“不良の祭典”がド派手に両国初進出! あの“スター”たちは如何に闘ったか!? 3・15『THE OUTSIDER SPECIAL』

 15日、東京・両国国技館にて『クローズZERO Ⅱ 公開記念 THE OUTSIDER SPECIAL』が開催された。

 昨年3月30日の旗揚げ以来、チケットがプラチナ化する異常人気を続ける“不良の祭典”こと『THE OUTSIDER』。旗揚げ1周年を迎える2009年の初戦の舞台として、今春公開の映画『クローズZERO Ⅱ』とのコラボーレーションにより、なんと両国国技館での開催が決定。リングス・前田日明代表が「4000人も入れば合格」と戦前の会見で語っていた動員も、フタを開けてみれば広い国技館をほぼ満員に埋める入り。場内にはDREAM、戦極、K-1といったメジャー格闘技に負けず劣らずの豪華な入場ゲートが設営され、全試合に凝った煽りVが流れるなど、今までのOUTSIDERとは打って変わったゴージャス感溢れる演出の中、全22試合の熱戦が行われた。

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会場内の様子。「シンプル・イズ・ベスト」な、これまでのディファ有明での大会と打って変わって豪華絢爛な演出が成された

 “OUTSIDERオールスター戦”というべき今大会は、初の大会場興行ということもあり、OUTSIDER発の個性と不良性が溢れる“スター”たちが大挙登場。今回は、そんな彼らが未体験ゾーンの大舞台で如何に青春の炎を燃焼させたか!? そこにスポットを当ててリポートしていこう。

【第13試合】
“横濱義道会初代総長 濱の狂犬”黒石高大
vs.
“太田総理の最強ブレーン ザ・タイタン”野口悠介

 過去に出場した3大会で全敗ながら、すべての試合で乱闘などの騒ぎを引き起こす(前回の12・20『第四戦』では、なんとゴング前に対戦相手を殴り倒しノーコンテスト!)、OUTSIDERの名物男“ハマの狂犬”黒石。過去の暴れっぷりを面白おかしくまとめた煽りVが流れる間、満員の観客から爆笑が沸き起こる。
 煽りVで触れられていた通り、「今度こそ勝ちたい」という思いで「嫌いだった」練習にも本格的に打ち込み始めた黒石。“狂犬”から“格闘家”への脱皮を図るべく(?)、ゴングが鳴っても今回ばかりは冷静な立ち上がりを見せる黒石。
 しかし対戦相手の“闘う放送作家”野口は、総合格闘技の経験は豊富。圧力(プラス怖さ?)で上回る黒石が幾度となくテイクダウンから上のポジションを取るが、寝技のスキルで勝る野口はその度に腕十字と三角締めの波状攻撃を仕掛ける。黒石が野口の下からの寝技に苦しんだまま1R終了のゴングが鳴ると、場内から「1Rもった!」と言わんばかりの歓声が沸きあがる。
「勝ちたい!」という執念を見せる黒石だが、第2Rでも同じ展開が続き、最後は何度仕掛けられたかわからない腕十字でついに万事休す。ハマの狂犬の激情は、野口の沈着冷静な寝技に封じ込められた。

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「来い来い」と抜群の表情で挑発するシーンも見せた黒石だったが、執拗な腕十字地獄に沈んだ
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 試合後、またまた始まった黒石軍団の乱闘劇場! 「よーいドン」とでも言わんばかりのタイミングで雪崩れ込んできた大応援団の姿は、大会場両国だけあって、ディファ有明の過去大会以上のド迫力! しかし騒ぎの一部始終を見守る満員の観客の表情は、「待ってました!」とばかりに、皆満足げなのであった。

【第18試合】
“天下一武闘会のラスボス”出田源貴
vs.
“封印解放 アウトレットブルース”川村勝

 昨年10・19『第参戦』メインにて、圧倒的なKO勝利と「リングス、ふざけんなこの野郎!」という衝撃のマイクアピールで、比類なき存在感を見せつけた“アウトレットブルース”川村。17歳で任侠の道に入り、2年3ヶ月の懲役を経験した本物のアウトローであるこの男が持つオーラは、広い国技館の時空すらも制圧する説得力がある。
「一番強いヤツと闘いたい」川村が今回タイマン勝負を指名したのが、西のアウトロー王国・北九州が誇る喧嘩格闘技大会『天下一武闘会』の雄・出田。天下一武闘会とOUTSIDERでともに無敵の実績を誇る格闘屋・出田は、生粋の喧嘩屋・川村にとってまさに申し分ない相手だ。

 試合は開始早々期待通り、いや期待を大きく上回るフルスロットルのド突き合い! 満員の観客を熱狂に引き込んだが、やはり格闘技的な技術は出田が上回ったか、左フックで川村の巨体がマットに沈みKO! 九州の雄・出田が“MVP狩り”で大いに名を上げるのに成功した。
 そしてこの試合が表彰式で「ベストバウト賞」を獲得。誰もが大納得の濃密な31秒だった!
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【第20試合】
“リアル刃牙”渋谷莉孔
vs.
“関東伝説チーマー元KGB幹部 千葉の鬼夜叉”内藤裕

『第参戦』にて、驚異のスピードを誇る打撃と、ダウンした相手を「弱ぇー! 弱ぇー!」と舌を出して侮辱する狂乱ぶりで、一夜にしてOUTSIDERの「最注意人物」に躍り出た“リアル刃牙”渋谷。その態度に「許さん!」と激怒し、“渋谷狩り”を宣言したのが、元『KGB』の伝説のチーマー・内藤。この内藤も、かつては「人刺しの裕」と言われるほどの恐ろしい喧嘩を繰り広げていたフダ付きの中のフダ付きな存在。OUTSIDERにおいても危険度MAXの激突、満員の国技館に緊張が走る。
 入場曲のアッパーなトランスミュージックを延々と流し続けたまま、なかなか入場してこない渋谷。待つこと2~3分ほどか、黒と金の袖無しガウンに身を包んだ渋谷が登場。それにしても両国の長い花道を歩く渋谷には、早くもスターのオーラが漂っている! そして渋谷の顔面には、マイク・タイソンばりのタトゥーが!!

 しかし最高潮に高まった観客の期待が、試合が始まった途端徐々にシボんでいってしまう。ワル同士の打撃戦が期待された試合は、お互いの間合いが噛み合わなかったか、クリンチが相次ぐ膠着戦。第2Rでは、渋谷が内藤の周りを、避けるように回ってしまう予想だにしないシーンまで出てきてしまう。結果は積極性で上回った内藤の判定勝利。渋谷のブログが試合後に更新されたが、衝撃のカミングアウト&突然のアウトサイダー卒業宣言という実に刺激的な内容で、かなりの波紋を呼びそうな予感。それにしても渋谷莉孔よ、どこへ行く――!?
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【第21試合】
“博多名物 ひとり喧嘩祭”アパッチ小次郎
vs.
“最強セキュリティー軍団ボンズ所属 暴力大魔王”加藤友弥

 格闘セキュリティー集団『BONDS』の最強バウンサー・加藤。旗揚げ『第壱戦』(09・3・30)のメインにて“伝説の喧嘩師”与国秀行をKOし、栄えある初代MVPに選ばれた実績を誇る。対するはOUTSIDER3戦全勝のハードパンチャー・アパッチ。セミファイナルにふさわしい頂上決戦も激しい打撃戦となったが、トータルファイターとしてのバランス・戦略は加藤が上回るか、途中からアパッチを首相撲に捕らえ、ボディにヴァンダレイ・シウバばりのヒザ蹴りを連打。みるみるうちにアパッチの腹部が真っ赤に染まり、2度のダウンを奪った加藤がKO勝利。強い!
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【第22試合】
“北関東最強暴走族 元・魔璃闇薔薇総長 格闘彫師”吉永啓之輔
vs.
“インテリジェンスタイガー”秀虎

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『第参戦』MVPにして、『第四戦』でも、かの前田日明をして「ここ5年で見た格闘技の中でもベストバウト」と絶賛の名勝負を演じた“格闘彫師”吉永。大舞台・両国でのメイン抜擢も当然の実績か。迎え撃つはOUTSIDER最強のストライカー・秀虎。全22試合のオールスター戦の大トリ対決も、開始からお互いの誇りを懸けた打撃戦。寝技で仕留めたいはずの吉永も一歩も引かず打ち合いに応じ、秀虎の左眼を腫らしてみせる。しかしパンチ合戦なら秀虎の土俵か、激しい打ち合いの末、吉永からダウン2度を奪い、頂上対決を制した。そしてこの鮮烈な勝利により、秀虎が記念すべきオールスター戦のMVPを獲得! 2009年のOUTSIDERは、秀虎がこのまま主役に躍り出るか!?
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 そしてミルホンネットでは、未公開写真大量投入の全試合詳報を、別冊ミルホンネット『THE OUTSIDER 両国の夜明け』にて完全版として大々的に収録いたしました。ぜひご購入下さい!!
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■『クローズZERO Ⅱ 公開記念 THE OUTSIDER SPECIAL』
2009年3月15日(日)開始16:00
会場:東京・両国国技館

<第1試合>
○“闘いに目覚めた烈風の牛若丸”金島欣和
(1R2分10秒 TKO).
●“斬刃拳慶流魁 特攻隊長”関谷勇次郎

<第2試合>
○“ジャッジ宮沢一番弟子 沼津の一撃空手王”渡辺竜也
(1R1分28秒 TKO)
●“池袋 弐双龍の龍帝”SHIN

<第3試合>
○“青森最強 芹沢軍団の突撃隊 死神グラップラー”神風飛丸
(2R2分54秒 TKO)
●“アウトローのカリスマ撃破 頑固一徹 北海のローンウルフ”大谷匡弘

<第4試合>
○“漢は花道 火山処大分 ケンカの天才”花道
(1R0分30秒 TKO)
●“闘龍比賓 栃木のヤンキー狩り”野口聡

<第5試合>
○“練馬のマッドドック”羽田光成
(1R2分18秒 KO)
●“戦慄のトマホーク・ラッパー”滝本光成

<第6試合>
○“渋谷連合初代頭 喧嘩破壊堕天録カイジ”平野海志
(1R1分53秒 腕ひしぎ十字固め)
●“愛知のレッドゾーンストライカー”立花栄祐

<第7試合>
○“国技館に響き渡るシャンパンコール ホスト界のゴッドファーザー”家崎明
(1R0分49秒 TKO)
●“斬刃拳の規格外 反逆のアウトサイダー甲子園”拳弥

<第8試合>
○“日本一のドラ息子 東京青山最強ウェイター”高橋玲央
(2R0分31秒 TKO)
●“道頓堀の不動明王”千葉雄太

<第9試合>
○“アウトサイダー少子化対策担当大臣 最強保育士”秋山翼
(1R0分59秒 ヒールホールド)
●“特殊暗殺任務遂行部隊 三島のCIA”シンゴD2

<第10試合>
○“栃木真岡 夜の代表取締役”松本峰周
(2R2分21秒 チョークスリーパー)
●“ケンカと祭りは江戸の華 喧嘩神輿東京代表”佐藤隆

<第11試合>
○“静岡天竜区最恐 スコップマン”学コング
(1R0分19秒 KO)
●“浜松の喧嘩無敗伝説 ザ・ドーベルマン”吉田傑

<第12試合>
○“ストリートファイトの重鎮 人生喧嘩任侠”中村トッシー
(1R1分54秒 TKO)
●“難攻不落のベストバウト野郎 近畿のケンカ柔道一直線”高田敬久

<第13試合>
○“太田総理の最強ブレーン ザ・タイタン”野口悠介
(2R 1分39秒 腕ひしぎ十字固め)
●“横濱義道会初代総長 濱の狂犬”黒石高大

<第14試合>
○“川口連合 第十代総長”武井勇輝
(2R判定 2-0)
●“和製ヴァンダレイ 鋼の喧嘩術師”友田隆志

<第15試合>
○“顔面美容整形マシーン”中村俊太
(2R0分53秒TKO)
●“寝ても立ってもフルポッコ 取手の拳帝”幕大輔

<第16試合>
○“お前のメダルは俺のもの! 俺のメダルは俺のもの! 国士舘のリアル・ジャイアン”剛田武
(1R1分59秒 TKO)
●“男暦27年 マッド・ジーニイズ”能仁

<第17試合>
○“天下一武闘会 大目付”野村剛
(1R1分20秒 腕ひしぎ十字固め)
●“拳に刻む七つの十字架 高円寺のトランス・ハイ”佐藤拳真朗

<第18試合>
○“天下一武闘会のラスボス”出田源貴
(1R0分31秒 KO)
●“封印解放 アウトレットブルース”川村勝

<第19試合>
○“高谷軍団特攻隊長 津田沼のピットブル”小林聖人
(2R判定 3-0)
●“濱の勇二”高垣勇二

<第20試合>
○“関東伝説チーマー元KGB幹部 千葉の鬼夜叉”内藤裕
(2R判定 0-3)
●“リアル刃牙”渋谷莉孔

<第21試合>
○“最強セキュリティー軍団ボンズ所属 暴力大魔王”加藤友弥
(1R1分45秒 TKO)
●“博多名物 ひとり喧嘩祭”アパッチ小次郎

<第22試合>
○“インテリジェンスタイガー”秀虎
(1R1分04秒 KO)
●“北関東最強暴走族 元・魔璃闇薔薇総長 格闘彫師”吉永啓之輔

別冊ミルホンネット『THE OUTSIDER 両国の夜明け』