[ファイトクラブ]全日プロ岐阜、京都⇒ライジングHAYATO&安齊勇馬アジアタッグ戴冠

写真提供:全日本プロレス公式

[週刊ファイト6月26日期間 [ファイトクラブ]公開中

▼全日プロ岐阜、京都⇒ライジングHAYATO&安齊勇馬アジアタッグ戴冠
 (c) 全日本プロレス 編集部編
・全日本プロレス岐阜&京都!激闘の記録
・斉藤ブラザーズ、絶対王者への布石!決戦前夜の意地と覚悟
・岐阜から加速した夏への前哨戦!全日岐阜大会の全体像
・兄弟で掴んだ栄光!青柳優馬&青柳亮生がアジアタッグ王座を奪取
・他花師新王者!GAORA TV王座を巡る熱き40代の攻防
・全日本プロレス京都大会に刻まれた覚悟と衝動!


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全日本プロレス岐阜&京都!激闘の記録

■ 「スーパーパワーシリーズ2025」
日時:2025年6月14日(土)
会場:岐阜・じゅうろくプラザ

<第1試合 タッグマッチ 20分1本勝負>
○芦野祥太郎 ザイオン
 13分28秒 ダイビング・ヘッドバット ⇒ 片エビ固め
村瀬広樹 ●ラウザ

<第2試合 シングルマッチ 20分1本勝負>
○田村男児
 13分20秒 パワーボム ⇒ 体固め
●立花誠吾

<第3試合 シングルマッチ 20分1本勝負>
○阿部史典
 11分59秒 アイルビーバック ⇒ 体固め
●井上凌

<第4試合 全日本プロレスTV認定6人タッグ選手権試合 60分1本勝負>
[王者] ○大森北斗 羆嵐 他花師
 15分38秒 北斗軍スペシャル ⇒ 体固め
[挑戦者] タロース ジャック・ケネディ ●愛澤No.1

<第5試合 アジアタッグ選手権試合前哨戦 8人タッグマッチ 30分1本勝負>
○綾部蓮 本田竜輝 安齊勇馬 ライジングHAYATO
 14分41秒 デスルーレット ⇒ 体固め
宮原健斗 青柳亮生 MUSASHI ●デイビーボーイ・スミスJr.

<第6試合 三冠ヘビー級選手権試合 & 世界ジュニアヘビー級選手権試合前哨戦 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
○斉藤ジュン 斉藤レイ 土井成樹
 15分49秒 ジャーマンスープレックスホールド ⇒ 体固め
鈴木秀樹 青柳優馬 ●吉岡世起


■ 「スーパーパワーシリーズ2025」
日時:2025年6月15日(日)
会場:京都・京都KBSホール

<第1試合 タッグマッチ 20分1本勝負>
○田村男児 井上凌
 8分31秒 お卍固め⇒ギブアップ
阿部史典 ●立花誠吾

<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
○芦野祥太郎 ザイオン
 11分01秒 ファイナルベント⇒片エビ固め
本田竜輝 ●綾部蓮

<第3試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
○宮原健斗 MUSASHI デイビーボーイ・スミスJr.
 13分17秒 Ride the lighten daddy⇒体固め
大森北斗 羆嵐 ●タロース

<第4試合 GAORA TVチャンピオンシップ 60分1本勝負>
[挑戦者] ○他花師
 15分07秒 サイバーボム⇒エビ固め
[王者] ●宮本裕向
※他花師が第29代王者に

<第5試合 三冠ヘビー級選手権試合&世界ジュニアヘビー級選手権試合前哨戦6人タッグマッチ 30分1本勝負>
○斉藤ジュン 斉藤レイ ”ミスター斉藤”土井成樹
 15分34秒 スリーパーホールド⇒片エビ固め
鈴木秀樹 佐藤光留 ●吉岡世起

<第6試合 アジアタッグ選手権試合 60分1本勝負>
[挑戦者組] ○青柳優馬 青柳亮生
 26分02秒 ファイヤーバードスプラッシュ⇒片エビ固め
[王者組] ライジングHAYATO ●安齊勇馬
※青柳兄弟が第126代王者に

斉藤ブラザーズ、絶対王者への布石!決戦前夜の意地と覚悟

 6月14日、岐阜産業会館にて開催された「スーパーパワーシリーズ2025」岐阜大会のメインイベントにおいて、三冠ヘビー級選手権試合および世界ジュニアヘビー級選手権試合の前哨戦として、斉藤ジュン、斉藤レイ、そして“ミスター斉藤”こと土井成樹の斉藤ブラザーズが、鈴木秀樹、青柳優馬、吉岡世起の挑戦者トリオと激突した6人タッグマッチ(30分1本勝負)が行われた。この試合は6月18日の後楽園ホール大会での二大王座戦を目前に控えた両陣営にとって、まさに勢いを占う一戦であり、試合開始前から観客席は異様な熱気に包まれていた。

 試合は斉藤ジュンと鈴木秀樹という、6・18の三冠戦で拳を交える二人の対峙から幕を開けた。ジュンがロープに押し込みクリーンブレイクを見せるも、そこに交錯する静かな挑発が会場に緊張感をもたらす。ジュンは何度も髪をかき上げる仕草で秀樹を挑発し、動こうとしない相手に苛立ちを見せると、土井が「もうええって!」と割って入り、空気を引き締める。この序盤の攻防は、斉藤ブラザーズが精神面で主導権を握っていたことを示していた。

 試合は中盤、土井成樹と吉岡世起の世界ジュニアヘビー級王座戦前哨の攻防に移る。土井は吉岡のスピードとキレを受け止めつつ、得意のDOI555を狙うが、吉岡はこれを察知してシザーズキックで迎撃。巧みに切り返して流れを作ろうとするも、土井は譲らず、ブレーンバスターで反撃。試合のテンポは一進一退ながら、観客にはその裏に潜む両者の確かな読み合いが見えた。

 続いて再びリングに立ったのはジュンと秀樹。両者は激しいエルボーの応酬を展開し、一瞬たりとも目が離せない攻防となった。秀樹がドロップキックを浴びせると、ジュンは間髪入れずにスピアで応戦。さらに斉藤レイが加勢し、二人がかりのトレイン攻撃からボディプレス、そしてエルボードロップという怒涛の連携を見せ、斉藤ブラザーズの組織力が遺憾なく発揮された場面であった。秀樹は必死に応戦し、カナディアンロッキーバスターで打開を図るも、その直後にレフェリーが制止に入り一時混乱。ここでレイが秀樹に張り手を見舞い、再び試合が激化する。

 クライマックスは、斉藤ブラザーズが秀樹にダブルチョークスラムを炸裂させ、ジュンが滞空式ジャックハマーでフィニッシュ。挑戦者・鈴木秀樹から直接3カウントを奪い、ジュンは完璧な形で三冠王者の意地を見せつけた。これにより、6月18日のタイトルマッチへ向け、最高の弾みを得る結果となった。

 試合後、ジュンは「この調子で18日も防衛してやる」と自信満々に語り、土井も「世界ジュニアのベルトも斉藤ブラザーズで獲る」と勢いを口にした。そして、1年前の岐阜大会で土井が買いに走ったご当地スイーツ「リトルプリンセス」のフルーツゼリーと白川のクラフトビール「濃LAND BEER」で、リング上での祝勝会が再現された。土井が「これは去年と同じで、勝ったらまたやろうって言ってた」と語った通り、斉藤ブラザーズの結束と、勝利の伝統がこの地で再び実証された瞬間であった。

 一方、敗れた鈴木秀樹は無言のまま肩を借りて退場し、「明日だ、明日」とだけ呟いた。その言葉は、翌日の京都大会において何らかの逆襲を誓うものだったのか、それとも敗北の苦味を噛みしめた独白なのか。いずれにせよ、次なる決戦への布石として、この岐阜大会のメインイベントは、今シリーズの重要な分水嶺となったことは疑いようがない。

 タイトル戴冠を狙う者と、それを守る者。2つの王座を巡る物語は、ますます熱を帯びながら6月18日・後楽園ホールへと突き進んでいく。その激突の先に、プロレスの神髄と感動が待っていることを、斉藤ブラザーズは岐阜のリングで確かに証明してみせたのである。

岐阜から加速した夏への前哨戦!全日岐阜大会の全体像

 2025年6月14日、岐阜県で開催された全日本プロレス「スーパーパワーシリーズ2025」は、6月1日の仙台ビッグマッチから約2週間を経てのシリーズ再開戦として、多くの前哨戦を内包する重要な大会となった。この日は三冠ヘビー級選手権試合および世界ジュニアヘビー級選手権試合の前哨戦がメインに据えられたが、それ以外の試合でも7月以降のタイトルマッチやジュニアリーグ戦に向けた布石が打たれ、選手たちは一戦一戦に明確な目的と覚悟を込めて臨んでいた。

 第1試合は芦野祥太郎&ザイオン組と、地元・岐阜出身の村瀬広樹&ラウザ組によるタッグマッチで開幕。試合前にクリーンな握手が交わされ、闘志を交えつつもスポーツマンシップが垣間見えた内容であった。村瀬はザイオンをドロップキックで吹き飛ばし、ラウザも芦野に対して軽快な動きで応戦したが、最後はザイオンのデスバレーボム、芦野の投げっぱなしジャーマン、そしてザイオンのダイビング・ヘッドバットの連携でラウザがフォールされ、3カウントが入った。試合後、芦野は「俺とザイオンの頭の中には明確なプランがある」と語り、タッグ戦線での飛躍を匂わせた。

 第2試合では田村男児と立花誠吾がシングルマッチで対決。田村はこの日が26歳の誕生日であり、王座再挑戦に向けての再起戦ともいえる一戦であった。序盤からグラウンドの攻防をじっくりと展開し、立花はノータッチ・トペコンヒーロを含む果敢な攻撃を繰り広げたものの、最後は田村がパワーボムで勝利。田村は「なにかを残す一年にしたい」と意気込み、敗れた立花も「もっとスゲー試合ができる」と語り、互いの存在を認め合った意義深い一戦であった。

 第3試合では井上凌と阿部史典が激突。序盤は場外戦から始まり、阿部が何度も丸め込みを仕掛けてスタミナを奪おうとする一方、井上も鋭いキックや低空ドロップキックで応戦。両者の打撃戦は激しく、最終盤には丸め込みの応酬が続いたが、最後は阿部がアイルビーバック式の丸め込みで3カウントを奪った。試合後、井上は「この借りは必ずジュニアリーグで返す」と誓い、阿部も「ジュニアでデタラメな強さを見せる」と力強く語った。

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