ティト・オーティス復活勝利!ランペイジ・ジャクソン遺恨決着!? 5・17『ベラトール 120』

 現地時間5月17日にミシシッピ州サウスヘイブンで、『ベラトール 120』が開催された。
 今大会は、WWEがPPVビジネスよりも、WWEネットワークに軸足を変えたため、PPV配給会社が優遇措置をプロレス・インディやMMAインディにオファーしたことから、ベラトール初のPPV大会となっており、メイン級のカードがずらりと並ぶ豪華なものとなった。
当初、メインではエディ・アルバレスとマイケル・チャンドラーの因縁決着戦が組まれていたが、アルバレスが負傷欠場の為、このカードは延期に。チャンドラーはウィル・ブルックスと暫定王座決定戦に出場となった。

 代わりにメインで組まれたのは、クイントン“ランペイジ”ジャクソンとキング・モーのライト級トーナメント決勝戦だ。共に鳴り物入りでベラトール入りした両者、共にスパイクTVで放送されているTNAの「インパクト・レスリング」でプロレスラーとして登場し、知名度を更に上げたが、ジャクソンがレジェンド枠にとどまらず一ファイターとしてトーナメントに参戦し勝ちあがってきたので、因縁が勃発、試合前から激しい舌戦が繰り返されてきた。
 試合は、激しい殴り合いを望むジャクソンに対して、モーは徹底的に打ち合いを避け、すぐに組みつきテイクダウン狙いで金網に押し込む戦法を繰り返す。要所、要所で剛腕を振り回し、激しい打撃を叩きこむジャクソンと、レスリング力で金網に押し込みテイクダウンするモーという感じで、どちらを取るかという所だが、判定はジャクソンを支持、ジャクソンが判定勝ちとなった。但し、専門家はモーを支持する声が多く、この審判は波紋を呼びそうだ。
 勿論、モー本人もこの判定に激しく抗議、ジャクソンも再戦をやってやる、今度こそお前を眠らせると挑発。PPV終了後の記者会見でも罵倒合戦が続き、この2人の遺恨はまだまだ続きそうだ。

 アルバレス欠場に伴い、マイケル・チャンドラーはウィル・ブルックスと暫定王座決定戦が組まれた。下馬評ではチャンドラーが圧倒的有利だったが、なんと大波乱の展開。1Rこそチャンドラーがテイクダウンを奪い圧倒したものの、2R後半にブルックスが反撃、バックを制してチョークで攻めてきた。そして3Rもブルックスの猛攻が続き、チャンドラーはパウンドでKO寸前まで追い詰められる。
 4R以降はチャンドラーも盛り返し、試合終了間際には、猛ラッシュから肩固めを極め、判定泣かせの接戦となった。判定はやはりスプリットで割れたが、2-1で挑戦者ブルックスが勝利。ブルックスは大金星をあげ新王者となった。

 あのティト・オーティズが遂に復帰戦。しかも相手は、ベラトールでミドル級絶対王者として君臨しているアレキサンダー・シェレメンコとライトヘビー級で対戦するという階級、世代を超えた黄金カードが組まれる事となった。
 いつもの様に、アメリカとメキシコの国旗をもって入場したティト・オーティス。長期ブランクによるスタミナ面が不安視されていたが、シェレメンコをがっちりテイクダウンして肩固めで圧勝。強いティトが戻ってきたと存在感を見せつけた。

 会場にはTNAの女社長ディクシー・カーターと、プロレス界のレジェンドであるダイヤモンド・ダラス・ペイジが一緒にリングサイドで観戦。TNAに参戦した事もあるティトの勝利を喜んでいた。

 ヘビー級トーナメント決勝は、元ヘビー級王者、ベラトールにおけるロシア人躍進の先駆者であるアレキサンダー・ヴォルコフと、サンボでヒョードルを破り、MMA転向後も藤田和之を倒したブラゴイ・イワノフという東欧対決となった。
 試合は、打撃勝負を避けグランドにいきたいイワノフが、組みついてテイクダウンを狙うもののヴォルコフが凌ぐ展開。しかし、2R、強引に倒そうとしたイワノフに対し、上手く身体を入れ替えグランドでバックを制したヴォルコフがそのままチョークを極めて一本勝ち。サンボ王者イワノフはまさかの一本負けとなり、ヴォルコフがトーメンと優勝で、現王者ヴィタリー・ミナコフとタイトルを賭け因縁の再戦を行なう事になった。

 メインカードのオープニングに抜擢されたマイケル・ペイジは期待通りのKO勝利で、大会の始まりを飾った。

■ ベラトール 120
日時:2014年5月17日
場所:アメリカ・ミシシッピ州サウスヘイブン

<ライトヘビー級トーナメント決勝>
○クイントン“ランペイジ”ジャクソン
 判定 3-0
●キング・モー

<ライト級暫定王座決定戦>
○ウィル・ブルックス
 判定 2-1
●マイケル・チャンドラー
※ブルックスが新王者

<ライトヘビー級>
○ティト・オーティズ
 1R 2分27秒 肩固め
●アレキサンダー・シェレメンコ 

<ヘビー級トーナメント決勝>
○アレキサンダー・ヴォルコフ
 2R 1分08秒 チョークスリーパー
●ブラゴイ・イワノフ

<ウェルター級>
○マイケル・ペイジ
 1R 4分27秒 TKO
●リッキー・レイニー 

電子書籍版はマット界舞台裏5月29日号ROH新日NY横アリWWE北朝鮮’82猪木馬場新日キック付録CPEに掲載されました。

【ベラトール アーカイブ】
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