験もあるエミル・ザハリヴの挑戦を受けた。ストシックが王座を奪ったディオン・スターリングもIGF戦士であり、ザハリヴから見れば、いわばIGF戦士の敵討ちという意味合いもあるが、王者ストシックはFFCのエース格であり、負けられない。試合は、1R決着でストシックが強烈なローキックでザハリヴを追い詰める。そして最後はストシックの左のローキックでザハリヴが悶絶して足を引きずるとレフェリーが試合続行は無理と判断して試合をストップ。ストシックがTKO勝ちで王座防衛となった。

■ Final Fight Championship 28: Greece vs. Rest of the World
日時:2017年3月11日(現地時間)
場所:ギリシア・アテネ

MMAルール
<キャッチウェイト(69kg)>
○ロビン・ファン・ロスマーレン(オランダ)
 1R 2分56秒 TKO
●リスト・ディミトロフ(マケドニア)

<ヘビー級王座タイトルマッチ>
○ドラコ・ストシック(王者/ロシア)
 1R 2分07秒 TKO
●エミル・ザハリヴ(挑戦者/ブルガリア)

キックルール
<ライト級>
○サモ・ペティ
 判定
●メレティス・カコウババス

<ミドル級王座タイトルマッチ>
○アンディ・ブラタシック(挑戦者)
 判定
●デニス・マラジャノビック(王者)

<ウェルター級王座タイトルマッチ>
○エイバン・ダネンバーグ(王者)
 KO
●アイバン・ビリック(挑戦者)

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