秋山がボイコット!? 新日プロと対抗戦を行うノアに分裂の危機が…

 またまたマット界に激震が起こるのか? なんとハッスルに続き、プロレスリング・ノアまで分裂の危機にあることが分かった!
 異変は11月21日の大阪大会から秋山準が「原因不明の体調不良」を理由にシリーズを欠場したときから起こっていた。秋山は今年の6月に腰椎椎間板ヘルニアにより保持していたGHCヘビー級王座を返上して長期欠場。7月12日の後楽園ホールから復帰したばかりだっただけに、再び腰を痛めたのかと心配したファンも多かったと思う。
 ところが、秋山の欠場理由は「原因不明の体調不良」と発表された(後日、左肩関節損傷ならびに体調不良と再リリース)。シリーズ最終戦の12月6日、日本武道館で小橋建太とタッグを組んでGHCタッグ王座への挑戦が決まっていただけに、「原因不明の体調不良」なんていう発表ではあれこれ勘繰ってしまう。
 そこに、この秋山の突然の欠場は、半ばボイコットだという衝撃的な情報が飛び込んできた!
 どうも三沢光晴さんが亡くなったあとのノア内部でくすぶっていた派閥争いが、ここに来て再び再燃しているようなのだ。
 当ミルホンネットの「マット界舞台裏」でも、元「週刊ファイト」編集長の井上譲二記者が何度となくノアが分裂の危機に見舞われていることをお伝えしてきた。三沢さんに代わる新社長に小橋を推していた百田光雄氏が、新人事への不満をブチまけてノアを離脱したのが事の発端だが、幸いにも百田氏を追随する選手やスタッフはおらず、分裂の危機は回避されたと思われた。
週刊マット界舞台裏'09年7月16日号
週刊マット界舞台裏'09年7月23日号
週刊マット界舞台裏'09年8月06日号
 しかし現場を取り仕切っている小橋や秋山、小川良成らと、フロントを取り仕切る仲田龍相談役との対立は根強く残っている。三沢さん生前から相当な権限を握っていた仲田相談役だが、新体制になってからは取締役から相談役に降格。
 だが、相変わらず仲田氏がフロントでトップであることに変わりがないことは、来年1・4新日プロの東京ドームで行われる対抗戦の動向を見てもよく分かる。
 新日プロの菅林直樹社長が1・4ドームでは新日とノアの全面対抗戦を行うことを発表すると、すぐに「本当にやりたいなら、うちの(12・6)武道館の前に言わないでほしかった。こっちにも日本テレビさんとか、相談しないといけない方々がいるので」と不快感を示したのが仲田相談役だった。
 田上社長が言うのなら分かるが、1相談役である仲田氏がこんなに露骨に相手方の社長に対して不快感を示すというのも凄い話だ。仲田相談役には三沢さんの遺族も絶大なる信頼を寄せており、新体制発足後も実質ノアの仕掛人として動いているのは田上社長ではなく、やはり仲田相談役なのだ。
 若手をプッシュする仲田相談役はまず、前GHCヘビー級王者の潮崎豪と棚橋弘至とのシングルマッチと、潮崎からGHC王座を奪取したばかりの杉浦貴と後藤洋央紀のタイトルマッチを決めてみせた。
 問題は1・4ドームのメインカードとなるIWGPヘビー級選手権の中邑真輔の相手。「マット界舞台裏」09年12月10日号で、井上記者は「ノアの秋山準だ」とスッパ抜いた。
 セミファイナルにGHCヘビー級王者が出るのなら、メインには小橋、秋山クラスの選手が出なければ対抗戦という感じがしない。小橋の体調を考えると、ドームのメインで中邑と対戦するのは厳しい。その点、ベルトの権威を高めるべくストロングスタイルの挑戦者を求める中邑にとって、秋山ならば相手にとって不足はない。
 ところが秋山は冒頭でも書いたように、原因不明の体調不良で突然欠場を発表。一応、12・23丸藤正道プロデュース興行で復帰するため、1・4ドームには間に合うが、もしこの欠場が本当に秋山のボイコットならば、新日側と交渉している仲田相談役にとっては悩みの種だ。
 当然、新日プロ側は「欠場明けの選手にドームのメインは任せられない!」と文句を言うはず。そこで仲田相談役が秋山に変えて白羽の矢を立てたのが高山善廣だ。高山なら中邑の望むスタイルの試合が出来るし、メインを任せることもできる。新日プロVSノアの対抗戦にだって、高山はノア側の選手にギリギリ当てはまる。
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 そういえば中邑の対戦相手候補には、主戦場の「ハッスル」が消滅の危機にある川田利明の名前も挙がっていた。川田といえば田上社長を介して、ノアを新たな主戦場にするという噂があったが、いまだ実現していない。この辺も小橋・秋山派と仲田相談役派の対立が影響しているのだろうか?
 このまま契約更改を機に小橋や小川とともに、秋山がノアを離脱する可能性は十分にある! だが、秋山や小橋らと対立しているわけではない丸藤や潮崎らは、当然残留してくれるように説得するだろう。それにノアを離脱したところで、この不況の時代にスポンサーを探して新団体を立ち上げるのも困難と思われる。
 今週号の「マット界舞台裏」では12・6武道館の厳しい客入りについても書かれているが、爆弾を抱えているのは間違いないノアの2010年がどうなるのか、目が離せない!