【公開読者コーナー】「現役メジャー・リーガーが参加しなかった野球」に直すべき

▼「現役メジャー・リーガーが参加しなかった野球」に直すべき
 五輪総括記事に物申す by 安威川敏樹 & 編集部回答

’21年08月19日号NXT修正 五輪海外 大阪Stardom2連戦 新日 ドラゲー岡山 昭和レトロ

▼ブロンソン・リードら解雇ビンスNXT改悪通告!?-海外目線五輪他週総括

[ファイトクラブ]ブロンソン・リードら解雇ビンスNXT改悪通告!?-海外目線五輪他週総括

上記記事にクレームが来た。本誌の安威川敏樹からである。

問題個所は
 プロが参加しなかった野球で「侍ジャパン快挙」と言われても、まったく感情移入出来ない。

これに対して
 出場6ヵ国のほとんどの選手がプロです(かつての五輪野球はアマしか参加できませんでしたが、現在ではプロ参加が容認されています)。

 ただし、現役メジャー・リーガーは参加していません(田中マー君など、元メジャー・リーガーは参加しています)。

 書くなら「現役メジャー・リーガーが参加しなかった野球で……」と直すべきではないでしょうか。

記事の担当箇所発言をしたタダシ☆タナカは

 現役メジャー・リーガーがすべてなのであって、そんな一部でプロも参加と言われても・・・

と、修正はしていない。
 誤字脱字は誰のであれ、なんであれ即刻訂正であるが、シュート活字委員会の記事意図は対談内に明記されているように、あくまで「海外目線のTOKYO 2020」分析と総括である。そこからマット界談義に繋げている構成なのだが、すでに五輪話が長くなっており、本件に限らず「もっとマット界の話題のみにせよ!」と文句が出ることもある手前、細かい説明は避けてさらっと言及したに過ぎない。しかし、「侍ジャパン快挙」、「日本代表 悲願の金!」に興奮した方には納得がいかないようで、さらにメールが届いた。

 その論理がよくわからないのですが・・・
 現役メジャー・リーガーしかプロと認めないという思想の人はいるでしょうし、現役メジャー・リーガーが参加していないので感情移入出来ない、ということも判ります。

 しかし、「プロが参加していない」という部分は明らかに事実に反しています。
 日本プロ野球(NPB)は日本だけの野球リーグですが、アメリカでもNPBはプロ野球リーグと認められています。

 だからこそ、NPBとメジャー・リーグ機構(MLB)との間には協定が存在し、選手が両リーグ間を行き来しています(これは韓国プロ野球=KBOも同じです)。

 「一部の国でプロが参加と言われても……」という論理ならば、日本のプロレスラーなんてほとんどアマチュアです。

 NPBのスター選手ともなれば年俸数億円が当たり前で、そんなアマチュア選手なんていません。
 MLBで通算282本塁打というスター選手のアダム・ジョーンズ(現:オリックス、年俸は2年総額8億8千万円)ですら、NPBでは通用していないのが現状です。
 それに、アメリカやドミニカの選手のほとんどがメジャー経験のあるプロ選手です。

 ただ、MLBではリーグ戦を優先させるため、MLB球団は自軍の選手をリリースしませんでした。
 「感情移入できなかった」理由ならば、そこを突くべきでしょう。

 だいたいMLBは、オリンピックなんて眼中にもありません。
 「プロが参加しなかった野球……」を「現役メジャー・リーガーが参加しなかった野球……」に変えるべき、という理由は、そのあたりにもあります。

 そもそも、NPBをプロと認めないのなら、なぜその下に「ソフトボールも日本はプロリーグ……」などと書いているのでしょう?
日本のソフトボール・リーグはプロリーグではありません。その少し上に書いている「実業団セミプロ」というのが正しい表現です。

 MLBしかプロとは認めないというのは個人の勝手ですが、それはあくまでも「個人の感想」であり、現在のオリンピックではプロ選手の参加を容認しているので「プロが参加していない」というのは事実ではありません。

 こんなことを書くと、一部のプロレスヲタクや格闘バカは別にして、普通の読者は「今ではオリンピックは野球でもプロ選手が参加しているのに、そんなことも知らないのか」と思われるのがオチです。

これに対して記事発言者のタナカは
 はい、なんの異論もございません。ただ、上記説明を他媒体にない裏ネタ情報が売りの看板記事に延々と※補足とかで出していたら、また「プロレス格闘技と関係ない話が長い」と、こっちは関係あると思ったから載せているのに、これまたクレームが飛んでくるのではないでしょうか。

 重ねて記事の主旨は「海外目線のTOKYO 2020」である。えてして国内のプロレス格闘技ファンは、贔屓の選手や団体の話題に盲目的になりがちだが、グローバルに全体像を見渡すと週総括の核心は違ってくる。ちょうど五輪期間中に日本のコロナ感染者数が過去最高を皮切りに、マット界に絞ってもお客を入れた全国巡業が始まった米国でのAEW-新日-インパクト-AAAの動向など、注意すべき重大ニュースが満載のお盆期間という、本誌にしかやれない数々の指摘が有料記事ならではの骨子になる。

 また、記述は「個人の感想」というよりは、週刊ファイトには大勢の海外通信員がおり、五輪開始以来大量のメールが届いている以上、それらを集約させて簡潔にマット界の話題に結び付けていく編集作業観点からも、簡易的にまとめさせていただいた。対談記事はそのまま載せると長くなりすぎる嫌いがあるもので、むしろ不要だと随所でカット要約していくものに他ならない。

 日本での熱狂と裏腹に、「プロの参加しない五輪ベースボール」なんか、残念ながら野球の発祥国アメリカではジョーク扱いという事実がある。実際、あえて言及した実業団セミプロのソフトボールが13年ぶりに再び五輪種目となった件なら、海外目線ではOnly in Japanの象徴として面白がられて紹介されていた。日本のチームTOYOTAに招聘されていたモニカ・アボットと、ビックカメラ上野由岐子の物語は、興味深いに違いないことである。

現地一般人会話からTV報道番組まで、どのように称されているか紹介

 アメリカに長く住んだことない方にはなかなか受け入れ難いのだろうが、現地一般人の会話から、テレビ放送で紹介される場合をも含めて、やはり「プロが参加しなかった野球」となるのだ。テクニカルに定義して間違っていると言われても、そもそもが対談記事にして話し言葉のまま構成するのだから、「海外目線のTOKYO 2020」ならばこちらの方が正確にニュアンスを伝えている。
 どんなに日本や参加国の選手に経験者がいようが、「MLB以外のリーグや五輪はまた別モノ」との認識になってしまうのであって・・・。それは最新ニュースとして新日本プロレスのLA大会で、棚橋弘至がUS王座をランス・アーチャーから奪回したと力説されても、マニアは情報としては知っていても、「AEWのテレビ番組で放送されたわけではない」と言われてしまうのと似ている。

(c) AEW

 ケニー・オメガはインパクト・レスリング認定の世界王座ベルトを落としたが、相手はインパクトの選手ではなく現AEW所属のクリスチャン・ケイジであった。次回にAEWと新日が絡む段階になったら、IWGP US王座が移動したことは触れられるだろうが、直ちに番組で紹介されるわけではないのである。もっとも今の新日プロは、後楽園ホール大会から8選手が出れなくなった件の方でそれどころでないのであるが・・・。

新日本8・16後楽園赤ランプ点灯鷹木BUSHI発熱欠場カード変更田口ワト組不戦勝


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