Rampage大流血戦バニーPフォード惨TコンティAジェイCody防衛戦

(c) AEW

■ AEW Rampage New Year’s Smash
日時:12月31日(現地放送時間 録画番組)
会場:米フロリダ州ジャクソンビル デイリーズ・プレイス

 アメリカの大晦日は日本ほどの意味を持った日ではないが、WWEのSmackDownは二転三転あったものの地上波FOXでの生中継でなく、傍系のFS1(つまり視聴率は大幅に放棄を意味する)で”WWE’s top 10 moments of 2021″を放送。つまり過去のおさらい番組でしかなく、本誌では取り上げない。WWEの年間総括はすでに鷹の爪大賞で散々、詳しくあらためて取り上げてある通りだ。

 一方、時間的にはSmackDown終了後の金曜深夜に放送されるRampageは、今回もDynamiteの会場からの3時間目をそのままパッケージした録画番組だった。但し、すでにネタバレをやってしまう現地の媒体では、女子タッグがもの凄い大流血戦になりAWESOMEだったと目に入ってきていたが、確かに凄い内容だった。AEWは南部プロレス継承もあるのでWWEが禁止にしているジュースもやってしまうのだが、あと時間帯的にもRampageはプライムタイム(日本表記ゴールデン)ではないので、出してもイイという判断なんだとは思う。ただ、それをやるのが女子の4人だったという点では、やはり驚かざるを得ない。壮絶な惨劇を画面大写しであり、子供客には無理である。あくまで大人向きのプロレスを提供するAEWの、現地年内最終放送なのであった。


 番組はアイコン、スティングとダービー・アレン、一方はRAPを歌うアクレイムドが出てきたが、実力派だと評価の高いアンソニー・ボーエンズとダービーのシングル戦だ。途中、アンドラデの高見の見物という顔見世もあったが、基本は良いプロレスの攻防が展開されていく。

 試合自体はダービーのコフィンドロップが決まっての勝利なのだが、なにしろRAP組の小道具は英語ではブームボックスと呼ぶラジカセであり、スティング様の頭にまともにぶつけてノックアウトさせる。そこからもアクレイムドのマックス・キャスターも加わって処刑敢行と、まるでヒール軍が勝ったかのような絵にしていた。


 どこよりも早くはっきり意見を活字にする本誌がバニーを誉めたのが現地12月10日のRampageだったが、AEW首脳陣含めてやはり見ている人は見ている。ペネロピー・フォードとバニーのヒール組に、アナ・ジェイ&タイ・コンティのベビーフェイスによる女子タッグ戦なんだが、4人ともジュースにより流血といっても、最もざっくり切っておびただしい流血にするのが主役のバニーなのである。試合はストリートファイトだから凶器使用ありで、最初から男子のデスマッチに引けを劣らない激しい叩き合いに。
 写真にあるペネロピーがテーブルに寝かしたタイに飛ぶ場面にせよ、テーブルが綺麗に割れてくれない。わかってる人は思わず「痛ぁあ!」と画面に向かって声を出したことだろう。


 ド派手にやってくれるなぁと見入っていたのは記者だけではない。やがて会場が”This is AWESOME”の合唱に包まれていく。これは凄いことなのだ。


 バニーはリング下からズタ袋を取り出し、やはり中身は画鋲である。公式写真にはなかったのだが、その画鋲に雪崩式ブレーンバスターで叩きつけられるのはセオリー通りにバニー自身なのだ。エエ根性している。あっぱれである。腕は動脈切ってしまうリスクがあるから、テープをガチガチに巻いてくるものなんだが、バニーは腕や手にも画鋲ささったまま試合をやり遂げた。


 試合はアナ・ジェイが有刺鉄線を腕に巻いてのスリーパーホールドでバニーを仕留めて、ベビーフェイスの勝利なんだが、危険な試合なのでレフェリーも結局3人出てくる英語表現でBlood Bathの大激闘。なんとか終わったと泣いてしまっているタイ・コンティに対して、バニーがレフェリー2人の肩を借りて引き上げていく。しかし、最も印象に残ったのは誰か。プロレスの底なし沼に突き落とされた思いがした。


 番組トリがコディ・ローズのTNT王座戦であり、イーサン・ペイジが挑戦する。CodyのTシャツを見てやって下さい。選択が3つあって、ヒール、ベビーフェイス、ウィナー(勝者)だって(笑)。チェックマーク入ってるのがウィナーである。もう開き直っています。ブーイングが起これば、それに合わせるだけだが、相手はヒールのイーサン・ペイジであり、ATTのダン・ランバート会長も付いているから、やっぱり試合の図式的にはベビーフェイスなんだと。はいはい、わかりました・・・と言うしかないか。


 カナダ出身で本物の黒帯でもあるイーサンはお仕事の出来る職人だ。またCodyともスイングしている。前の試合が大流血のインパクトだったのでその余韻を引きづった不運はあるが、Codyは必ずしも嫌われているわけではないのだ。ただ、お客さんがブーイングを面白がっているだけ。そしてジョン・シナの一時期のようにLet’s Go Cody, Cody Sucksと交互にやって、これはある種の声援なのである。


 フィニッシュはクロスローズ2連発、さらにタイガードライバー’98でのCodyの王座防衛。日米の時差があるから、これが2021年最後のプロレス試合となった。


 最後に客席側から撮っているもう1名の公式カメラマンのも届いたので、アンコールということで大流血の女子タッグ戦写真を出しておく。

 バニーと言えばブラスナックル(メリケンサック)なんだが、今回のはゴールド色でギザギザもえぐい新たな小道具を使用。もちろん自分が殴られることになるんだが・・・。タイ・コンティちゃん、怖かったんだろうなぁ。無事で良かったね。


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