[週刊ファイト2月13日期間 [ファイトクラブ]公開中
▼ジャイアント馬場の魂は生き続ける!伝説のレスラーたちが集結した後楽園ホールの夜
編集部編
・試合前セレモニーとタイガー・ジェット・シンのメッセージに込められた想い
・藤波辰爾、緊急参戦! 西村修への熱きエールを込めた勝利
・グレート・ニタ降臨! 大仁田厚が邪道魂で暴れ尽くす
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試合前セレモニーとタイガー・ジェット・シンのメッセージに込められた想い
2024年1月31日、東京・後楽園ホールで「ジャイアント馬場没25年追善~太陽ケア引退試合~木原文人リングアナデビュー35周年記念大会」が開催された。この日は馬場の命日にあたり、会場には多くのプロレス関係者とファンが集い、その偉大な足跡を称えた。試合開始前には追善セレモニーが執り行われ、国内外からレジェンドレスラーたちが集結。その中で、タイガー・ジェット・シンからのサプライズメッセージも届けられた。
試合開始前、リング上には全日本プロレスに縁の深いレジェンドたちが登場した。天龍源一郎、川田利明、田上明、小橋建太、ザ・グレート・カブキ、グレート小鹿、百田光男、タイガー戸口、秋山準、丸藤正道、井上雅央、太陽ケア、渕正信、越中詩郎、大森隆男、本田多聞、大仁田厚ら、全日本プロレスの歴史を彩った名だたるレスラーたちがリングを囲んだ。
さらに、全日本プロレスを長年支えてきた和田京平レフェリーや関係者たちも集結。馬場のリングシューズがリング中央に置かれ、木原文人リングアナウンサーが「追善の10カウントゴングを捧げます」と静かに語ると、場内は厳かな空気に包まれた。そして、10カウントゴングが鳴り響いた後、馬場のテーマ曲「王者の魂」が流れると、会場中が「馬場コール」に包まれた。
馬場が築いたプロレスの遺産は、今なお多くのファンとレスラーたちの心に生き続けていることを証明するかのような瞬間だった。
この追善セレモニーの中で、大きなサプライズとなったのが、カナダ在住のタイガー・ジェット・シンからのビデオメッセージだった。
スクリーンに姿を現したシンは、馬場の命日に際し、彼らしい挑発的な言葉でコメントを残した。
「コンニチワ!今日は馬場の命日だと!?俺様は信じている!奴は死んじゃいない!奴は俺様たちが怖くて隠れているに違いない!俺様の最高のパートナーであるウエダさんと今からやっつけに行くぞ!」
シンならではのユーモアと挑発的な語り口ではあったが、そこには確かな敬意と、馬場との激闘の日々への誇りが感じられた。かつて全日本プロレスのリングで馬場と数多くの戦いを繰り広げたシンが、25年の時を超えてもなお馬場との“戦い”を語る姿には、観客も感動を覚えたことだろう。
このセレモニーを通じて感じたのは、ジャイアント馬場という存在が、単なるプロレスラーではなく、日本のプロレス界全体にとっての象徴であるということだ。
天龍源一郎はリング上で「こういうチャンスが最後かなと思って、リングに上がった。感無量だった」と語り、川田利明や小橋建太、田上明といった馬場の薫陶を受けた選手たちも、改めてその偉大さを噛み締めた。馬場の教えを受けたレスラーたちが現在もリングに立ち、彼の精神を後世に伝え続けていることが、この日のセレモニーで改めて浮き彫りになった。
また、観客の間から沸き起こった「馬場コール」は、彼の存在が今なおプロレス界に生き続けていることを証明していた。この興行は、単なる追悼イベントではなく、馬場の魂が今もプロレス界を見守っていることを示す、感動的な瞬間であった。
ジャイアント馬場没25年追善興行の試合前セレモニーは、多くのレスラーとファンが一体となって馬場を偲ぶ、特別な時間となった。リング上に集ったレジェンドたち、10カウントゴング、そして「王者の魂」とともに巻き起こった「馬場コール」。そのすべてが、馬場がプロレス界に残した偉大な遺産を物語っていた。
また、タイガー・ジェット・シンからのメッセージは、彼の破天荒なキャラクターを保ちつつも、馬場への深い愛情とリスペクトが込められたものであり、観客に強い印象を与えた。
ジャイアント馬場というレジェンドは、これからもプロレス界の指針であり続けるだろう。そして、今回の追善興行が示したのは、彼の精神が今なおリング上に生き続け、プロレスファンの心の中に刻まれているということだった。
藤波辰爾、緊急参戦! 西村修への熱きエールを込めた勝利
東京・後楽園ホールで開催された「ジャイアント馬場没25年追善~太陽ケア引退試合~木原文人リングアナデビュー35周年記念大会」。この特別な夜に、71歳の“炎の飛龍”藤波辰爾がリングに立ち、圧巻の勝利を飾った。本来ならば西村修が出場予定だった試合。しかし、ステージ4の食道がんと闘う西村の欠場を受け、藤波が急遽代役として参戦。かつて確執のあった西村への想いを胸に、魂のこもった闘いを見せた。
この日の第4試合、「大隅興業 PRESENTS 頑張れ!西村修!!」として組まれた6人タッグマッチ。藤波は越中詩郎、新崎人生と組み、長井満也、井上雅央、土方隆司(セコンドに藤原喜明)と対戦した。本来ならば、西村がリングに立ち、この追善興行の大舞台で試合をする予定だった。しかし、闘病中の西村は体調が整わず、やむなく欠場。試合前日の1月30日に急遽、藤波の代役参戦が決定した。
藤波は事前コメントで、「思い返せば、多くの方がご存知の通り、過去、西村選手との間で大きな出来事があった。当時その問題が関係者、そして私の家族にまで影響を及ぼしたことで、私は西村選手との関係に一区切りをつけ、以降一切口にすることはなかった。しかし、大会実行委員会から彼の現状を伺い、今回のオファーを受けることにした。これは、西村選手の一日も早い回復を願う想いを込めての参戦である」と語っていた。
この緊急参戦に会場のボルテージは一気に上昇。藤波の入場曲「RISING」が響き渡ると、後楽園ホールは「ドラゴンコール」の大合唱に包まれた。71歳とは思えぬ身のこなしでリングインすると、試合開始のゴングとともに素早い動きを見せた。
試合では、土方隆司を相手に鋭いドラゴンスクリューを決め、往年の切れ味を見せつけた。さらに、藤原喜明の介入をものともせず、長井満也とも一進一退の攻防を展開。場外乱闘では、越中と新崎人生が積極的に相手チームを蹴散らし、藤波に試合の流れを引き寄せた。