[ファイトクラブ]キングダムエルガイツ20周年記念大会が実践したお客さん満足興行

[週刊ファイト10月17号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼キングダムエルガイツ20周年記念大会が実践したお客さん満足興行
 photo & text by タダシ☆タナカ
・ボーナストラック:早稲田大学在学中52歳プロレスラーのガチンコ勝負
・お客との真剣勝負に勝ちサバイバル飛田に手を挙げられたケン・片谷
・超人イリエマン激白:RIZIN参戦のため王国エルガイツ代表を辞任する
・感動の杉田拓也引退試合!新井丈がバンタム級ナックルファイト戴冠
・壮絶に散った最後の拳に会場が大きく揺れて10カウントゴングが鳴る
・ほろ苦い結末に!内田ノボルのMMAルール初挑戦試合1R後に白旗
・キングダム加藤惇らTeamDATE対抗戦結果こそ2-1も大接戦白熱!
・独自のタイヤファイトはムービー・スターが日本一!「次は東洋、世界」
・令和の虎出演問題児ボクサー菅野雄大が瀧川翎に惨殺される試練も
・キングダムネットワーク選手入場式と円陣気合!~リングガール紹介
・休憩中サバイバル飛田が超人NHKをぶっ壊したボーナストラック爆笑
・有刺鉄線ボードMMAリアルファイト?裏MVP安藤信也もU魂継承者!
・縁の下!レフェリーたけむら光一~あきらめない王国魂・木村プロ現役
・大会総括


 興行というのは、一般に考えられている概念と違い、なんであれ、どこであれ驚くほど一見さんの割合が高いものだ。大御所ローリング・ストーンズは、さすがミック・ジャガーがビジネスマンだから、「熱心なマニアは1割で、9割は初めてストーンズを生で見る客」とまで冷静に分析してみせている。「ついに生でもストーンズを見た!」というお客さんの方が圧倒的多数派であり、ツアーするグレイテストヒット・バンドでいいんだと。

 近年、特に格闘技大会が5時間に及ぶことになるのは珍しくないのだが、友人に連れられて試しに来てみたお客は、次からは来てくれないと本誌は一貫して指摘してきた。また、そんな誘われて試しに覗いてみたお客にとって、メジャーもインディーもないわけで、大手の興行でも前座なんか誰も選手を知らないから、特に寝技系の大会だと退屈に思われてしまうリスクが高いのだ。 
 しかるにキングダムエルガイツの20周年記念大会であるが、飽きさせない、退屈させないという点では、格闘技に詳しくないお客さんには大手の大箱興行より面白かった、満足度が高かったのではなかろうか。なにしろ、ガチンコ試合なのに有刺鉄線ボードが持ち込まれたカードがあるかと思えば、休憩時間にはサバイバル飛田が笑かしてくれる。選手を知らないで見ることになった方にも感動の引退試合は内容白熱の名勝負だったし、3対3対抗戦にお客さんはヒートアップするものである。ましてボーナストラック扱いながら、なにかと世間をお騒がせの超人イリエマンが登場。奇想天外な設定でガチンコ戦なんだから、高見の見物客までも大興奮なのであった。

▼総括 
https://youtu.be/i4t-bttO57U 

▼台風にイリエマンで完全包囲 RIZINに襲撃 
https://youtu.be/80Mxy3aokms 

ボーナストラック:早稲田大学在学中52歳プロレスラーのガチンコ勝負

■ ―キングダムエルガイツ生誕20周年記念大会―
~FOREVER OF KINGDOM~ 
日時:10月6日(日) オープニングバウトは15:00~                    
会場:北沢タウンホール

<ダークマッチ キングダム20周年記念特別試合 世界1過激なルール ヒジ・頭突き・金的有りエルガイツルールレベル4>
○超人イリエマン(キングダムエルガイツ/煽り運転撲滅協会) 
 3分05秒 チョークスリーパー(場外奥なので大半のお客さんには見えなかったがリアルファイト)
●片谷健(ケン・片谷/CMAプロレスリング)

 なにしろ、超人イリエマンが道場で強いことは業界では知る人ぞ知るなのだ。普通のMMA戦という体裁では面白くない。ダークマッチ扱いでのボーナストラックにして、杉田拓也引退試合という目玉のメインが終わったあと、リングからロープが外されていく。しかも、ロープがないというだけなら、柔道や空手の競技会だって同じで見やすいという観点なら珍しくもないが、なんと場外決着もOK, 会場全部を使うというのだから異例の形式としか形容しようがない。

 もともとU系の大仁田厚とも称され、キングダムでビリー・スコットにルタ式変形固めで勝利する(2000年9月8日)とリングで泣き出すという、涙を持ち出す泣き顔でもキャラが立つ超人イリエマンである。また、プロ・デビューがキングダムエルガイツだったケン・片谷は、今回は原点回帰ということで「片谷健」として出場。52歳にして早稲田大学在学中という異色のプロレスラーであり、どんな試合になるのか見当もつかなかったのだが・・・。
 なんと、最初に場外に誘い出したのはイリエマンの方。場外での攻防があったかと思うと、再びリングに戻ってとなった場面では、負けじと片谷が場外に行かせようと足を引っ張るが安易に落ちないと。猪木アリ状態では、むしろ片谷の方がアリになってしまうのだった。そして・・・

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