「水曜生TV戦争4」AEWケニー・オメガvs.ジョーイ・ジャネイラ再紹介!

photo by Lee South/AEW

■ AEW Dynamite
日時:10月23日(現地時間)
会場:ペンシルバニア州ピッツバーク ピーターソンエベンツセンター

 日本は未だ「にわかラグビー・ファン」現象が続いているのかもだが、米国は「ワールド・シリーズ」が始まったので、プロレス番組の視聴率にどう影響するのかも注目なのであるが・・・。日本の視聴者からしたら同時間裏番組戦争ではなく、FITE TVで先陣を斬ることになるAEWは、先週のペンシルバニア州フィラデルフィアから同じ州内だが反対側のピッツバークへ。

 大まかな計画はかなり先まで企画書は出来ているのだとは思うが、YouTubeのみ配信のAEW DARKの評判が良く、ボストン大会で「この試合がイチバン凄かった」とまで現地レポートのあったケニー・オメガvs.ジョーイ・ジャネイラがTNT局のお茶の間向け番組にも急遽登場することに。オメガが片翼の天使を披露してピンフォール以下、これで4回目の新興プロモーションのお茶の間向けテレビ番組になるが、非常にうまくやっている。過去になんの実績もない、歴史もない運営会社というのを踏まえるなら、大衆向けにデビュー以来、やはり驚異的な成功物語を歩んでいることは強調して足りない。

 まともなタッグ戦線を見せていくというのもAEWの掲げた公約になるが、ルチャ・ブラザースとプライベート・パーティのトーナメント準決勝から番組が開始。後者は黒人組で同じく跳躍力を売りにするWWEのストリート・プロフィッツもRAWで大衆向けにもお披露目されたばかりだから、どっちが目立つことになるのかも楽しみなんであるが、まぁここは順当にルチャ・ブラザースが決勝へ。ただ、どっちが勝った負けたでなく、冒頭から中身の濃い、質の高い試合をきっちり提供しているAEWの掴みは高評価だろう。この名人芸の熱戦で会場もお茶の間も釘付けにしたことは間違いない。

 実際、ピッツバークのお客をどんどん熱中させていき、同トーナメント準決勝になるSCU(ソー・カル・アンセンサード)vs.ダーク・オーダーのカードも続けてマッチメイク。予備知識ナシに見た会場客や、評判を聞いて初めて見たTVの前の視聴者にも、今、なにをやっているのかわからせると。一回戦でヤングバックスを脱落させてしまう星取り進行には論客層からの批判もあったものだが、これで初代タッグ王者を決める決勝戦はある意味順当というか、ルチャ・ブラザースvs.SCUという顔合わせが決まった。

 ちなみにそのヤングバックスは、ベストフレンズとのカードで勝利を収めている。次回はサンタナ&オルティーズのLAXと相まみえるようだ。

 時間割ではまだ1時間目になるのだが、この日の目玉のケニー・オメガvs.ジョーイ・ジャネイラも披露されると。あえて6日寝かせて、現地火曜からのYouTube解禁にするAEW DARKまで見たなら、たっぷり尺を貰ったボストンの方が凄いとか言うのかもだが、こっちは一般向きのテレビ番組なのだから一緒にしてはいけない。また会場客も、一般的な底辺層での知名度ではまだまだのハズだというのに、”this is awesome”合唱になっているのだから感情移入に成功している。ただ、やや気になったのはオメガといえばメキシコAAAでベルトを巻いたばかりなのに、提携している団体なのにベルト姿を披露することも、実況が触れることもしなかった。WWEの方がこれまでの歴史と逆に、ポール・ヘイマン監督の方針だと思うが、「バイキング・レイダースは元IWGPタッグ王者」とかも出すようになっているのに、なにもなかった扱いにしているのが面白い。まぁ、この試合前のタイミングには合わないとの判断なのかもだが・・・。事実、英国女子ジェイミー・ヘイターのTVデビューに際しては、ちゃんと「スターダムに来ている」ことが複数回紹介されてはいた。

 そのオメガの試合あたりからクリス・ジェリコのインナー・サークルが、「チケット買って来た」とばかりに会場のボックス席で野次を飛ばすのだが、次回PPV大会『Full GEAR』での対戦が決まっているCodyのプロモ場面では、当初は「お前と今からでもやってやる!」に対してジェリコが「4対1じゃないか」と毒づくも、兄貴ダスティン、MJF、それにヨガの先生DDPまで出てきて、正規軍も揃ってるとアピール。ついに会場の通路箇所で両陣営が暴れる場面も予告編でやっていた。当然、多数のセキュリティが止めに入るお約束なんだが、ジェリコが「俺はチケット買ったんだ」と半券をカメラに映るようにするのはスキッドとはいえ、ややバカバカしいのかも。まぁいいか。ジェリコさんはピッツバークには来るんだけど、出し惜しみというか、毎週試合をやったりはしないということだろう。

 ピッツバークに故郷凱旋となるのはDr.ブリット・ベイカーD.M.D.となるが、シングル戦の出番を与えられて序盤にガンガン美人をいたぶる悪役で呼ばれたのが前出のジェイミー・ヘイターである。年齢は24歳と実況で言ってたからベイカーより若いのだが、試合数は恐らくヘイターの方が遥かに経験を積んでいるに違いない。会社は本当に歯医者をやっているベイカー博士を売り出しているが、まだまだグリーンなベビーフェイスをちゃんとキャリーして、最後はリアル・マンディブルクローことロックジョーにタップするのがヘイターの役割だ。大変に良いお仕事でした。

 日本とアメリカの違いというか、最後のカードは10分1本勝負とか30分1本勝負とはアナウンスせず、「TV Time Limit」までと事前告知されるのは、リアルタイム生中継が世界配信されているのだからアリかも。ジョン・モクスリーvs.PACなんだが、またPACにダウン役させるのは止めて欲しいとの願いが届くというか、そのTV中継時間終了に伴う引き分け裁定に。約12分のブンブンブンだったが、これでいいのだ。PACは場外にいるMOXに450スプラッシュを決めていたし、ドロー裁定に納得しないMOXはレフェリーにパラダイムシフト(デスライダー)をお見舞いすると。大変良くできました。

 ちなみにAEW DARKには太ったフレディー・マーキュリーのさくらえみも出てきている。「ワタクシはゲイなんです」というメッセージなのだろうか?


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