27日、東京シティエアターミナルでウルティモ・ドラゴンが帰国に際して記者会見を行い、突然の南米4ヶ国ルチャ探究の武者修行へ出発することを発表した。メキシコを拠点に、北米はもちろんのこと、イタリアなど欧州にも転戦しているウルティモ校長だが、意外にも今回の予定訪問国は初めてだと言う。

平井丈雅代表の撮影に応じるウルティモ・ドラゴン校長
原点回帰でルチャを探求したい。この目で確かめたい
「2月1日から、南米歴訪をします。ペルーのリマ、ボリビアのラパス、アルゼンチンのブエノスアイレス、そしてブラジルのサンパウロです」
　事前に会見内容を知らされてなかった報道陣には、意外とも思える発表の中身だった。
「巡礼して見てこようと思い立ちました。すべての国のルチャ事情を自分で把握したいんです。地元選手との交流も大きな目的です。まったくの武者修行ですよ。25周年記念大会も終えて、一区切りもついたんで、惰性になってもいけない。リフレッシュを兼ねてもう一度、真摯な気持ちで取り組みたいという。だから、ほとんどバックパッカーのようなモンです。実際、安ホテル探してという巡業になりそうです」
以前から親交のあるメキシコの隣国エクアドルのプロモーターがいて、アレンジしてくれたのだという。その中南米エクアドルには3月に遠征が決まっているが、今回は南米の本丸歴訪となる。
「ブラジルと言うと、MMAみたいに思うかも知れませんが、昔からルチャはあるんです。そういうのを見ていきたい。ボリビアにはチョリータという先住民のプロレスがあります。色んなモノを吸収したいんです」
70歳を迎えるアントニオ猪木会長との不思議な縁
　年末年始はどう過ごしたのかと質問してみたところ、「年末はメキシコ、正月はアメリカのロスにいました。『イノキボンバイエ』にも誘われたんですが、先にアメリカのが決まっていたので参加できなかったんです。でも、今回ブラジルに行けるので、猪木会長との不思議な縁を感じています。2月20日が70歳の誕生日じゃないですか、ちょうどその日は、自分はこの遠征の最終日のサンパウロなんで、日本のパーティには行けないんですが、代わりに自分がブラジルで、猪木会長は元気だ、ちょうど70歳なんだと伝えて回ることになる。不思議な縁を感じてます」とのこと。

「どうだ、スペシウム光線を受けて見ろ」慌ただしい帰国日だったがリラックスムードの校長
どこの団体でもウルティモ・ドラゴン校長の遺伝子だらけ
　ウルティモ校長と言えば、どこの団体でも教え子たちが大活躍している現場に出くわす。ドラゴンゲートの選手たちはもちろんのこと、現在のみちのくプロレスもまた、ほとんどの選手が校長と繋がりがある。シュウとケイのバラモン兄弟は大日本プロレスを筆頭にアチコチの団体に出没して、昨年度のベストタッグ賞だったと評して間違いないだろう。もちろん、賞だなんだというなら、あらゆる媒体から年間MVPだとお墨付きを得た“レインメーカー”オカダ・カズチカの大ブレイクはどうだろうか。校長は、メキシコに留学してきた時からオカダを、将来のエースになると断言してきた事実がある。
　その新日本プロレスには、現役を退いても中継番組の解説等で活躍しているミラノコレクションA.T.がいるし、全日本プロレスでは近藤修司が二冠王だ。プロレスリングノアには石森太二がいる。その他、現役復帰した大鷲透らを含めると、リストだけでも書ききれない。
「ありがとうございます。ほら、今はFacebookとかあるから、もう世界中と繋がっていて、外国人含めてアチコチから入門させてくれとか来るんですよ。また今後、いろいろやっていくためにも、今回の武者修行があるんです。まず自分を磨くということで・・・」
　昨年の11月7日、後楽園ホールで開催された『ウルティモ・ドラゴン25周年記念大会』を大成功させた校長。奢ることなく、再び武者修行に出るというから、レスラー人生の挑戦はまだまだ終わらない。南米歴訪のみやげ話が楽しみである。

「25周年の区切りもついたのでバックパッカーですよ！安ホテルに泊まって」
詳細版はマット界舞台裏2月7日号RフレアーGloryガチドラMAキック熊本激突UドラゴンWWE澤田敦士に掲載されました。
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