[ファイトクラブ]イベントスペース『リングサイド』新装開店記念タダシ☆タナカTalk Live

[週刊ファイト12月21日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼イベントスペース『リングサイド』新装開店記念タダシ☆タナカTalk Live
 photo & text by 西尾智幸 +参加者提供写真
◆プロレスは観客との真剣勝負!! 裏の裏まで知ればもっと長く楽しめる
・週刊ファイトについて
・新日本とWWEとの格差
・1980年のマサ斎藤「プロレスラーはホントに凄い!」
・プロレスは真剣勝負!!
・日本はファンがすぐに卒業してしまう
◆今年のMVPは? 観客動員減少の日本にWWE/AEWが仕掛ける罠
・2023年を総括「MVPはウィル・オスプレイ」
・観客動員数が減っていることについて
・KAIRIがWWEへ戻ったのは居心地とお金!
・あとは・・・[アントニオ猪木一周忌]他
◆筆者が一番響いた話しは「裏の裏まで知る!」~すごく納得であった!
・プロレスを長く楽しむには裏の裏まで知る


イベントスペース『リングサイド』新装開店記念タダシ☆タナカTalk Live

ケーフェイ側(笑)のエナジャイズ!プロレス守屋博昭、俳優・みぶ真也、本誌タダシ☆タナカ&西尾智幸

■ タダシ☆タナカTalk Live『岐路に立つプロレス格闘技』
日時:12月10日(日) 
場所:イベントスペース リングサイド

 12月10日、関西のファンにはお馴染み、千鳥橋駅の居酒屋リングサイドが、株式会社A-TOYSとの共同運営となって「イベントスペース リングサイド」として新装運営されることとなり、本誌タダシ☆タナカがこの週末に来阪した機会から、待望の『シュート活字Talk Live』が開催された。

 この日、主催者である『格闘技のおもちゃ箱ACF97th』で試合を終えたばかりの武士正こと近藤哲夫さん、韓国からの選手をブッキングしているSAMSAN MUAY THAI GYM会長シンヒョンさん、そのACF興行で道頓堀プロレスの試合をした守屋博昭さんらは無論のこと、世界で最初の学生プロレス団体DWA(同志社プロレス同盟)の創立メンバーである、俳優のみぶ真也さんも駆けつけた。

 ちなみに関西在住の俳優・みぶ真也さん、ちょうど翌日・月曜放送のNHK朝ドラ『ブギウギ』は戦時中回に突入。「軍長としてバケツリレーを命じる役で冒頭に出てるハズ」との話があり、実際に見て見たら確かに出演されていた。

 なお、文筆家でもあるみぶ真也さんは4作の電子書籍著書があり、特に『返ればいつも負け役』は、やる側の経験者なら共感すること必至であり、息の長いロングセラーになっている。なんでも値上げの世の中だが、あえて発売当時の315円のままにしてあり、騙されたとでも思って購入を推薦しておく。埋もれた名作とはこのことだろう。

プロレスは観客との真剣勝負!! 裏の裏まで知ればもっと長く楽しめる

 始まる前は、今年7月に大阪・松原で行われたエナジャイズ!プロレスの小島聡vs.守屋博昭戦が流されていた。筆者も改めて観させて頂いたが、パッションが伝わる好勝負だったと再確認した。

▼守屋博昭エナジャイズ天美我堂/小島聡・橋本大地招聘で会場超満員!
https://miruhon.net/243751

 濃密トークは、2時間にわたって行われた。 
 どんな話が飛び出したのか?! ここにその内容を公開したいと思う。但し、有料イベントゆえ全部掲載しては、入場料を払って参加している方に対して失礼になるので、そこは差をつけつつレポートしたい。まず、冒頭はこれから始まった。

■ 週刊ファイトについて
 タブロイド判の新聞から現在のネット版に替わった事に詳しく解っていない人が多い。
 これは、当時I編集長(井上義啓)の「喫茶店トーク」というのがあり、その相手役をやっていたのは僕なので、そこから始まっているので、引き継ぐ本物の後続媒体である。当時から、いい物はいい、悪い物は悪いと、ハッキリと書いてる。
 あの当時、『私、プロレスの味方です』の村松友視さんなんかは、I編集長の感化をすごく受けたひと。でも、完全にプロレスを解っていた訳ではなかった。

▲タブロイド判時代のファイト(1967年創刊で2006年休刊)

■ 新日本とWWEとの格差
 現在、100倍と言ってもいい程の格差がある。AEWも新日より上。なぜ、こんなに差が出たかというと、新日はいまだに「真剣勝負でございます」とやっていて、「どこの一流企業がお金出すねん」と。アメリカでは、「うちはエンタテイメントですよ」とちゃんと伝えて一流企業がついている。日本はそろそろ曲がり角にきているのではないか? ただWWEも昔からエンタメだと言っている訳ではなかった。’89年頃にハクソー・ジム・ドゥガンとアイアン・シークがハッパがどうので警察沙汰になったが、ビンス・マクマホンはそのことより、ヒールとベビーフェースの戦う相手が一緒の車に乗っていた事に、それは絶対駄目だと激怒したのは有名な話。
 しかし、ニュージャージー州の税金のこともあり、スポーツなのかエンタメなのかで税額が変わるので、エンタメであると伝えてばれた。それが丁度その‘89年、’90年くらいの同じ時期、あと3つほどの理由があり、そこからWWEの更生が始まったんですよ。アントニオ猪木が常に訴えていた[プロレス市民権の確立]を普通にやり遂げたし、現地法人判断だろうけど、日系の企業がアメリカのPPVのスポンサーにも入ったりしている。しっかり市民権を得ているんです。

’18年07月26日号マサ斎藤 G1開幕 Bブロディ CZW 覆面マニア RISE QUINTET 浜田文子

■ 1980年のマサ斎藤「プロレスラーはホントに凄い!」
 今でも忘れられないことがあって、1979年末か1980年にDWA(同志社大学プロレス同盟)発行のWRESTLING DIGEST誌の取材でマサ斎藤に話を聞いた際、まず「東京オリンピックに出場されて凄いですね!」って持ち上げることから入ったんだけど、実は大したことないんだよと。大体、オリンピック委員会から出てくれませんかと有力大学に打診が回ってくる。それで、出る人がいなかったので、たまたま出れただけ。いや、それよりアメリカに行って、ほんとに強い奴なんてゴロゴロいるよ!って真顔でいうんですよ。
 それより一番凄い事をやってるのはプロレスラーちゃうんかと! オリンピックなんか4年に1度、金か銀かってやっても、そんなもんで食える訳ないじゃないかって。
 それを聞いて本当にそう思ったし、身に染みて「プロの世界、奥の深さ」が解った。

■ プロレスは真剣勝負!!
 何を勘違いしてるんですか? プロレスは真剣勝負ですよ! お客さんに対して、ものすごい真剣勝負をしてるんですよ! AとBどっちが勝ったじゃないんですよ。だから、皆さんプライドを持って下さい。
 例えば、小橋建太! 素晴らしい選手ですよね。でも、今になって小橋の素晴らしい試合を3つ挙げて下さいとなると、負けた試合ばかりなんです。僕も記憶に残っているのは。
 だけど関係ないやん、負けたけど勝ったんです! お客さんに対して。それがいまだに語られてる訳やん。あの時、三沢に負けた試合は凄かったよねとか。どっちが勝ったんですか? だからプロレスは真剣勝負なんです! 八百長やってるのは相撲だろうと(笑)。 みんな、そこを解ってないんですよね。

■ 日本はファンがすぐに卒業してしまう
 アメプロは、30年、40年観てますというファンはものすごく多い。でも、日本は週プロでもデータが出てるんですが、2年毎にファンが変わってる。僕が、大阪に戻って友達と会っても、「昔は観てたけどなぁ」って人がホントに多いし、勿体ない! 日本はすぐに卒業させてしまう。
 5年位前に、TVでもやってた”プ女子”っていたんですが、今観てると思います? もうとっくに卒業しちゃって。それでいいと思います? さらに、どんどん細分化されていってしまって、小さい団体ばっかり作ってしまう。
 例えば、子供の頃に観たチャップリンの映画、素晴らしいなと。でも、大人になってから観るとこういう皮肉をやってたんだとか、また解釈が変わってきますよね。そうなるとシュート活字布教の意味をちゃんと言っておかないとあかんかなと。「あんなの八百長じゃないですか?」と言われたら、「何を考えてんねん!」と言い返してやればいい訳で。
 プロレスが分からん奴は、文化的、芸術的素養がない人。オリンピックじゃなくとも、プロレスラーに強い人はなんぼでもおるんやよと。そうなると、日本のプロレス教育が間違ってたんちゃうかってなってくる。それが僕のアレ(考え)なので、シュート活字を広めていくしかないなと。
 ほんとに日本の欠点はサイクルが短すぎ(すぐ卒業)。アメリカって面白くて、プロレス(レスリング)を知らない人は全く知らない、そういう人も多い。じゃあ日本はっていうと面白いことに、プロレス知ってますかっていうと99.9%知っている。馬場、猪木、大仁田なんて皆が知ってる。いわゆる底辺的な認知度はアメリカより多いのにもかかわらず、続いてないのは、シュート活字のものの見方じゃないけど、全部裏の裏まで知って楽しんだ方が長続きするよ~と。
 だからプ女子たちも週刊ファイトの定期購読者になってたら続いてたのに(笑)。「そっちかい!(笑)」のお客さんのツッコミに、そっちですよ(笑)。勿体ないですよ。こんな深いスポーツ芸術ないですよ。ホントそう思います。

週刊ファイトご利用案内

 プロレスの凄いところは、勝った選手と負けた選手が両方勝者になれるというところ。でも、最初に「虚と実のあいまいな境界線」を活字にした村松友視さんでさえ、本当の意味では全部を解ってなかった。でも、村松さんのお陰でそれを考えるようになったファンが増えたのはいい事! 村松さんがああでもない、こうでもないと言ってくれたお陰で週刊ファイトの売上も伸びた。ファイトを買わないと深いところまで解らないとなったので、「ありがとうございます」を述べないといけない。 
 じゃあ今のファンは何でそうなってしまったかと言うと、昔は翌日に新聞を買いに行かないと試合結果が分からなかった。しかし、今のファンはすぐにネットで結果も分かってしまう。しかも、YouTubeで試合を観たらオシマイ。”底なし沼を楽しむ”週刊ファイトを買わないから。買ってくれようとしないから。
 深いところまで知れば卒業する事もないんだが・・・。
 
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