学生プロレスとはなにか? メインイベントはメジャーを超えたのか!

 奇跡のメインイベントだった。
 4つの異なる大学から選ばれし6人の学プロ戦士たちが、新宿FACE大会のトリを務める。

 エロワードネゲロは、KAIENTAI道場に入門していたが、コミューンのような合宿所に失望して学生生活に戻ってきた。彼はチャンピオンたちの受け役に回った。受けて、受けて、受けまくり、プロレスとは何であるのかを身をもって示した。
 クズ・ハヤシはジェフ・ハーディーの役だ。縦横無尽に飛びまくり、観客を味方につける。
 破壊王の大塚愛撫は、「殺」と書かれたガウンを着て入場。体格差を利用してソルト佐藤をネックハンギングでいたぶる。

08.3.6face7.jpg
左→右 海援隊道場のTシャツをもじった海綿体膨張Tシャツを着て入場したもみあげのエロワード・ネゲロ(SWS)、クズ・ハヤシ(UWF)、大塚愛撫(NUWA)対上野クリニックHK(SWS)、スイカップ・健遅漏(UWF)、ソルト佐藤(HWWA)

 三冠王者の上野クリニックHKは、トリでも受けでも次々に見せ場をつくり大役を果たしている。
 UWF王者のスイカップ・健遅漏は、巨体の大塚愛撫をバックドロップで投げ切り、ラストはエロワードネゲロを20分32秒、ライガーボムで沈めて試合を閉めた。
 「20分経過!」の場内アナウンスは必要なかった。試合はすでにフィニッシュのシークエンスに入っており、6人の戦士はイメージ・トレーニング通りの尺で完璧にやり遂げていた。
 アドリブでダラダラやることがストロング・スタイルだと勘違いしている自称メジャー団体のフロントや選手にこそ見てほしいメインイベントだった。

 場所も同じ新宿FACEにて、RWF出身の棚橋弘至がマスクド・カナディアン(本間朋晃)相手にやらかした悪夢のような勘違い試合に失望した学プロOBがいかに大勢いたことか。タナーよ、お前には試合はまだ作れない!
 2008年3月6日、学生プロレスの本格始動から30年、満員札止めとなった歌舞伎町の会場にてガチボーイたちによる下剋上はついに果たされたのである。
 
08.3.6face7b.jpg
学生プロレスサミットが新宿FACEを立ち見で埋める満員御礼に
サンデージャポン朝青龍レポーター一宮章一から栗原あゆみまで 学プロ観戦者リスト

藤波MSGデビューと学生プロレスの起源『マット界の黙示録』