[週刊ファイト12月7日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼Continental Classic: MOX-ジェイ・リーサル ストリックランド-Jホワイト
(c) AEW 編集部編
■ AEW Dynamite
日時:11月29日(現地時間)
会場:米ミネソタ州ミネアポリス ターゲット・センター
NXT評と同じく、この一週間のAEW全体として出しておくべきなのは、日本からの視聴者の関心としても、柴田勝頼がROHピュア王者から陥落、ウィラー・ユウタがベルトを奪回したことか。ただ、本誌的に興味深かったのは有料の専門媒体から、日本と同じく素人のファンが好き勝手に「ああだ、こうだ」とやってるサイトまで、「急遽、日本に戻ることになったから落とした」と記載していること。
もはやケーフェイが死語になっている米国でのプロレス報道のあり方を象徴しているように感じた。そりゃ、きっちりフォローしている方なら、裏取り取材の必要もクソもなく、Rampage番組見れば普通にわかる、気づくことなんだが・・・。一応日本は、未だにそうは書かないのが特殊ジャンルのプロレス媒体お約束である。しかも放送が現地土曜夜で、モロにWWE『サバイバー・シリーズ』と被ってしまったから、「誰も見てないよ」という笑い話にもなっている。そりゃトニー・カーン代表にしたら、ROHブランドのPLE大会で組みたかったのに、計画進行のタイムテーブル通りには運ばなかったことになろう。
さて、AEW版「G1」のコンチネンタル・クラシックである。冒頭が最近負け役ばかりのジェイ・リーサルと、例によって客席から出てくるDeath Jitsu師範ジョン・モクスリーとなり、記者はリーサル勝利と踏んだ。だって総合ポイントを争うG1なんだから「団体内の格」からだと大物喰いを仕込むハズのみならず、「外部介入禁止」とか、旧ROHが「スポーツ・ライクな日本流」としてやっていたリーグ戦ルールだからだ。
ちなみにブライアン・ダニエルソンが実況席に着いている。眼窩底骨折なんでアイパッチ姿だが、近く復帰というより、実際の裏方役割はG1を研究している自身が、マッチメイク委員会だからなんだろう。
皆さんもう忘れているかもだが、2019年4月6日の新日本プロレスとROHのMSG合同興行、ここでのROH側メインは王者ジェイ・リーサルがベルトを落とす試合。新日メインは王者ジェイ・ホワイトがオカダ・カズチカに寝るわけだが、現地向けのポスターだと、両団体の王者ということで二人の「ジェイ」が出ていた図案が使われていた因縁がある。それが期せずして、建前上、日本式?ルールのリーグ戦を目玉とするTV番組Dynamiteの、冒頭と最後が「ジェイ」という巡り合わせ。ちなみに聖地MSGは名前はともかく、今はむしろ小さい方の会場になり、今回の超満員ターゲット・センターの方が頭数では多いのだが・・・。
試合展開はジェイが徹底的な足殺しで、何度も四の字が出てくるし、そこから逃れた直後にMOXが飛んでも、着地でまた足を痛めというのが序盤で、やる側から見ているならそりゃもう見事なセールであって、さすがにMOXは一流だなぁ、と。ただ、ということは「おや?」ともなってケツは予想外したのかも・・・と思っていると、足をひきづりながらのMOXが裸締めで勝利なのでした。これでジェイ・リーサルは、先週のSwerveストリックランド戦に続いて二連敗に。まぁ、そこから勝ち出すパターンはありなのがG1なんだが、これは予想を外しました。
続いてもコンチネンタル・クラシック戦。すでに1敗から始まったルーシュが、マーク・ブリスコにブルズ・ホーンズを見舞います。
セールの怪我前提で始まったジェイ・ホワイトとの王座戦で、重症ではないがガチに怪我を負って杖をついてきたMJFは、しばらく試合せずにマイクの出番となります。案の定DEVIL面パーカー軍に襲撃されて、約束なんで現地時間12月30日の『ワールズエンド』PPV大会で闘うサモア・ジョーが救出にくるんだけど、挑発に乗って「タッグ試合受けてやる」と言ってしまい、杖も真っ二つに折って見せるんだが、これはジョーの了解を得てないという伏線を仕込んでました。