[週刊ファイト11月13日]期間 [ファイトクラブ]公開中
▼宮原健斗、王者の貫禄!三冠防衛で全日北海道シリーズ堂々の締めくくり
(C)全日本プロレス公式 編集部編
・全日本プロレス北海道後半四連戦!激闘の記録
・旭川に“スーパースター”が帰還─宮原健斗らが競演した後半戦の熱狂
・アンドレザ・ジャイアントパンダ、全日本マットに再臨─美幌の異種格闘大乱戦
・岩見沢に響いた“豪腕の咆哮”─三冠前夜の興奮が頂点に達した夜
・アジアタッグ王者・むーちゃんせーちゃんが示した盤石の連携!札幌大会の熱
・宮原健斗 vs. 大森北斗 三冠戦の激闘、そして「オンリーワン」への助言
▼全日プロ北海道ツアーはなわ登場3大王座戦激闘-追悼・長尾一大心
▼全日プロ旗揚げ記念 三冠戦激闘!健斗コール 潮崎コール熱い抱擁
▼長尾一大心追悼あまりにも早い突然の別れ
▼全日本ジュニアが今熱い~世界ジュニアを巡る攻防~
▼ウルフ・アロンは成功するのか!? 柔道出身プロレスラーの系譜
▼プロレス界にとって永遠のテーマ、選手育成と阪神二軍の新本拠地
全日本プロレス北海道後半四連戦!激闘の記録
■ オカモトグループpresents 北海道ダイナマイトシリーズ2025
日時:10月31日(金)
会場:旭川地場産業振興センター
<第6試合 メインイベント 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
○宮原健斗 斉藤ジュン MUSASHI
16分35秒 シャットダウンスープレックスホールド
綾部蓮 タロース ●井上凌
<第5試合 Road to 世界最強タッグ決定リーグ戦 タッグマッチ 30分1本勝負>
○ザイオン オデッセイ
9分31秒 ダイビングヘッドバット→片エビ固め
●田村男児 佐藤光留
<第4試合 Road to 世界最強タッグ決定リーグ戦 タッグマッチ 30分1本勝負>
青柳優馬 ○安齊勇馬
11分50秒 ギムレット→片エビ固め
大森北斗 ●羆嵐
<第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
芦野祥太郎 ○潮﨑豪
12分45秒 豪腕ラリアット→片エビ固め
本田竜輝 ●吉岡世起
<第2試合 タッグマッチ 20分1本勝負>
○青柳亮生 ライジングHAYATO
10分20秒 ジャックナイフ固め
黒潮TOKYOジャパン ●立花誠吾
<第1試合 シングルマッチ 15分1本勝負>
○鈴木秀樹
8分22秒 グラウンドコブラツイスト⇒ギブアップ
●小藤将太
■ オカモトグループpresents 北海道ダイナマイトシリーズ2025~チャリティー美幌大会 supported byタカハシグループ~
日時:11月1日(土)
会場:美幌町サニーセンター
<第6試合 メインイベント 三冠ヘビー級選手権試合前哨戦 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
○宮原健斗 本田竜輝 小藤将太
17分04秒 シャットダウンスープレックスホールド
大森北斗 羆嵐 立花誠吾
<第5試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
斉藤ジュン アンドレザ・ジャイアントパンダ ●北海熊五郎
7分09秒 ダブルチョークスラム⇒片エビ固め
○綾部蓮 タロース 鈴木秀樹
<第4試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
○ザイオン オデッセイ 芦野祥太郎
13分39秒 ザイオンスピアー⇒片エビ固め
青柳優馬 安齊勇馬 ●井上凌
<第3試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
○潮﨑豪
10分44秒 豪腕ラリアット⇒体固め
●田村男児
<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
青柳亮生 ○ライジングHAYATO
9分55秒 十字架固め
佐藤光留 ●吉岡世起
<第1試合 シングルマッチ 15分1本勝負>
○MUSASHI
6分41秒 ラ・マヒストラル
●黒潮TOKYOジャパン
■ オカモトグループpresents 北海道ダイナマイトシリーズ2025
日時:11月2日(日)
会場:岩見沢市イベントホール赤れんが
<第6試合 メインイベント 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
○潮﨑豪 芦野祥太郎 ザイオン
13分19秒 豪腕ラリアット→片エビ固め
宮原健斗 鈴木秀樹 ●井上凌
<第5試合 Road to 世界最強タッグ決定リーグ戦 タッグマッチ 30分1本勝負>
綾部蓮 ○タロース
13分33秒 ダブルチョークスラム→体固め
●青柳優馬 安齊勇馬
<第4試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
本田竜輝 ●田村男児
11分45秒 ラ・マヒストラル
○青柳亮生 ライジングHAYATO
<第3試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
○オデッセイ
4分17秒 ジャンピングボディプレス→片エビ固め
●黒潮TOKYOジャパン
<第2試合 6人タッグマッチ 20分1本勝負>
佐藤光留 吉岡世起 ●立花誠吾
8分34秒 腕ひしぎ逆十字固め⇒ギブアップ
○大森北斗 羆嵐 北海熊五郎
<第1試合 シングルマッチ 15分1本勝負>
○斉藤ジュン
9分34秒 ジャックハマー→片エビ固め
●小藤将太
■ オカモトグループpresents 北海道ダイナマイトシリーズ2025 ~supported by Turks~
日時:11月3日(月)
会場:アパホテル&リゾート札幌
<第6試合 メインイベント 三冠ヘビー級選手権試合 60分1本勝負>
[王者] ○宮原健斗
21分58秒 シャットダウンスープレックスホールド
[挑戦者] ●大森北斗
※第76代王者・宮原健斗が2度目の防衛に成功
<第5試合 アジアタッグ選手権試合 60分1本勝負>
[第127代王者組] ○MUSASHI 吉岡世起
13分45秒 エストレージャフトゥーロ→片エビ固め
[挑戦者組] 鈴木秀樹 ●小藤将太
※第127代王者組・MUSASHI&吉岡世起が2度目の防衛に成功
<第4試合 Road to 世界最強タッグ決定リーグ戦 タッグマッチ 30分1本勝負>
●芦野祥太郎 潮﨑豪
15分34秒 ダイビングヘッドバット→片エビ固め
○ザイオン オデッセイ
<第3試合 Road to 世界最強タッグ決定リーグ戦 タッグマッチ 30分1本勝負>
○綾部蓮 タロース
8分01秒 ダブルチョークスラム→体固め
青柳亮生 ライジングHAYATO
<第2試合 6人タッグマッチ 20分1本勝負>
黒潮TOKYOジャパン ●羆嵐 立花誠吾
9分17秒 ダイビングセントーン→体固め
佐藤光留 ○吉田考志 斗猛矢
<第1試合 6人タッグマッチ 20分1本勝負>
青柳優馬 ○安齊勇馬 田村男児
10分14秒 ギムレット→片エビ固め
斉藤ジュン 本田竜輝 ●井上凌
旭川に“スーパースター”が帰還─宮原健斗らが競演した後半戦の熱狂

2025年10月31日、全日本プロレスの「北海道ダイナマイトシリーズ2025」もいよいよ後半戦に突入し、北海道・ウインドヒルくしろスーパーアリーナに続く舞台として、旭川大会が開催された。1年ぶりの旭川凱旋となった今大会では、地元ファンの期待に応えるかのように、三冠ヘビー級王者・宮原健斗を筆頭に、斉藤ジュン、MUSASHIといった実力者が揃い踏み。試合後には恒例のマイクパフォーマンスも交え、観客と一体になった熱気あふれる大会となった。
メインイベントには、現三冠ヘビー級王者・宮原健斗、現アジアタッグ王者の斉藤ジュン、ジュニア戦線で躍動するMUSASHIがトリオを組み、異色ユニットである綾部蓮&タロースの“2メートル超え”コンビに井上凌を加えたチームと6人タッグで激突。開始前から宮原は「帰って来たぞ、旭川!」と場内に大声で呼びかけ、会場を大いに盛り上げた。
試合は宮原と綾部の肉弾戦から始まり、タロースとジュンの巨漢対決へと展開。さらに、井上凌とMUSASHIのスピード対決が続き、全体としては3対3の均衡を保ちながらも、それぞれの個性とチーム力を強く印象づける構成となった。中盤ではMUSASHIが綾部に逆エビ固めで捕獲され、ジュンと宮原が声援とゲキを飛ばす中でロープエスケープに成功。その後も綾部とタロースの巨体に押し潰される場面が続くが、MUSASHIが延髄斬りで切り返し、ジュンへとタッチをつなぐことで反撃に転じた。
終盤には、宮原組が井上を的確に追い込み、ジュンのラリアットで形勢を固めた後、宮原がブラックアウトを炸裂させ、最後はお馴染みのシャットダウン・スープレックス・ホールドでフィニッシュ。王者としての貫禄と完成されたチームワークを見せつけ、堂々の勝利を収めた。
試合後はマイクリレーが行われ、まずジュンが「全日本プロレスが旭川に帰って来たぜ!」と宣言。旭山動物園を訪れたエピソードを交えつつ、「旭川が大好きだ」と地元愛を語ると、MUSASHIも「旭川、ありがとう!」と感謝の言葉を続けた。最後にマイクを手にした宮原は、観客の反応を何度も煽りながら「帰って来たぜ、旭川!」と再び叫び、「スーパースター」宮原健斗の存在感を強烈に印象づけた。11月3日に控える札幌での三冠戦に向けて、「皆さんは宮原健斗と大森北斗、どちらを応援しますか?」と問うなど、ファンを巻き込んだ挑発も忘れなかった。
試合後のバックステージでは、挑戦者・大森北斗が突如として登場し、「明日、美幌でしっかりと勝ってやるから待っとけ」と堂々と宮原に宣戦布告。これに対し宮原は「北斗軍のちいさ〜い、極わずかなファンよ、いまのところ10-0で俺の応援になっちゃうぞ」と挑発を返し、「大森北斗君のご親族は11月3日、菓子折りを持ってこい!」という一言で会場の空気を再び掌握した。宮原特有のユーモアと圧倒的な自信に満ちたコメントは、まさに“スーパースター”の名にふさわしいものであり、三冠王者としての風格を感じさせる内容であった。
また、この日注目されたのは宮原組だけではない。世界タッグ王者・ザイオン&オデッセイが田村男児&佐藤光留を退けた試合も非常に濃密な内容で、激しい場外戦を経てジャーニーズエンドとダイビング・ヘッドバットによるコンビネーションで試合を決着させた。さらには青柳優馬&安齊勇馬が大森北斗&羆嵐組から勝利を挙げ、世界最強タッグに向けた弾みをつけたことも特筆すべき点だろう。
旭川大会は、北海道シリーズの中でも特に濃密で、かつファンとの距離が近い大会として記憶に残る興行となった。リング上での闘いだけでなく、バックステージやマイクを通じた選手たちのやり取りすべてが、観客の心を揺さぶったことは間違いない。全日本プロレスが持つ“人間ドラマ”としての魅力を凝縮したこの日、宮原健斗を中心とする全日本プロレスの「今」を、旭川のファンは確かにその目に焼き付けたに違いない。
アンドレザ・ジャイアントパンダ、全日本マットに再臨─美幌の異種格闘大乱戦

2025年11月1日、北海道美幌町に全日本プロレスが帰ってきた。会場はサニーセンター、興行名は「北海道ダイナマイトシリーズ2025~チャリティー美幌大会~」。この夜、もっとも会場をどよめかせたのは試合内容以上に存在感そのものが異次元ともいえる、“北の化身”ことアンドレザ・ジャイアントパンダの参戦であった。北海道・根室市が生んだご当地マスクマンである彼が全日本プロレスのマットに立つのは、2024年10月以来のことであり、かつて斉藤ジュン&斉藤レイと共演し話題をさらった猛獣タッグが、今回も斉藤ジュンと共に復活を果たした。
セミファイナルとして組まれた第5試合は、斉藤ジュン&アンドレザ・ジャイアントパンダ&北海熊五郎の“北海道猛獣連合軍”が、綾部蓮&タロース&鈴木秀樹の長身トリオと対峙する異色の6人タッグマッチ。開始のゴングとともにアンドレザがリング中央に立つと、相手コーナーの綾部蓮が思わず見上げる形になり、場内からはどよめきと笑いが入り混じる独特の空気が広がった。綾部といえば身長2メートルを誇る大柄レスラーだが、アンドレザは“体長3メートル”の巨躯を誇り、見上げる構図になるという時点で、この試合が“普通ではない”ことを象徴していた。
試合はその期待を裏切らず、コミカルかつ怪力の応酬となった。タロースが綾部を肩車し合体攻撃を仕掛ければ、アンドレザもベアハッグで反撃。これを見かねた鈴木秀樹がタオルをムチのように振るってカットに入るが、その姿もどこか牧歌的でありながらも、試合にスパイスを加える絶妙なアクセントとなった。ジュンと熊五郎も交代し、秀樹を踏み潰す連携を見せるなど、まるで動物園とプロレス道場の融合のようなカオスが続いた。
中盤以降、綾部とタロースがタッグでアンドレザをエプロンから場外へと落とし、流れを引き寄せた。孤立無援となった熊五郎は、綾部とタロースによるダブルのチョークスラムを受け、そのままピンフォールを奪われて試合終了。フィニッシュそのものは強者らしい勝ち方であったが、会場をもっとも沸かせたのは紛れもなくアンドレザ・ジャイアントパンダの圧倒的な存在感だった。
試合後のバックステージで綾部は「何だあれは?パンダ?デカすぎるだろ」と素直な感想を漏らしつつも、「パンダを突き落とし、熊を沈めて3カウントだ」と勝利に満足げな表情を見せた。一方のジュンは「今日は動物さん達の力を借りてパワーが溢れてたんだがな。とにかくパンダがデカすぎる」と語り、試合中に負けてしまったアンドレザに抱きつく場面も。「すっごいモフモフしてる」と微笑む様子からは、勝敗を超えた友情のようなものが感じられた。
この美幌大会では、アンドレザの他にもジュニア戦士たちの攻防や、GAORA TV王者・芦野祥太郎を含むHAVOC勢、さらには三冠前哨戦となる宮原健斗と大森北斗の舌戦など、見どころが満載であったが、それら全体を包み込むような包容力と非日常感を観客に与えたのが、アンドレザ・ジャイアントパンダという“北のスーパースター”だった。
毎年恒例となりつつある全日本プロレス北海道シリーズだが、アンドレザが登場する大会はとりわけ“地域密着”という言葉を体現している。子どもたちの歓声、大人の笑顔、そしてプロレス本来の荒々しさが見事に融合したこの美幌大会は、まさに地域と団体が一体となった“お祭り”のような夜であり、その中心には確かにジャイアントパンダのシルエットが、静かに、しかし圧倒的に存在していた。
来年もまた、モフモフで巨大なその姿がマットに現れる日を、ファンは心から待ち望むだろう。アンドレザ・ジャイアントパンダは、単なる“ゆるキャラ”ではない。リングという真剣勝負の舞台に、笑いと感動を共存させる、稀有なレスラーなのだ。
岩見沢に響いた“豪腕の咆哮”─三冠前夜の興奮が頂点に達した夜

2025年11月2日、北海道シリーズも佳境を迎える中、全日本プロレスが岩見沢に上陸した。今大会は翌日に控える三冠ヘビー級選手権試合への前哨戦、さらには最強タッグリーグへの布石となる試合が並び、まさに“シリーズの要”とも言える重要な興行となった。中でも注目されたのは、三冠王者・宮原健斗を擁する本隊と、世界タッグ王者のザイオンを中心としたHAVOC勢による6人タッグマッチ。団体の未来を占うと言っても過言ではない一戦が、この夜のメインイベントとしてリングに展開された。
宮原健斗&鈴木秀樹&井上凌というバランスの取れたユニットに対し、HAVOCはザイオン、芦野祥太郎、そして潮﨑豪という猛者トリオで対抗。試合は三冠王者・宮原とザイオンの対峙から幕を開け、ヘッドロックの応酬から宮原がフロントハイキックを決めて先制する展開。ザイオンもすぐさま巻き返し、きりもみ式アタックで場内にその存在感を刻んだ。芦野と秀樹のパワーとテクニックのぶつかり合いも見ごたえがあり、ジュニアである井上凌が果敢に立ち向かう姿勢も、観客の心を掴んで離さなかった。