WWEスラミー賞に組織票疑惑!? 今夜のアルマゲドンPPVはシナ防衛予定

08.12.14jericho.jpg 11年ぶりに復活したWWEスラミー賞であるが、テープをじっくり見ると大いに楽しめる内容となっている。

 マット界舞台裏12月18日号には東京スポーツ大賞の組織票疑惑が詳細されているが、WWEのスラミー賞が放送作家チームによる創作だったとして、いったい誰が困るんだろうという気もするが、現地時間12月14日に開催される『アルマゲドン』PPVの宣伝と煽りを兼ねた選考であったことは否めない。

 アルマゲドンではジョン・シナの世界ヘビー級王座防衛戦が組まれているが、対戦相手のクリス・ジェリコが勝つかも知れないというお膳立てのためにも、2008年度のスーパースター賞はショーン・マイケルズを引退に追いやろうとしているジェリコである必要があった訳だ。
 もっとも、ガチでもジェリコの活躍ぶりは際立っていた。彼にしてもいったん引退してヘビメタ・バンドに専念していたわけであるから、ある意味ではリフレッシュされて巡業に戻ったことも功を奏した格好になる。
08.12.14CMpunk.jpg 
CMパンク(右) WWE PPVレポート ’06ディセンバー・トゥ・ディスメンバーより

 スラミー賞はこのほかに、OMGモーメント・オブ・ザ・イヤー(オーマイガッな瞬間賞)に注意していただきたい。栄誉に輝いたのはインディー選手の印象があるROH出身のCMパンクが、大出世の「WWEヘビー級王者になった瞬間」という選出となったが、檀上に上がったイリノイ州シカゴ生まれのCMパンクは、なんとリングスの”関節技の魔術師”ヴォルグ・ハン先生の名前を出して感謝の意を表したのである! 日本での初回放送は12月29日のJ SPORTS PLUSなので、どのような字幕にするのか不明であるが、もちろんアメリカのお茶の間のファンは、何のことか、誰のことかもわからなかったに違いない。      ⒸWorld Wrestling Entertainment Inc.

 CMパンクは、日本のプロレス・オタクとして有名なのだ。KENTAのゴー・2・スリープや、武藤敬司のシャイニング・ウィザードを使っていることはアメプロマニアならご存知のことだろう。しかし、本人がリングスのビデオをことのほか喜んで収集していたことを知っているのは、彼のグリーンボーイ時代を知るごく一部の日本人だけだ(笑)。
 おそらくは、檀上でノアのKENTAなどの名前を出すと、政治的に担当エージェントさんが怒ると考えたパンク(本名フィリップ・ブルックス)は、わかる者だけがにんまりしてくれるハン先生の名前を出したに違いない。「やった~!」と思ってくれた者が世界で3人くらいはいたかも知れない。

WWEスラミー賞 クリス・ジェリコがスーパースターに選出!

 今年のWWEは経済不況を受けて株価が半分になり、レッスルマニア前に持株を売り抜けた者は助かっている状況にある。先日のイラク遠征では、乗換のドイツに向かう飛行機の中で酔っ払ったJBLが、旧本家ECWの実況でお馴染みのジョーイ・スタイルにからみ、半分以下のサイズでしかないジョーイに顔面パンチをモロにくらってアザを作ってしまう不祥事も起きた。
 飛行機内で起こったことにはかん口令が敷かれ、絶対に外部に漏れない約束のはずだったのに、一部の選手がオフレコで漏らしてしまい、もはや隠せない事件となっている。

 『レッスルマニア24』のPPVは北米からが、66万7千世帯、全世界合計で100万件は突破しているが、収益は3300万ドルだ。一方の『UFC91』(ブロック・レスナー対ランディー・クゥートア)もまた合計100万件突破のようで、しかしこちらはHD-netで視聴した場合単価を値上げしたため、収益は4500万ドルになるという。

 MMA=総合格闘技の攻勢が続いた格好であるが、来年のマット界はどうなるかわからない。サブプライムローン焦げ付き問題の表面化から一年後に金融危機が噴火したのと同じく、『エリートXC』の崩壊や、UFC親会社のステーションカジノの経営危機が、タイムラグを経てボディーブローのように利いてくるだろう。

WWE PPVレポート ’06アルマゲドン ジミー鈴木の選ぶMVP
ミルホンネット独占企画「ゲイル・キム写真集」
週刊マット界舞台裏’08年3月27日号「WWEビンス、猪木バースデービデオに登場の謎」
鶴田倉朗 前「なぜ最近のWWEはもの足りないのか」
* 14日深夜0時50分より、ジョン・シナ主演映画『ネバーサレンダー 肉弾凶器』WOWOWにて放送!