サンデージャポン朝青龍レポーター一宮章一から栗原あゆみまで 学プロ観戦者リスト

 学生プロレスサミットの超満員の客席には、学生プロレスOB、映画『ガチ☆ボーイ』関係者だけでなく、多くの学プロ出身レスラーや、スカウトたちも集結していた。
 ガッツ・プロモーションと言えば学生プロレス出身者を母体とする大会を開催してきた。ボスの一宮章一は最近は「サンデージャポンの朝青龍レポーター」としてお茶の間に知られている。一宮を筆頭に、ガッツの幹部が勢ぞろい。熱い視線を送っていたのは当然かも知れない。
 DDTもまた、学プロとは切っても切れない因縁がある。男色ディーノにアントン、マッスル坂井らが偵察に来ていた。「100回のスクワットより1回の打ち合わせ」をモットーとする西口プロレス関係者は、ビラを配るなど大奮闘だ。長州小力も客席にいた。
 UWAI STATIONが店じまいのはずの上井文彦は、何をたくらんでいるのかわからない。学プロのレスラーにプロ志向は少数派で、大半は卒業すると就職してしまうからだ。
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テント・ハリゾー(対テレフォンクラノ)のクラッチは完璧だ。フィニッシュはBIMAのボストン・クラブ
 女子プロレスラーでは、吉田万里子が観戦。裏シューター前村早紀はレディース・ゴングの企画で休憩明けに「ベスト・レスラー」賞を選ぶ役どころでリングに上がった栗原あゆみの付き添いで来たようだ。その栗原が「女子プロレスラー」と紹介されると、客席からは「え~」と微妙な歓声が上がる。
 もっともセミファイナルを務めた口臭力がいみじくもマイクで言ったように、「今日のお客は本物の長州よりも、長州小力しか知らないから」なので、これは致し方ない反応であった。
 栗原が選んだのは、第一試合で「ドロップ・キックが奇麗だったから」というUWFのBIMA選手。イケメンであるからの選択なのかも知れない。
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ジャーマンのブリッジはお見事。カメラ目線の表情の作り方も満点だったもずく2パック酢
 プロレスをよく知らない、友人関係で新宿FACEに来たお客さんに一番受けたのは、セミ・ファイナルの早稲田大学5回生・口臭力と、ガッツワールドでいったんはプロになりながら、学生プロレスに戻ってきたもずく2パック酢の、この大会唯一のシングル・カードである。
 イケメン選手のもずく2パック酢は、5名の女性ダンサーを従えて圧巻の入場を演出、マグナム東京、B×Bハルクに対抗してみせたのだから、つかみもバッチリだ。 
 一方の口臭は、もともと長州力が3つのハイスポット(ラリアット、ストンピング、さそり固め)だけで試合を組み立てるレスラーだから、一見さんにわかりやすい。6人タッグ、3WAYと、たくさんのレスラーが出てきて混乱していたお客さんにとっては、もっとも感情移入しやすかったことになる。
 最後には「KOSHU、KOSHU」コールで場内大合唱となるオーバーぶり。試合はお約束のリキラリアットが13分13秒に炸裂した。しかし、もずく2パック酢の試合運びの上手さには、一宮章一らガッツワールド首脳陣を顔面蒼白にさせていた。逃した魚は大きかったことになる。