水曜生TV戦争2回目AEWボストンはダスティン組ジェリコ組メイン!里歩がブレイク中

photo by AEW/Bruno Silveira

 やはり、初回の「水曜生TV戦争」にWWE NXTに視聴率で勝利したのみならず、TNT局としても新規番組のデビューとしては近年で最高の平均視聴者数1,409,000を残したこともあり、士気が上がるAEWの、またも前売り段階でソールドアウトだった第二回Dynamiteのボストン大会。番組中でも、TNTデビューが新規番組の記録を更新したことが強調され、勢いというのはエンタメ興行には重要という再認識がある。
 あと、「もうWWEなんかなんであれ見ない」となっていた、かぶらないファン層を掘り起こしたこともデータから裏付けられており、まだまだプロレス好きの底辺というか、浮遊層はいたんだなぁという再認識が必要だ。マイナーなジャンル扱いの我が国と違い、市民権が確立された米国大衆層でのプロレス人気は凄いことなのだと。

 但し、初回というのはなんであれ数字は大きいものであり、1ヶ月先とか、落ち着いてきた段階でどうなっているかが「水曜生TV戦争」の真価が問われることに違いはないのだが、グローバルにマット界を追うなら第二回Dynamiteも必見回だったことは間違いない。いや、初回よりも内容が良かったのだから大変なことなのだ。現地の辛口媒体は画面を分割しての試合中継を小さい右側画面で流しつつのCM挿入も、本誌は「ピザが食べたくなる」とか、現実にむしろ頭に残るんだから、莫大な放送権料高騰の理由でもある以上、いいんじゃないかと見解を変えたりはしない。


 メインは、兄貴ダスティン組と、番組中で「俺様のおかげでTNTデビューが成功した」とうそぶくクリス・ジェリコ組の激突に。まぁケツはダスティンがジェリコにジューダス・エフェクトでやられることはお約束なんだが、ダスティンの出番と見せ場がちゃんとレイアウトされていて、まだまだやれるなぁと昔から見ているファンを納得させたのかも。そこからは、やはり前回に続いてまだまだAEWルースターの紹介というのか、弟Codyが背広姿で出てくるは、番組オープニングのタッグトーナメントで、「番狂わせ!」という実況になっていた負けたヤングバックスもダブルキックするは、当然ながらLAXを加えたヒールのジェリコ軍「ザ・インナーサークル」の重鎮扱いに昇格したジェック・ヘイガー(スワガー)も、試合中からちょっかい出すはと盛りだくさんに。「この選手も、あの選手もAEWはいるんです」という、大衆向けの顔見世が試合後も続くという番組構成になった。
 ただ、プロレスは演劇ではない。お客がどう反応するかはガチンコ勝負なのであって、ちゃんと作る側の期待通りに”AEW”、”AEW”との会場が合唱に帰結するんだから、狙い通りにデザインできているとの高評価は記し残す必要があろう。次回に対決するダービー・アレンがジェリコを襲う絵があって「来週もお楽しみに」となった。

■ AEW Dynamite
日時:10月9日(現地時間)
会場:米国マサチューセッツ州ボストン ボストン大学アガニス・アリーナ


 AEWはタッグ戦線も充実というのが売りなんだが、番組冒頭は前出「タッグトーナメント一回戦」から。優勝候補のヤングバックスを丸め込んだプライベート・パーティ、これはNXTのストリート・プロフィッツのライバル組というか、こっちも跳躍力がもの凄い。高くジャンプできるというのは、リング・スポーツを大会場の天井桟敷席から見た場合、強く印象に残るものである。テレビの画面スイッチングも、ちゃんとそれを抜群のアングルから押さえており、素人ディレクターが作っている場合が少なくない日本のプロレス番組作りとの差異を感じた。


 番組の2試合目は「AEW世界王座挑戦者決定戦」ということでダービー・アレンvs.ジミー・ハヴォックになる。ペイント顔のアレンが来週ジェリコの王座に挑戦となった。


 続いては日本のファンにはお待ちかね。さっそく目玉の女子カードを投入して、チャンネルを変えさせない。さくらえみが太ったフレディー・マーキュリー衣装なのが大笑いなんだが、ちゃんと試合中の♪We will Rock You手拍子にお客さんが合わせていた。スターダムとダブル所属のビー・プリーストリーと組んで、ベビーフェイス組の里歩&Dr.ブリット・ベイカー組とやりあうタッグ戦である。日本の専門媒体目線ではいつもの展開でしかなく、プリーストリーは負傷のままなのかあまり絡まない。正直、良い試合とは評せなかったのだが・・・。
 次週、里歩の女子王座に挑戦する実人生で歯医者のブリット・ベイカーが、さくらの口に手を突っ込んでタップさせるだけでなく、「これがリアル・マンディブルクローだぁ~!」と実況席トニー・シェバー二が叫ぶのが死ぬほど笑えた。WWEのPPV大会『ヘル・イン・ザ・セル』の不評とか、すべてがリアルタイムで業界が動いているのだ。
 それにしても里歩は登場の時から”RIHO”、”RIHO”と大声援に。受けてるなぁ。前週も、里歩のセグメントの視聴率がハネ上がったそうで、WWEはカブキ・ウォリアーズをヒールにしてしまって、起用法が間違っているとすら叩かれているのだが、AEWはサミー・ゲバラを持ち出すまでもなく、うまくこれまで知られてなかった選手をoverさせている。団体が美人戦士として売ろうとしているのはブリット・ベイカーであり、敵役のビー・プリーストリーと試合後もやりあっているんだが、お客さんは里歩ちゃんをアイドル視しているのであった。重ねてプロレスは演劇ではない。


 当然ながらジョン・モスクリーも出てくる。画面にはMOXということで、タリー・ブランチャードを帯同してきたショーン・スピアーズにデスライダーを決めるのだが、そこにケニー・オメガが有刺鉄線を巻いたバットとホウキを持ってあらわれ、バットの方をMOXに渡してにらみ合うのだが、試合ではほとんどなにもしゃべらないまま実況席でヘッドセットをつけていたPACが背後から登場して、パイプ椅子でケニーの頭を叩いたように見えたんだが・・・。ドラゴンゲートの王者だった期間、試合が発表されながら流れていたのだが、いよいよPAC対オメガ戦も近いということだろう。


 ちなみに、本誌10月10日号の表紙はオメガがOne ChampionshipのTシャツ姿だったが、単なるたまたまではなく、ちゃんとTNTでも2時間番組が放送される10・13『ONE:Century』(米国では土曜夜東部時間11時から)との提携の意味があったことが確認されている。


 メインは、前回強烈な印象を残したカッコいい「スパニッシュ・ゴッド!」とクリス・ジェリコに紹介されたサミー・ゲバラと組んで、すでにコンビネーションが抜群のハングマン・ペイジ&ダスティン・ローズ(日本では未だローデス表記なのか?)組と対決するタッグ戦だ。ダスティンがまだまだやれることを示し、最後はMJFがスーツ姿で乱入して、一瞬Codyをイスで叩くふりをして、やはりジェリコを痛めつけると。これでMJFは当面は正規軍ということだ。
 あれもこれもなのでごちゃごちゃ過ぎた嫌いは残るが、試合内容勝負ではNXTに負けたとされるAEWが、今週は中身の質も充実させてきたようでもある。

 ちなみに現地通信員からのレポートでは、番組終了後のダークマッチになったケニー・オメガvs.ジョーイ・ジャネイラがベストマッチだったそうで、ボストンの会場客は大満足だったそうだ。この模様は6日後にYouTubeのAEW DARKで配信される。


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