[週刊ファイト11月06日]期間 [ファイトクラブ]公開中
▼全日プロ北海道ツアーはなわ登場3大王座戦激闘-追悼・長尾一大心
(C)全日本プロレス公式 編集部編
・全日本プロレス北海道四連戦!激闘の記録
・宮原健斗と大森北斗、三冠前哨戦で火花散る北斗大会
・北斗と羆嵐がギブアップを奪取─苫小牧の地で見せた王座への執念
・王者組の貫禄─ザイオン&オデッセイが世界タッグ初防衛に成功
・芦野祥太郎が執念のアンクルロックで戴冠GAORA TV王座を奪取
・青柳亮生、魂を受け継ぐジュニア王座防衛成功!佐藤光留との死闘を制す
・笑顔と涙の交錯─はなわの歌声と長尾一大心を悼む10カウントが鳴り響いた
▼全日プロ旗揚げ記念 三冠戦激闘!健斗コール 潮崎コール熱い抱擁
▼アジアタッグ新王者から激闘連発!全日本王道トーナメント後楽園熱狂
▼長尾一大心追悼あまりにも早い突然の別れ
▼全日本ジュニアが今熱い~世界ジュニアを巡る攻防~
▼ウルフ・アロンは成功するのか!? 柔道出身プロレスラーの系譜
▼プロレス界にとって永遠のテーマ、選手育成と阪神二軍の新本拠地
全日本プロレス北海道四連戦!激闘の記録

■ オカモトグループpresents 北海道ダイナマイトシリーズ2025~supported by グロリアス製薬~
日時:10月26日(日)
会場:北海道・北斗市浜分体育センター
<第6試合 メインイベント 三冠ヘビー級選手権試合前哨戦 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
○宮原健斗 綾部蓮 タロース
16分20秒 シャットダウンスープレックスホールド
大森北斗 羆嵐 ●立花誠吾
<第5試合 Road to 世界最強タッグ決定リーグ戦 8人タッグマッチ 30分1本勝負>
青柳優馬 安齊勇馬 ○潮﨑豪 芦野祥太郎
17分29秒 豪腕ラリアット⇒体固め
●MUSASHI 吉岡世起 ザイオン オデッセイ
<第4試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
○本田竜輝
10分22秒 ファイナルベント⇒片エビ固め
●井上凌
<第3試合 Road to 世界最強タッグ決定リーグ戦 タッグマッチ 30分1本勝負>
●青柳亮生 ライジングHAYATO
12分29秒 脇固め⇒ギブアップ
田村男児 ○佐藤光留
<第2試合 シングルマッチ 20分1本勝負>
○斉藤ジュン
8分38秒 ジャックハマー⇒片エビ固め
●黒潮TOKYOジャパン
<第1試合 シングルマッチ 15分1本勝負>
○鈴木秀樹
7分25秒 ダブルアームスープレックス⇒片エビ固め
●小藤将太
■ オカモトグループpresents 北海道ダイナマイトシリーズ2025
日時:10月27日(月)
会場:北海道・苫小牧市総合体育館
<第6試合 メインイベント 世界タッグ選手権試合前哨戦 8人タッグマッチ 30分1本勝負>
潮﨑豪 芦野祥太郎 オデッセイ ●ザイオン
16分36秒 腕ひしぎ十字固め⇒ギブアップ
○大森北斗 羆嵐 黒潮TOKYOジャパン 立花誠吾
<第5試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
○綾部蓮
12分44秒 デスルーレット⇒片エビ固め
●MUSASHI
<第4試合 Road to 世界最強タッグ決定リーグ戦 タッグマッチ 30分1本勝負>
青柳優馬 ○安齊勇馬
12分48秒 ギムレット⇒片エビ固め
●田村男児 佐藤光留
<第3試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
○タロース
8分32秒 Ride the lighten daddy⇒体固め
●吉岡世起
<第2試合 6人タッグマッチ 20分1本勝負>
○宮原健斗 青柳亮生 ライジングHAYATO
12分48秒 シャットダウンスープレックスホールド
斉藤ジュン 鈴木秀樹 ●井上凌
<第1試合 シングルマッチ 15分1本勝負>
○本田竜輝
11分14秒 ファイナルベント⇒片エビ固め
●小藤将太
■ オカモトグループpresents 北海道ダイナマイトシリーズ2025
日時:10月28日(火)
会場:北海道・よつ葉アリーナ十勝 メインアリーナ(帯広)
<第6試合 メインイベント 世界タッグ選手権試合 60分1本勝負>
[王者組] ○ザイオン オデッセイ
18分43秒 ダイビングヘッドバット→片エビ固め
[挑戦者組] 大森北斗 ●羆嵐
※第102代王者組・ザイオン&オデッセイが2度目の防衛に成功。
<第5試合 8人タッグマッチ 30分1本勝負>
○宮原健斗 鈴木秀樹 本田竜輝 MUSASHI
15分59秒 シャットダウンスープレックスホールド
斉藤ジュン 安齊勇馬 青柳亮生 ●ライジングHAYATO
<第4試合 GAORA TVチャンピオンシップ 60分1本勝負>
[王者] ●黒潮TOKYOジャパン
13分19秒 ギブアップ(※アンクルロック)
[挑戦者] ○芦野祥太郎
※芦野祥太郎が第31代王者となる。
<第3試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
○潮﨑豪
12分20秒 豪腕ラリアット→体固め
●吉岡世起
<第2試合 3WAYマッチ 20分1本勝負>
○北海熊五郎
8分24秒 ジャンピングボディプレス→体固め
●青柳優馬 ●立花誠吾
※両者フォール負け。
<第1試合 6人タッグマッチ 20分1本勝負>
○綾部蓮 タロース 小藤将太
8分43秒 逆エビ固め→ギブアップ
田村男児 ●井上凌 佐藤光留
■ 北海道ダイナマイトシリーズ2025~長尾一大心追悼大会~
日時:10月29日(水)
会場:北海道・ウインドヒルくしろスーパーアリーナ メインアリーナ
<第6試合 メインイベント 8人タッグマッチ 30分1本勝負>
○宮原健斗 斉藤ジュン ザイオン 小藤将太
16分05秒 シャットダウンスープレックスホールド
鈴木秀樹 安齊勇馬 綾部蓮 ●井上凌
<第5試合 世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負>
[王者] ○青柳亮生
16分03秒 ファイアーバードスプラッシュ→片エビ固め
[挑戦者] ●佐藤光留
※第72代王者・青柳亮生が3度目の防衛に成功。
<第4試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
オデッセイ 芦野祥太郎 ○潮﨑豪
12分01秒 豪腕ラリアット→片エビ固め
大森北斗 ●羆嵐 北海熊五郎
<第3試合 3WAYマッチ 20分1本勝負>
○タロース
8分00秒 チョークスラム→体固め
●黒潮TOKYOジャパン ●立花誠吾
※両者フォール負け。
<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
青柳優馬 ●田村男児
9分57秒 ウラカンラナ
MUSASHI ○ライジングHAYATO
<第1試合 シングルマッチ 15分1本勝負>
○本田竜輝
10分19秒 エビ固め
●吉岡世起
宮原健斗と大森北斗、三冠前哨戦で火花散る北斗大会

2025年10月26日、全日本プロレスが初めて北斗市で開催した「北海道ダイナマイトシリーズ」開幕戦は、文字通り寒冷地を吹き飛ばすような熱気に包まれた。会場に詰めかけた観客の眼前で繰り広げられたのは、11月3日に札幌で予定される三冠ヘビー級選手権試合を控えた前哨戦、王者・宮原健斗と挑戦者・大森北斗が激突する6人タッグマッチであった。
この試合は、まさに両者の現在地を炙り出す一戦であり、試合後には乱闘劇、そして過激なマイクアピールが交錯する因縁劇場としても記憶に残るものとなった。宮原は綾部蓮、タロースという巨体を誇る最強タッグリーグ参戦コンビと組み、一方の北斗は、地元・北海道出身としての誇りを胸に、羆嵐と立花誠吾を率いる「Gボーイズ」で立ち向かった。とりわけ羆嵐と北斗は、10月28日・帯広大会にて世界タッグ王者ザイオン&オデッセイ組への挑戦も控えており、この前哨戦はタイトル前線における重要な試金石でもあった。
ゴングと同時にリング中央で対峙した宮原と北斗は、互いの眼差しで言葉以上の熱を交わすと、鋭いエルボーの応酬から始まり、北斗が強烈な一撃を顔面に叩き込み試合のペースを掴みかけた。綾部と羆嵐の巨体対決も見応えがあり、羆嵐は串刺しラリアットやセントーンで存在感を見せるも、綾部は走りながらのネックブリーカーで応戦し一歩も引かない。立花誠吾は2m13cmのタロースに握手を求めるも、その怪力に屈しそうな表情を浮かべ、ヤンキー魂で抗うが、重量級の壁は高かった。
タロースは、元北斗軍メンバーである北斗との再遭遇に微妙な空気を漂わせつつも、羆嵐との二人がかりの攻撃を逆転させると、合体ブレーンバスターを跳ね返す怪力を見せた。その後、宮原はナルシストな北斗の顔面を執拗に狙い、一方の北斗も一撃で試合をひっくり返す投げっぱなしジャーマンを繰り出し、地元ファンの声援を受けて闘志を燃やした。
Gボーイズによるトレイン攻撃で流れを取り戻そうとしたが、終盤にかけて宮原組の連携が冴える。綾部が立花を抱え上げ、タロースがビッグブーツを叩き込み、流れは一気に宮原へ。ケントコールが会場を包む中、宮原は必殺のブラックアウトからシャットダウン・スープレックスへと繋ぎ、立花から3カウントを奪取した。
しかし勝負はここで終わらない。試合後、敗れた北斗は執念のように宮原に襲い掛かり、再びリング上でエルボーの乱打戦を展開。飛びつき式の腕ひしぎ逆十字固めを極めるとマイクを取り、「今までのオレのすべてをオマエにぶつける」と言い放ちリングを後にした。さらにバックステージでも宮原を襲撃し、「一番の目的はテメエをぶん殴ることだけどな」との強烈なコメントを残して姿を消した。
この一連の行動に対し、王者・宮原も黙ってはいない。「右腕はピンピンだ。腕ひしぎ逆十字固めを極められようが逃げられる」と挑発を返し、「まさか親戚一同と北斗軍だけがワンチームじゃねぇだろうな。笑わせんなよ」と舌鋒鋭く北斗を煽った。「全国区のスーパースター」としての自負を掲げ、「北斗の地元凱旋に付き合ってやってんだよ」と余裕すら感じさせる発言を連発した宮原にとって、この前哨戦はあくまで前菜。真の勝負は11月3日札幌大会、三冠ヘビー級選手権の舞台である。
一方、北斗にとってこの日の北斗市大会は、地元のファンの前で「仲間」「信頼」「誇り」を証明する場でもあった。その意志の強さ、激しい闘志、試合後の暴走すら、ただの感情ではなく、プロレスラーとしての芯から発せられる叫びであり、覚悟の表れであった。
北斗大会は、Gボーイズ、そしてHAVOC、さらには世界ジュニア戦線と様々な戦いの火種を残したが、何より鮮烈な印象を残したのは、宮原健斗と大森北斗、三冠戦を前に繰り広げられた真っ向勝負と、そこに込められた「地元」と「プライド」の激突である。北海道の地に熱をもたらした男たちの闘いは、いよいよ札幌決戦へと続いていく。
北斗と羆嵐がギブアップを奪取─苫小牧の地で見せた王座への執念

2025年10月27日、全日本プロレスの「北海道ダイナマイトシリーズ」2戦目となる苫小牧大会が開催され、苫小牧市総合体育館を熱狂の渦に巻き込んだ。メインイベントでは、翌日の帯広大会で世界タッグ王座を争う2チームが、前哨戦として8人タッグマッチで激突。王者組のザイオン&オデッセイは芦野祥太郎、潮﨑豪と共にHAVOCとして登場し、挑戦者組の大森北斗&羆嵐は、黒潮TOKYOジャパン、立花誠吾と共にGボーイズとして対抗。翌日のタイトルマッチを占うにはあまりにも重要な一戦となったこのメインイベントでは、北斗が王者ザイオンから直接ギブアップを奪うという衝撃的な結末が待っていた。
試合の先発はザイオンと北斗。地元北海道の声援を一身に浴びる北斗は、ショルダータックルのぶつかり合いからヒザ裏へのドロップキック、さらにはエルボーの連打で序盤から気迫を見せつけた。ザイオンもエルボーを返しつつ、タックルで押し込みコーナーへと追い詰めていく。続く攻防はオデッセイと羆嵐の肉弾戦。両者一歩も譲らぬ激突はオデッセイが制し、主導権をHAVOC側に引き寄せる。潮﨑が立花に強烈な逆水平チョップを連発すれば、黒潮TOKYOジャパンの誤爆も誘い、HAVOCの試合巧者ぶりが際立つ展開が続いた。
防戦一方となった立花であったが、芦野への連続攻撃から黒潮にバトンタッチ。黒潮はジャケットパンチを連打し、芦野にイケメンコースターを見舞うなどして反撃を開始。さらに芦野のポップアップ式エルボースマッシュを浴びながらもジャケットパンチで応酬し、北斗にタッチ。ここからGボーイズが意地を見せ始める。北斗と羆嵐による波状攻撃により、ザイオンを徹底的に痛めつけ、さらにはオデッセイをも巻き込み連係攻撃を狙う。しかし、オデッセイはその巨体を活かしてまとめてラリアットで薙ぎ倒し、流れを引き戻す。
一進一退の攻防の中、北斗がザイオンのデスバレーボムを受けて苦境に陥るが、すかさず飛びついての腕ひしぎ逆十字固めに切り返すと、粘るザイオンのクラッチを解きギブアップを奪取。この瞬間、会場は沸騰し、翌日の世界タッグ王座戦に向けて北斗&羆嵐組が大きな流れを掴んだ。
試合後、オデッセイがエプロンからベルトを掲げ北斗を挑発するも、北斗は即座にマイクを握り「俺と羆嵐をあんまりナメんじゃねえぞ。そのベルト取ってやるから、覚悟しとけよ」と強い言葉で応戦。そして視線を宮原健斗にも向け、「テメエにバカにされる筋合いなんて一つもねえんだよ。11月3日よ、テメエをグチャグチャにしてやるよ」と、三冠戦への執念を語った。
一方、北斗のパートナーである羆嵐も、「ザイオン、オデッセイ、真っ向勝負だな。機は熟したぞ。俺は俺の力を信じて、必ずオマエらを真っ向勝負で打ち砕いてやる」と、挑戦者としての覚悟を力強く宣言。彼らがこの苫小牧の地で掴んだものは勝利だけではなく、自信と連帯感、そしてベルトへの明確なビジョンであった。
対するHAVOCは芦野祥太郎が「今日のこの負けは、明日、ザイオンがきっちり返すぞ」とコメントし、さらにザイオンは「今日は北斗が勝利を手にした。だが、あのレフェリーは怪しかったな」と判定に不満をにじませつつも、「俺たちは言い訳はしない。借りを返すだけだ」ときっぱり。王者としての矜持を保ちながら、翌日の帯広大会での逆襲を誓った。
苫小牧大会のメインイベントは、北斗軍とHAVOC、そして北斗と宮原という二重の対立構造が絡み合う中で、試合の結果以上に濃密なドラマを生んだ。地元の英雄としてのプレッシャーを背負いながら、北斗は実力でザイオンから勝利をもぎ取り、挑戦者として確かな存在感を示した。王者組HAVOCにとっては不覚の一夜となったが、タイトルマッチ本番に向けた緊張感は、この敗戦によってさらに高まったことは間違いない。
苫小牧の夜は、北の大地の寒さを打ち砕くような熱気に満ちていた。そして、翌日の帯広、さらには11月3日・札幌大会の三冠戦へと、戦いのバトンは着実に繋がれていく。北斗と羆嵐が挑戦者として掲げた誇り、そして宮原とHAVOCが見せる王者の意地、そのすべてがぶつかり合う北海道シリーズは、まだまだ終わらない。
王者組の貫禄─ザイオン&オデッセイが世界タッグ初防衛に成功

10月28日、北海道帯広市で行われた全日本プロレス「北海道ダイナマイトシリーズ2025」第3戦・帯広大会。そのメインイベントとして組まれたのは、第102代世界タッグ王者組であるザイオン&オデッセイが、大森北斗&羆嵐の挑戦を受ける世界タッグ選手権試合であった。前日・苫小牧大会では、北斗が王者ザイオンから腕ひしぎ逆十字固めでギブアップを奪い、挑戦者組に勢いがついている状況の中で迎えた本番のタイトルマッチ。この試合には、北斗の三冠王座挑戦を直前に控える意気込みと、羆嵐の悲願である初の世界タッグ戴冠への覚悟が乗っていた。
試合は、HAVOCのメンバーたちがそろって観客と「HAVOC!」と叫びながらの登場で幕を開け、会場を一気にヒートアップさせる。王者組はその体格差を武器に序盤から力強く攻め立て、北斗に対してリング内外で圧力を加えていく。だが、挑戦者の北斗は臆することなく立ち向かい、オデッセイのヒザに低空ドロップキックを集中して見舞うと、エルボーで押し返し羆嵐にタッチ。羆嵐は持ち前の重厚な攻撃を繰り出し、セントーン、串刺しラリアット、さらにセカンドロープからのダイビング・セントーンと連続攻撃を決め、アルゼンチン・バックブリーカーでのフィニッシュを狙うが、オデッセイに踏ん張られ体勢を崩されてしまう。
この隙を突いてオデッセイは羆嵐を担ぎ上げてコーナーに叩きつける驚異のパワーを見せつけるが、続けて登場したザイオンに対しては、羆嵐がドロップキックを見舞い、北斗との合体フェースバスターを決めて形勢を立て直す。さらに北斗が羆嵐をボディースラムでザイオンに叩きつけると、オデッセイの誤爆を誘い一気に優勢へ。北斗がザイオンを腕ひしぎ十字固めで捕獲し、羆嵐はオデッセイを再びアルゼンチン・バックブリーカーで仕留めようと試みる。だが、完全に担ぎ上げることは叶わず、バックフリップに切り替えてようやく巨体を叩きつけるに留まる。