[Fightドキュメンタリー劇場⑦]伝説の腕折り事件!凄まじき猪木に“クレイジー”シンも震え上がった

1980年7月17日 蔵前国技館 
[週刊ファイト9月2日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼伝説の腕折り事件!凄まじき猪木に“クレイジー”シンも震え上がった
 by Favorite Cafe 管理人

闘いのワンダーランド #008(1996.12.11放送)「I編集長の喫茶店トーク」
1974.06.26 大阪府立体育館
アントニオ猪木 vs. タイガー・ジェット・シン

 I編集長は、「タイガー・ジェット・シンの狂気は演技では無く本物である」と語る。そして猪木のもまた、若い頃に幾多の死と向き合った経験から来る狂気を背負っていると話す。腕折り事件として語り継がれているこの試合では、「猪木は怖い男、オレ以上にクレイジーなのだ」ということを思い知ったシン。
 何度闘っても色あせなかった二人の試合を熱く語るY・Iトークをお届けする。

(I編集長) やっぱりタイガー・ジェット・シンは、はぐれ者というかね、はぐれ者の唄というか、そういった点ではジョニー・パワーズも似ているし、そして当時のプロレスの常識を破った方向で闘おうじゃないかと認め合う、そういった点でも似てるしね。だから何ていうのか、シンはステータスみたいなものは何も無いですよね。しかし猪木は「この男は光り輝くものがある」と思ったらとことん入れあげるんですよ。そういった目を猪木は持ってますからね。だからジェット・シンはそれに応えたということでしょ。これがね、つまらんレスラーだったらね、たとえばグレート・アントニオみたいなのだったらダメですよ。猪木がどんなに手を貸したところで。

「たとえばグレート・アントニオみたいのだったらダメですよ」

(I編集長) 当時の新日本プロレス内部でもシンを使うことに反対の意見も多かっただろうけど、やっぱり当時のシンっていうのが、急速に目玉になってきましたからね。だから正直、猪木vs.シンで客が呼べるとなったし、反対派も黙らざるを得なかったでしょう。第一これ、下のレスラーがシンを買っておるんだったらともかくとして、「シンを使う」と決めたのは猪木だからね。これはどうしようもないですよ。だって猪木とシンの試合を見てたら、下のレスラーは何も言えなかったと思いますよ。あんな凄い試合をやって、同じようなパターンの試合なのにね、大阪府立なんかでも2回も3回も4回もやっとる訳ですよ。その都度客が入るんだからね。

(I編集長) だからハッキリ言って、まあ、古い話になるけども、力道山あたりは一回呼んだレスラーというのは呼ばなかったですね。もう一度呼んだところで名勝負にはならないし、客も来ないし、銭にならないというのが力道山のプロレス哲学だったですよね。だから、いっぺん呼んだレスラーというのは呼ばなかったですよ。

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(I編集長) しかしね、昭和37年か38年だったかに関西プロレス記者クラブというのがありましてね。そこで年次総会みたいなことをやって、その時に力道山が「次にどんなレスラーを呼んだらいいだろう」と(言った)。当時は、私は駆け出しだったから幹事でもなんでも無かったけどね、ある幹事が「そりゃ、ブラッシーでんがな」。すると力道山が「ブラッシー? ブラッシーは呼んだばっかしじゃねえか」と。幹事記者は、「ブラッシーだったら何回呼んでも客が来る」と言ったんですね。だから、そういったことをあの力道山に進言した記者もすごかったけども、それで力道山は「うーん」と考えてましたよ。2回も3回もトップレスラーを呼んでいいのかと。結局「そうか、じゃあ呼ぼう」ということで、ブラッシーを呼ぶつもりにしとったんですよね。

フレッド・ブラッシー

(I編集長) しかしそれまでに力道山は刺されて亡くなってしまいましたからね、昭和38年の12月15日。だから力道山時代にブラッシーが再度来ることは無かったんだけれども、その後ブラッシーはすぐに来日したでしょ。それであれだけのブームをまた巻き起こしましたからね。だから我々の、我々というか先輩幹事の見方というのはやっぱり確かだったということだね。

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