[ファイトクラブ]ブライアン・ダニエルソン引退WrestleDream新王者MOX+竹下幸之助

[週刊ファイト10月24日]期間 [ファイトクラブ]公開中

▼ブライアン・ダニエルソン引退WrestleDream新王者MOX+竹下幸之助
 (c) AEW 編集部編
・pre-showアントニオ猪木孫・寛太&尚登さんもオカダは出ない大会構成
・試合内容激しい攻防もお客引いていたかも ウィラー・ユウタまで裏切り
・お客がbooならマーク・ブリスコのROH王座防衛に寝るCジェリコ先生
・プライベート・パーティ下したヤングバックス1・5新日Dynasty参戦表明
・ダービー・アレンCoffin Drops階段命中ありもブロディ・キング戦に生還
・ルチャ戦 ホログラム(アラミス)2-1ビースト・モートス(ブラック・タウラス)
・やや風貌変えたSwerveストリックランドMVP軍入らずナナ王子のまま
・リコシェWオスプレイ再現にせず3wayインターナショナル:竹下幸之助
・やはりベストマッチ賞カイル・フレッチャー造反オスプレイ+虎ドライバー
・TNT防衛ジャック・ペリー柴田勝頼⇒ダニエル・ガルシア対MJFに発展
・Tストーム日本間隙 マライア・メイStorm Zeroウィロー・ナイチンゲール
・本編強力opener新日では格上ジェイ・ホワイト白熱ハングマン・ペイジ


■ AEW WrestleDream
日時:10月12日(現地時間)
会場:米ワシントン州タコマ タコマ・ドーム 観衆8,045人(主催者発表)

 アントニオ猪木追悼として第一回が行われた『WrestleDream』であるが、今回はなんといってもブライアン・ダニエルソンの、負けたら即引退ロードの集大成ということになろう。先に苦言やるならまたも長い、長い、長い大会になってしまったのだが、やはり今回はメインから降りて行かないと読者に叱られてしまう。

’23年10月12日号加藤拓歩 NoMercy WrestleDream Rizin名古屋 闘強商店会 ABEMA開始

pre-showアントニオ猪木孫・寛太&尚登さんもオカダは出ない大会構成

試合内容激しい攻防もお客引いていたかも ウィラー・ユウタまで裏切り
<第9試合 ブライアン負けたら即引退SP>
[王者]●ブライアン・ダニエルソン
 27分00秒 締殺
[挑戦者]○ジョン・モクスリー w/マリーナ・シェイファー

 さてさて・・・なんであるが、そもそも先週のDynamite、大人のファンは「ああ、ブライアンが普段の番組に出るのも、これが最後なんだなぁ」と、読めている大人のファンは感慨を持って見ていたのだが、なにしろ現地時間で通常の水曜夜ではなく、ライバルのNXTの後半1時間とモロに被る火曜夜に移行を余儀なくされ、そりゃ数字的にも惨敗である。
 まして、CW移行の2週目もセントルイス遠征で強力な内容を提示、初回より落ちても好調を維持だったのに比べると、本誌は紹介に値しないとの判断を下していた。

 Europeの♪Final Countdownが鳴り響き、いよいよ最後かというメインになって、どう考えても予定の大会進行より長くなっているというのに、試合は(予定通り)尺もたっぷり貰って、そもそも首がオカシイとのセールやってるブライアンが、殺されるんじゃないかというMOXの激しいハードヒットに耐えながら反撃と、好試合だったとは評したい。但し、いつも遅いAEWのマスコミ用写真配布なんだが、肝心のメインの写真点数が数枚だけで、実はトップ画像も、本当は前にやった時のカットというのが、「見る本」として伝えたい本誌としては残念でならない。
 また、先週のDynamiteまで見てないであろうタコマの会場客は、これがガチの最後だとは思ってなかったこともあり、MOXの手が挙がった時にはリアクションが出せてない。ショックなのか声が出てない。

 さらに、柔道家マリーナ・シェイファーは入場から一緒なんだが、クラウディオ・カスタニョーリらBlackpool Combat Clubの介入もお約束どころか、決着後はまた乱闘劇が続くのだが、当初はダービー・アレンとウィラー・ユウタはブライアンの救出側だったのに、MOXが昔のテリー・ファンクよろしくビニール袋の窒息死をユウタにやらせようとして、ユウタまでがアレンを裏切ると。負けて去るのがセオリーとばかり、ヒール軍をoverさせるというold Schoolを実践したブライアンなのであった。
 ただ、すべてが終了して会場をあとにする観客が静まり返って無言だったというのが、大会の評価としてはマイナス点だったと評するしかない。

お客がbooならマーク・ブリスコのROH王座防衛に寝るCジェリコ先生
<第8試合 ROH世界王座戦>
[王者]○マーク・ブリスコ
 15分20秒 ジェイ・ドリラー
[挑戦者]●クリス・ジェリコ w/ビック・ビル

 クリス・ジェリコの2度目のROH世界王座挑戦。このところ、客からブーイング受けるようになって、これまた人気者のマーク・ブリスコに寝ることになるマッチメイクだとは、大人のファンは見えていたとは思うが、悪くはなかったです。ただ、最初から見ている視聴者には、「今回も長いなぁ」と、疲れを感じていたので集中できなかったかもでした。

プライベート・パーティ下したヤングバックス1・5新日Dynasty参戦表明
<第7試合 AEW世界タッグ王座戦>
[王者]○ヤングバックス(マシュー&ニコラス・ジャクソン)
 15分50秒 メルツアー・ドライイバー
[挑戦者]●プライベート・パーティ(ゼイ=イシア・キャシディ&マーク・クイン)

 嫌味な重役EVPのジャクソン兄弟が、「今度こそ」を誓うプライベート・パーティを迎え撃つAEW世界タッグ王座戦。EVPトリガーガ(写真左下)が完璧に決まるが、それでもカウント2でハネ返した粘りは見せたものの、最後はメルツアー・ドラーバーに沈みました。
 
 色々あってAEW設立に動いたヤングバックス、久しぶりにNew Japanに戻ってくると。要するに実質はAEWの大会でもある1・5『Dynasty』となります。

ダービー・アレンCoffin Drops階段命中ありもブロディ・キング戦に生還
<第6試合 シングル戦>
○ダービー・アレン
 12分12秒 コフィン・ドロップ
●ブロディ・キング

 リングで死んでしまうんじゃないかのダービー・アレンの危険なスタント。今回は階段上のブロディ・キング目掛けてコフィン・ドロップ(写真左下)なんだけ、よけられて激突するという・・・・。

 はい、生きて生還いたしました。

ルチャ戦 ホログラム(アラミス)2-1ビースト・モートス(ブラック・タウラス)
<第5試合 ルチャ式3本勝負>
○ホログラム=元アラミス
 16分40秒 2-1 ファイアーマンズ・キャリー・スラム
●ビースト・モートス=元ブラック・タウラス

 ホログラムは、本誌に関するならMLWなどで紹介してきたがアラミスだ。AEW所属となってホログラムになってます。ブラック・タウラスはTNAのXディヴィジョン戦によく出ていたブラック・タウラス。3本勝負のルチャが混じった大会構成、緩急がついて良かったんではないかと。

▼TAJIRIがマイロン・リード、アレッツ、アラミスの4way戦制しMLWミドル級王座戴冠

TAJIRIがマイロン・リード、アレッツ、アラミスの4way戦制しMLWミドル級王座戴冠

 ブラック・タウラスは、ルーシュ率いる本家インゴベルナブレスに。ジェイク・スネーク・ローバーツも加入のようで、蛇男に怪獣と、奇天烈な軍団になった。

やや風貌変えたSwerveストリックランドMVP軍入らずナナ王子のまま

 怪我もあり暫く消えていたSwerveストリックランドのセグメントが挿入。やや風貌変えている。WWEから転出したMVP、シェルトン・ベンジャミンから勧誘されているわけだが、答えはNOなのです。だって、MVPはWWEとの契約が切れたボビー・ラシュリーがやがて合流する計画ですから・・・。

 ということで、ヘマもやらかしたけど、プリンス・ナナがマネージャーのままのようです。

リコシェWオスプレイ再現にせず3wayインターナショナル:竹下幸之助
<第4試合 AEWインターナショナル王座戦>
[王者]●ウィル・オスプレイ
 20分45秒 ランニング・ニー
[挑戦者]○竹下幸之助
※もうひとりはリコシェ

 AEWに転出したリコシェ、当然、誰もが新日本プロレスのリングで伝説となった圧巻の空中戦を再現するのかという話になったのだが・・・。
 しかし、かの試合は故ベイダーさんを筆頭に、いわゆるOld School派からは「あんなのはバレエじゃないか。闘いではない」と賛否両論だったわけで、さすがに単純な再現にせず、竹下幸之助を加えた3way戦にしたことが本誌のベストマッチ賞となる由縁であろう。

やはりベストマッチ賞カイル・フレッチャー造反オスプレイ+虎ドライバー

 試合は黒装束フード被ったカイル・フレッチャーが乱入。ブライアン・ダニエルソンの首をオスプレイがおかしくした元凶とされる危険技タイガードライバー’98を炸裂させて、漁夫の利で竹ちゃんが戴冠となるのだが、写真が選ばれてないだけで、その竹ちゃんが輝いていた内容だった。

’24年05月02日号オスプレイAEWブライアン 田中将斗 ONEムエタイKROSS-OVER 岩田美香

 ということで、ドン・キャリス軍団はカイル・フレッチャーと竹下幸之助に。ウィル・オスプレイは別れたことになろう。これでイイのである。

TNT防衛ジャック・ペリー柴田勝頼⇒ダニエル・ガルシア対MJFに発展
<第3試合 TNT王座戦>
[王者]○Scapegoatジャック・ペリー
 9分20秒 返し技クイック・フォール
[挑戦者]●柴田勝頼

 アントニオ猪木追悼の『WrestleDream』に、The WRESTLERの柴田勝頼がいないんじゃ締まりません。相手は新日遠征を経てストロング・スタイルがやれるようになったジャック・ペリーだから、二人は手が合ってました。
 フィニッシュは、一瞬の返し技でペリーの勝利、柴田が「早じゃないか」と抗議するんですが、これでイイのであります。柴田がリードして作った試合なんだから(笑)。

 この第3試合は、ダニエル・ガルシアとMJFのいがみ合いに繋がり、さらに長らく怪我で消えていたアダム・コールも顔見世するPPVならではの特典ボーナス付き箇所になってました。

Tストーム日本間隙 マライア・メイStorm Zeroウィロー・ナイチンゲール
<第2試合 AEW世界女子王座戦>
[王者]○マライア・メイ
 10分50秒 ストーム・ゼロ
[挑戦者]●ウィロー・ナイチンゲール

 日本の女子プロ通は知ってます。Timelessトニー・ストームは日本来て、2017年9月24日、名古屋で岩谷麻優の赤いいベルト防衛の計画が、岩谷の脱臼によりトニーが戴冠。その因縁の清算とばかり、今度は岩谷がIWGP女子のベルトを防衛したことを。また、CMLLにもAEWから派遣されて白黒キャラで世界を回っています。

▼今週よりウナギ・サヤカ、柳川澄樺CMLLツアー!メイン女子Tストーム

今週よりウナギ・サヤカ、柳川澄樺CMLLツアー!メイン女子Tストーム

 ということでヒールの吸血鬼となったマライア・メイ、世界女子王者としてがんばってます。本大会では愛嬌のあるベビーフェイス、ウィロー・ナイチンゲールを流血ナシで下しました。トニー・ストームのストーム・ゼロにて・・・。

本編強力opener新日では格上ジェイ・ホワイト白熱ハングマン・ペイジ
<第1試合 シングル戦>
○ジェイ・ホワイト
 16分20秒 バックショット切り返してのブレードランナー
●ハングマン・ペイジ

 新日本プロレス時代からハングマン・ペイジを見ている者にとっては興味深いシングル戦である。ジェイ・ホワイトはすでにスターだったが、アダム・ペイジ君はまだ前座扱いだった。AEWに転出して以来、世界王者にもなり、直近ではSwerveストリックランドとの抗争が記憶に新しい。
 しかし、ウィル・オスプレイより一足早くAEWに加入していたジェイ・ホワイトは、まだまだ負ける訳にはいかない相手となる。試合は素晴らしいストロング・スタイルの攻防となり、恐らく日本のファンはこの第1試合こそがベストマッチ賞とする方も多いのではなかろうか。

 いずれにせよ、アントニオ猪木追悼の『WrestleDream』である。これを本編のopenerにした意義には納得だし、期待以上の凄い試合をやってくれた両雄に賞賛なのだった。

 日本時間からはこの翌日、新日本プロレスの『KING OF PRO-WRESTLING 2024』だったわけであるが、全体を通してメジャー感の差はだいぶ広がったというのが偽らざる総括になろう。