FIGHTING NETWORK RINGS ~THE OUTSIDER~ 第4戦

 いまもっともチケットが取れない大会と話題のTHE OUTSIDERが20日、ディファ有明で開催された。オープニングで主催のリングス前田社長が「2009年3月15日に両国国技館でアウトサイダーの大会が決定」と発表し盛り上がる。

 試合は全24試合中20試合がKO、タップアウト決着で普段格闘技を見ない選手応援の観客も大興奮だった。(発表は25試合だが1試合はドクターストップで未承認)中でもミルホンネットが選んだベストマッチを5試合紹介しよう。

 第10試合杉田匠VS雨宮禎。雨宮は第一回大会のメインを飾った与国と同世代の不良でWBCフライ級王者内藤大助、レイ・セフォーらが推薦人で俄然注目が集まる。
 揃いのTシャツで大勢の応援団の大歓声に湘南乃風の若旦那が歌うオリジナルテーマに乗って入場。試合開始後も喧嘩慣れした感じで真正面から殴りあい杉田を追い込みあと一歩の展開で会場を盛り上げるが1R、2分過ぎに盤に杉田の膝蹴りをボディにもらいスタミナを奪われると払い腰でテイクダウンされサイドから肩固めがガッチリ極まるがタップしない雨宮をレフェリーが危険と見なしストップ。無念の敗北となったが心折れない姿勢で意地を見せた勝負だった。
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 第16試合結城勝次VS小川丈二の試合は湘南の不良と山梨の不良の対決。アウトサイダーのコンセプトを体現している。試合は正面からの殴り合いで最初のパンチで結城がダウンを奪う。ドクターチェックでダメージを回復した小川も反撃し殴り合いパンチで逆にダウンを奪う。
 両者あと一度のダウンでTKOの緊迫した展開の中頭を下げフックで向かってくる小川に冷静にアッパーを決めた結城が勝利。格闘技経験のほとんど無い同士がアウトサイダーに向け練習し意地を張り合いを見せた試合だった。
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 第20試合 堀鉄平VS加藤紘也は前回大会で組まれたカードだが堀の怪我でノーコンテストとなった試合が実現。打撃で勝負したい加藤が前に出てくる所をテイクダウンする堀、加藤は身体能力で返し上になりパウンドの展開が繰り返され堀にややダメージの蓄積がみられたところで1R終了。2Rも加藤が圧力をかけながら打撃で向かう。
 1分過ぎにカウンターのタックルから引き込み、下からの狙い澄ました三角締めで薄氷の勝利ながら柔術紫帯の実力を見せた。
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 第24試合佐野哲也VS吉永啓之輔は第3回MVPで不良の吉永とアマシュートボクシングで実績があり泰然自若の佐野の注目のカード。1R開始からスタンドで撃ち合う二人。予想に反しスタンドで上回る吉永にひるまず向う佐野、もつれグラウンド状態になってもすぐに立ちスタンドで来いと要求する佐野に場内盛り上がる! 激しい撃ち合いの中ゴング歓声でゴングは聞こえないほどのヒート。
 2R開始から正面で撃ち合う吉永のパンチの方が的確でダメージのある佐野だがひるまずに圧力をかけ前にでて撃ち合い場内大歓声、2R終了間際やや打ちづかれた吉永がクリンチから下になると一瞬のチャンスを逃さずマウントを奪いパウンドで2R、2分59秒レフェリーストップで佐野の勝利! 会場はこの日一番の大興奮。
 前田日明をしてここ5年間で一番の名勝負だったと言わしめた。
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 第25試合加藤友弥VS清水征史郎は、第1回大会で与国と名勝負を繰り広げアウトサイダーの顔となった加藤に与国の盟友清水が挑む因縁のカード。試合開始と同時に打撃で攻める加藤に押されながらも応酬する清水スタンドで、加藤がバックをとり清水が桜庭アームロックの態勢でこらえるシーンが続く。1R終盤にもつれながらテイクダウンした加藤に清水が下からアームロック、ガッチリ極まったと思われたが加藤が驚異的な粘りで凌いだところでゴング。2R開始と同時にお互い2、3言葉を交わすとノーガードで殴り合い、加藤のパンチが決まり清水がたまらずダウン何とか立ち上がり再開後もノーガードで撃ち合うが加藤の的確なパンチをまとめて清水2度目のダウンでTKO! 加藤がアウトサイダーの顔として大会を締めた。
 格闘技経験が浅いという加藤だが、潜在能力と勝負に掛ける姿勢が他の選手より抜きん出ていると感じられた。
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 他にも桁違いの身体能力を見せた赤石明幸選手、オモプラッタを見せたりテクニカルな金島欣和選手、前田から「もう少し若ければプロでいい線行ってるよ」と言わした岩間美伸選手など粒ぞろいな大会で、全試合終了後の記者会見で「今までで一番いい大会」と前田代表も満足な様子だった。

 今大会の不安は乱闘だったが乱闘は一切無く、騒ぎはノーコンテストとなった第19試合の黒石選手の試合前の攻撃の時だけであった。一時騒然となったがセキュリティーのボンズを中心に上手く収めていた。黒石選手は毎試合一本気なファイトを見せてくれるので次回に期待したいが最低限のルールは守るべきだ。

 大会通して感じたのは「不良で格闘技経験の無い選手」、「不良だが格闘技経験ある選手」、「不良狩りを宣言する選手」「アウトサイダーを体感したい選手」という4つのカテゴリーの選手に分かれてきた感のある選手をスキル、バックボーンを上手く選別しマッチメークしている。アウトサイダーからプロの格闘家にステップアップする選手、アウトサーイダーという大会を満喫する選手と別れてくると思うが、不良や腕自慢の実力発表会は今後も盛り上がる見逃せない大会になる。

大会結果は以下の通り
第25試合
○「暴力大魔王」加藤友弥 第一回大会MVP
(2R 0分36秒 TKO レフェリーストップ)
●「最強不良戦国世代 激動の90年代からの刺客 浦安皇帝降臨」清水征史郎

第24試合
○「アマ最強戦士 アウトサイダー殴り込み」佐野哲也
(2R 2分59秒 TKO レフェリーストップ)
●「格闘彫師」吉永啓之輔 第三回大会MVP

第23試合
○「濱の勇二」高垣勇二
(2R判定 3-0)
●「浦安の智将 第四代宇田川警備隊」栗山圭吾

第22試合
○「インテリジェンスタイガー」秀虎
(1R 2分05秒 TKO レフェリーストップ)
●「アブダビストライカー」伊澤寿人

第21試合
●「本場 広島からの刺客」翔貴
(2R判定 0-2)
○「川口連合 第十代総長」武井勇輝

第20試合
○「法曹界の最強弁護士 人権派 柔術弁護士」堀 鉄平
(2R 1分16秒 三角絞め)
●「喧嘩所茨城制圧 ザ・WORST」加藤紘也

第19試合
「濱の狂犬」黒石高大
(ノーコンテスト)
黒石選手の試合前の攻撃で小森選手にダメージがありドクターストップ
「北区の鬼山賊」小森信綱

第18試合
○「和製ヴァンダレイ 鋼の喧嘩術師」友田隆志
(1R 1分13秒 KO)
●「実録死亡遊戯 九州軍団 影の総帥」山元 寿

第17試合
○「渋谷連合・初代頭 喧嘩破壊黙示録カイジ」平野海志
(1R 1分28秒 腕十字固め)
●「駿河の鉄板」増田良平

第16試合
○「江ノ島の喧嘩百段」結城勝次
(1R 2分23秒 TKOレフェリーストップ)
●「世界遺産級 山梨の殺戮グラディエーター」小川丈二

第15試合
○「ハマの夜王 ドンペリストライカー」アユム
(1R 2分24秒 TKO※レフェリーストップ)
●「反逆の世界ウルルン拳豪記」下条壮登

第14試合
○「沼津の一撃空手王」渡辺竜也
(2R 1分17秒 KO)
●「スパルタンM」内藤“マゾヒスト”

第13試合
「練馬のマッドドッグ」羽田光成
(未承認試合)
「戦慄のトマホーク・ラッパー」滝本光成
※滝本がドクターストップのため

第12試合
○「不良狩りハンター」真鍋朝行
(1R 1分39秒 チョークスリーパー)
●「不適合アトミック 死神グラップラー」神風飛丸

第11試合
●「天下一武闘会の新星」松岡洋平
(1R 2分41秒 チョークスリーパー)
○「(株)喧嘩 船橋支店」三枝美洋

第10試合
○「杉田神拳 サザンクロス」杉田 匠
(1R 2分58秒 肩固め)
●「SB緒方 WBC内藤 K-1レイセフォー推薦 人生無敗 喧嘩神降臨」雨宮 禎

第9試合
●「天下一武闘会 毛利軍の軍師」土屋クレイジー
(1R 0分32秒 腕十字固め)
○「クランチ杉浦代表のリーサルウェポン」山田史博

第8試合
○「浜松斬刃拳道場 特攻隊長」関谷勇次郎
(1R 2分39秒 KO)
●「幕組のリアル・ザ・全身凶器」クロダマン

第7試合
△「22世紀の闘う猫型戦士」野中“ドラエモン”康弘
(2R判定 0-0)
△「杉並グループの最強世代 赤い彗星」岩間美伸

第6試合
○「天下無双の アクロバティックファイター」赤石明幸
(1R 1分50秒 KO)
●「殺戮のレッドタランチュラ」小柳稔幸

第5試合
○「九州天下一の重量戦士 天神のラスボス」出田源貴
(1R 0分35秒 KO)
●「千住の黒幕」鈴木 達

第4試合
○「闘いに目覚めた 烈風の牛若丸」金島欣和
(1R 1分11秒 アームロック)
●「しばきあいコマンダー」中川展彰

<第3試合>
●「驚愕のナイトパック760円野郎」リアルネットカフェ難民佐藤
(2R判定 0-3)
○「寝ても立ってもフルボッコ 取手の拳帝」幕 大輔

第2試合
●「北千住のスパイダーマン」益田 諒
(2R 1分37秒 KO)
○「四国高松のナチュラルクレイジー」RφWDY(ローディー)

第1試合
●「三度目の正直 掲示板代表“先走りマン”」下中雅也
(1R 2分14秒 TKO レフェリーストップ)
○「吉永三人衆 夜の代表取締役」松本峰周

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