AEW初回Rampageクリスチャン新Impact王者!英国ジェーミー・ヘイター復帰

(c) AEW

■ AEW Rampage
日時:8月13日(現地時間)
会場:米ペンシルベニア州ピッツバーグ ピーターソン・エベンツ・センター


 いよいよAEWの新番組Rampage開始である。これまではAEW-NXT戦争と呼ばれてきたが、これからはAEW-WWE戦争なのだ。いよいよ週間の番組が2つになって、来週には噂の選手も登場となって、さて秋からの視聴率戦争はどうなっていくか。
 トップバッターとなったのが、インパクト・レスリングのダブルタイトル戦である。これが発表された時点で、大人のファンは読めたとは思うが、そんなことはどうでもイイ。クリスチャン・ケイジがケニー・オメガのインパクト認定の世界王座に挑戦、ファンにとっては「凄い試合を魅せてくれ」だけなのだ。そして約束は果たされていく。

 AEWは、なぜか女子をメインイベントにしたと宣伝していたが、それはちょっと違う。現地では地上波FOXが「金曜夜8時」から放送するSmackDownが終了した10時からの放送であって、前者はプライムタイム(日本表記ゴールデン)だが、プロレスファンを3時間釘付けにする作戦となれば、第1試合こそが重要なのである。そして親子二代に渡ってレフェリーを務めるブライアン・ヘフナーが出てきた。世界選手権試合のお膳立ては揃ったのだ。

 この二人なら60分試合だってやれる。しかし、残念ながらRampageが1時間番組で原則3試合構成になるから尺は貰えない。どういうフィニッシュにするのか。ヒール殺法のオメガが急所打ち、すでにちょっかいを出しているドン・キャリスの介入だけでなく、こっそりヤングバックスも出てきてレフェリーの見てないところでパイプ椅子をリングに滑り込ませる。オメガがその椅子の上に叩きつける要領で片翼の天使の体制に。しかし、クリスチャンはくるっと回って逆にオメガをキルスイッチで叩きつけるのだ。考えたな。

 クリスチャンはWWEを出たあと旧名TNAのインパクトに出ていた選手だから、これでいいのである。あちらの番組にも今後出ていくことになる。一方のオメガはベルト・コレクターとして、AAAの王座含めて4冠王だったが、負けた相手はインパクトの選手ではなく現在AEW所属のクリスチャンである。反WWEグループは、あくまでAEWが格上なのだ。なにも落ちなかったのである。


 Rampageの実況解説席は、Dynamiteでは実況がジム・ロスで、解説がエクスカリバーだったが、こちらはどちらかといえばエクスカリバーが実況で、いわゆるカラー・コメンテイターがクリス・ジェリコの役割。タズも入れば、マーク・ヘンリーも座っているが、あまり割り込んではこないようにしていた。ミロのTNT王座防衛戦、フエゴ・デル・ソルにサモアン・ドロップが決まったと実況すれば、ジェリコが「なんだと、あれは(発音上)ボーガリアン(ブルガリアン)ドロップだ」と合いの手を入れるのである。笑える。

 このカード、覆面のフエゴが勝てばAEWと契約できるという条件がついていて、そんな体格も違うのにゲームオーバーが決まるだけなんだが、ここでもヒネってあったのだ。お約束でミロが契約書を破り捨てるんだが、トニー・カーン代表が新たな書類を持ってきて、サミー・ゲバラが頑張ったフエゴに渡して「契約だ」と。Happy Ending考えたなぁ。


 お待ちかね、地元凱旋のDr.ブリット・ベイカーD.M.D.の女子王座戦である。人気はベビーフェイスなんだが、試合は付き人の自称レベルことレバの悪事介入といい、あくまでヒール殺法なのだ。対戦相手のレッド・ヴェルベッドは将来の有望株、イイお仕事をしてくれている。いつもの右手でのロックジョーをやろうとしたブリット先生だが、ギブスを壊され、それならばと回って左手を突っ込んでタップさせた。

 ここで次の挑戦者であろうクリス・スタットランダーがヴェルベッドの救出に来る番組エンディングは、恐らく大人のファンならみんな読めていたんじゃなかろうか。しかし、トニー・カーン代表は、さらなる裏をかいてきたのである。そのクリスを、黒い帽子で金髪の女がどついてきたのだ。
 なんと、ジェイミー・ヘイターである。AEW発足当初の2年弱前、ビー・プレストリーと一緒に出ていた英国選手がピッツバークに来ていたのだ。ブリットには隠し玉の仲間がいたのである。やってくれるじゃないか、このエンディング。もっとも、2019年10月23日のDynamiteでは、悪役ジェイミーがブリットを痛ぶっていたんだが・・・。
 とにかく凄い内容の新番組が始まった。さくらえみも渡米、女子部門も再構築のようで、さらにインパクト・レスリングとの共闘である。WWE包囲網の核心がベールを脱いだ中継となった。


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