(c) AEW
■ AEW Dynamite
日時:8月18日(現地時間)
会場:米テキサス州ヒューストン フェルティッタ・センター
ヒューストンはプロレス人口比率の高い都市なんだが、AEWの遠征は今回が初回。つい先日もWWE SmackDownやUFCが15000人収容のTOYOTAセンターを埋めたのに対して、初の巡業地だからと5000人弱しか入らないフェルティッタ・センター(4700人満員発表)にしたんだが、逆にこれが密接度を高めたのかお客さんが最初から出来上がっており、もう終始沸きっぱなしのいわゆる「HOTな観衆」状態に。こうなると、いくらNXTのイリヤ・ドラゴノフvs.ロデリック・ストロングは滅茶滅茶凄かったと専門媒体評やろうが、いわばTVマッチ用スタジオであるCapital Wrestling Centerからの中継である。対してお客さんの熱狂がテレビ画面上からも伝わるDynamiteの方が”メジャー”に見えるというものだ。かくしてヒューストンは大成功、次回に戻ってくる時は大きな会場に格上げであろう。正しい興行のセオリーでもある。
番組はジョン・モクスリー&エディ・キングストンのダチ兄弟ベビーフェイスが、例によって客席から登場なんだが、元EVER-RISEの2.0 w/ダニエル・ガルシアが客席で急襲となるので、公式写真にはなかった。ハンディ・カメラ担いだオペレーターだけ客席に張り付いたのだろう。
そのまま2.0組がオープニングマッチ。例の2001年1月、WCW最終回から20年と半年後に、ついに無料で見られる「テレビ番組にスティング試合」という・・・。まぁ確かにPPV大会ではWWE他でも”試合”はしているけど、お茶の間向き番組には”20年後の久しぶり”になる62歳のスティングが、ダービー・アレンと組んでタッグ戦に登場。
それにしても元気である。テーブル葬されても、スクっと起き上がり胸を叩いてキングコングなのだ。大丈夫なのか?
最後は二人まとめてのダブル・スコーピオン・デスロック。トニー・シェバーニーが「こんなのは初だ!」と叫ぶ。いやはや・・・。
サミー・ゲバラにとってヒューストンが地元になる。ショーン・スピアーズとの一騎打ちは参謀タリー・ブランチャードがオーブリー・エドワーズ女史に退場命じられとお約束の攻防に。サミーの630度回転セントーンまで飛び出してお客さん大興奮になる。
最後はニーパッドを外してのヒザ蹴り連発からGTHなんだが、やはりヒザは危ない。どこかで切れてガチ出血になっていたが、大満足の内容であった。ただ、これでは終わらずにサミー君、フィアンセのパムさんにリング上プロポーズ。ありゃ、NXTでもインディー・ハートウェルの方が跪いてデクスター・ルミスに求婚だったのだが・・・。うがった見方をすれば、団体内部者は否定するも実はお互いに意識しまくりなので、AEWはリアルのカップルの方で対抗したのかもだが、メデタシ、メデタシには違わない。ハートウェルの物語展開が急だったのはRAW-SmackDown召集がかかったからなのだが。
MMA総本山ATT(アメリカン・トップ・チーム)のダン・ランバート会長、もうヒール・プロモが冴えわたり、52歳のおっさんがしゃべる、しゃべる、しゃべる。実はガチのプロレスファンなのが丸わかりと(笑)。予告通り、ブラジルのJDSことジュニオール・ドス・サントスとベラルーシのPit Bullアンドレ・アルロフスキーを投入。AEWに宣戦布告なのであった。
ということでランバードをスプラッシュ・マウンテン葬にしたランス・アーチャーをイーサン・ペイジとスコーピオ・スカイがボコっていた。本誌予告通り、IWGP US王座の移動は触れられていません。牙歯のアルロフスキーはベビーフェイスの方が合ってると思うけどなぁ。
エリートはケニー・オメガがインパクトの王座落としてもグッドブラザースが戴冠なのでベルト・コレクター軍団は変わらず。今宵はヤングバックスvs.ジュラシック・エクスプレスである。
定番内容だがお客さんには大受け。クリスチャンも絡んだ展開はジャングルボーイにBTEトリガーが決まったが、何度でもやって下さいなのだ。
大巨人ポール・ワイトは『ALL OUT』で現役復帰、QTマーシャルと試合すると。まぁQTのお仕事役割ですから(笑)。あと、タズ軍内の仲間割れもまだやってました。
AEW所属になったサンダー・ロサとペネロペ・フォードなんだが、死者の日メイクのロサはメキシコ系なのでテキサスならoverなのは当然なものの、いまいち噛み合ってなかったかも。
番組トリはクリス・ジェリコの試練の5番勝負最終戦、刺客を送り込んできていた大将MJFのお出ましである。♪Judas合唱禁止、ジューダス・エフェクト禁止なんだが、BGMナシでも会場が♪Judasの大合唱でジェリコを迎えることは想定済みのこと。この絵がやりたかったのだ。いやはや壮観な光景である。やや小ぶりの会場だったことも絵的には熱狂のお客さんがうまく撮れていた。
ただ、苦言としては過去の5番勝負のハイライト映像を出すべきだったかも。なにしろ前週、素晴らしい空中姿勢などで印象に残った20歳の新鋭ダンテ・マーティンには、フォローの方が肝心とばかり試合には負けてようがハイライト映像が再紹介されていたのだからなおさらだ。
フィニッシュは、ジェリコが思わずジューダス・エフェクトを出そうとして躊躇った瞬間、掟破りのMJFのジューダス・エフェクトが炸裂して、そのまま痛めているジェリコの腕をフジワラ・アームバーで絞り上げてタップアウトさせるというもの。現地の専門媒体の予想はまた外れたことになるが、本誌拡大版電子書籍ジャーナル定期購読者はニンマリだろう。リアルタイム配信時代、もはや住んでいる場所は関係ない。どこの記者がもっとも正確に読めているか、活字が残っている通りである。
だいたい日本の「試練の〇番勝負」パクりなら、主人公の全敗とかでもいいのだから、ジェリコが全勝はオカシイ。これでイイのであった。
※500円電子書籍e-bookで読む(カード決済ダウンロード即刻、銀行振込対応)
’21年08月26日号スターダム FMW-E ノアZERO1 AEW-Impact-AAA タイヤ六本木 SOD女優