[ファイトクラブ]全日後楽園!宮原健斗&青柳優馬100代王者セレモニー西村修さん追悼

[週刊ファイト3月20日期間 [ファイトクラブ]公開中

▼全日後楽園!宮原健斗&青柳優馬100代王者セレモニー西村修さん追悼
 photo by テキサスロングホーン 編集部編
・西村修さん追悼セレモニー「無我の伝道師」に捧げられた静寂と拍手
・宮原健斗&青柳優馬が世界タッグ王座奪還!死闘を制す
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西村修さん追悼セレモニー「無我の伝道師」に捧げられた静寂と拍手

 2025年3月9日、全日本プロレス後楽園ホール大会のリング上で、一人の偉大なレスラーの魂に捧げる追悼セレモニーが執り行われた。2月28日に53歳の若さでこの世を去った西村修さん。彼は「無我の伝道師」として、プロレス界に確固たる足跡を残し、数々の名勝負を繰り広げてきた。その輝かしいキャリアを称え、彼の功績を偲ぶ時間が設けられた。会場には多くのファンが詰めかけ、選手、関係者、観客のすべてが一体となり、深い敬意を込めて西村さんの功績に思いを馳せた。

 セレモニーは第1試合の開始前に行われた。西村さんが愛したリングに、渕正信、和田京平レフェリー、ジョー・マレンコが登壇。彼の写真がリング中央に掲げられると、会場の空気が一変し、まるで時間が止まったかのような厳粛な雰囲気に包まれた。

 リングアナウンサーが、西村さんの経歴を丁寧に読み上げる。

「1992年に新日本プロレスでデビュー。2007年から2010年まで全日本プロレスに所属し、”無我”のスタイルを貫き通した名レスラー」

 その言葉一つひとつが、まるで西村さんの生き様を表すかのようにファンの胸に響き渡った。

 そして、10カウントゴングがゆっくりと鳴らされる。1回、2回……会場は静寂に包まれ、誰もがそれぞれの想いを胸に西村さんを偲ぶ時間となった。鳴り終えた瞬間、一瞬の沈黙の後、リングアナが「無我の伝道師、西村修」とコール。すると、場内から大きな拍手が起こり、最後に彼のテーマ曲が流れると、ファンは一斉にその旋律に耳を傾け、涙を浮かべる人の姿も見られた。

 西村さんは「無我」という独自のスタイルを貫いたレスラーだった。派手なパフォーマンスや大技に頼らず、基本的なレスリング技術を極限まで高めたそのスタイルは、多くの選手に影響を与えた。特に、関節技やクラシックなレスリング技法に対するこだわりは、現在のプロレス界にも確実に息づいている。

 新日本プロレス時代には、アントニオ猪木のイズムを受け継ぐ存在として、レスリングの本質を追求し続けた。そして全日本プロレスに移籍後は、「無我」の哲学をより深く体現し、その独自性をさらに発展させた。ファンの間では「時代が追いつかなかった天才」とも評され、彼の試合を理解する者は、リング上の緻密な攻防に魅了されたものだ。

 西村さんは、ただ試合をするのではなく、「プロレスとは何か?」を問いかけ続けた存在だった。彼の試合を観た者なら誰もが感じたであろう、技一つひとつの重み、間の取り方、そして対戦相手との静かな対話。そのすべてが芸術であり、まさに「無我の境地」そのものだった。

 西村さんは、リングの外でも独特の存在感を放っていた。政治家としての活動、そしてプロレス以外の分野でも積極的に発信を続けた彼の姿は、多くの人にインパクトを与えた。しかし、彼の原点は常に「無我」であり、レスリングそのものに対する情熱を絶やすことはなかった。

 今回の追悼セレモニーで、彼の名がコールされた瞬間に沸き起こった拍手は、単なる哀悼ではなく、彼のプロレスへの情熱を称えるものだった。それは、西村修というレスラーが、単に戦績やタイトルを誇る存在ではなく、プロレスの本質を追求し続けた一人の求道者だったことを示していた。

 53歳というあまりにも早すぎる別れ。しかし、彼の残した「無我の精神」は、これからもプロレス界の中で生き続ける。全日本プロレスのリングに響いた10カウントゴングは、西村さんの人生の終わりを告げるものではなく、彼の魂がこれからもプロレス界に息づいていくことを示す鐘の音だったのではないか。

 この日のセレモニーは、全日本プロレスにとって、そしてプロレス界にとって、「無我の伝道師」が残した遺産を改めて見つめ直す時間だった。西村修というレスラーが、どれほど深くプロレスを愛し、どれほど独自の哲学を貫いたのか。それを思い起こさせるひとときとなった。

 リング上での雄姿はもう見られない。しかし、彼の試合を観た者の記憶の中には、今もなお西村修が生き続けている。そして、これからも多くのレスラーたちが、彼の残した「無我の精神」を受け継ぎ、進化させていくことだろう。

宮原健斗&青柳優馬が世界タッグ王座奪還!死闘を制す

 全日本プロレスの3月9日後楽園ホール大会にて、「ビジネスタッグ」こと宮原健斗&青柳優馬が、斎藤ジュン&斎藤レイの斎藤ブラザーズを破り、第100代世界タッグ王者に輝いた。王者組の持つ圧倒的なパワーとタッグワークに苦しめられながらも、宮原が最後にシャットダウンスープレックスでジュンを仕留め、王座奪還を果たした。

 試合は序盤から斎藤ブラザーズの圧力が光った。ジュンとレイはその恵まれた体格を活かし、強烈なショルダータックルやラリアットを連発し、ビジネスタッグをコーナーへと追い込んでいく。宮原も青柳も機動力とテクニックで反撃を試みるが、ジュンとレイの剛腕はそれを上回る破壊力を見せつけた。

 中盤に差し掛かると、宮原と青柳は連携を駆使して試合のペースを変え始める。宮原のニーアタックがジュンを捕らえ、青柳が得意のフライング攻撃でレイを場外へ追いやる。だが、ジュンが青柳を捕まえ、圧倒的なパワーで叩きつけると、流れは再び斎藤ブラザーズへ。レイも宮原を相手に豪快なブレーンバスターを決め、試合の主導権を握った。

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