サイコ・クラウン因縁対決レイ・エスコルピオン髪切り!リック・フレアー&アンドラーデAAAトリプレマニア29

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 8月14日(現地時間)にメキシコ合衆国メキシコシティでAAA『トリプレマニア29』が開催された。
 メキシコの二大ルチャリブレ団体のひとつAAA。1992年、CMLL(当時の団体名はEMLL)のブッカーを務めていたアントニオ・ペーニャが独立し、メキシコシティに設立して旗揚げ戦を開催した。アメリカンプロレスを意識したエンターテイメント性の強いプロレスを推し進めてメキシコを基盤に南米やアメリカへの人気を獲得していく。

 今大会はAAA年間最大大会であり、メインでは長年抗争を続けているサイコ・クラウンとレイ・エスコルピオンが究極の決着戦、敗者、覆面剥ぎ、髪切りマッチが組まれた。AAAテクニコの絶対エースであるサイコに対し、ルードとして攻撃をし続けたエスコルピオン。サイコは父ブラソ・デ・プラタを亡くしており、Tシャツは追悼が込められているデザインだ。そんな伏線も加えて最終決着をつけることになった。
 試合は凶器が入り乱れる激戦となり、エスコルピオンのピンチにサモアノ、タウルス、イエドラが乱入。しかしサイコは多人数を相手に奮闘。最後はウラカラナで丸めこんでサイコがフォール勝ちする。試合後、エスコルピオンは素直にサイコを讃えて髪を刈られた。サイコもエスコルピオンを讃え、長年、大抗争を続けてきた両者がお互いを認め合うという展開となったのだ。


 セミファイナルではAAA最高峰王座であるAAAメガ王者ケニー・オメガにアンドラーデが挑戦した。述べるまでもなくAEWの新番組Rampageが終了次第、一向は慌ててピッツバーグから南下している。メキシコから見て外人であるカナダ人であり他団体AEW所属のオメガに奪われた最高峰王座をメキシコに奪い返すべく、WWEを離脱してメキシコに舞い戻ったアンドラーデが出陣。オメガにはコナンがセコンドにつき、アンドラーデには、なんとリック・フレアーがセコンドにつくというサプライズが起こった。内縁の妻であるシャーロットことアシュリーなので、かねがねアンドラーデは「ファミリー全員をAEWに集結させる」と広言していたが、WWEに辞表を出していたフレアー御大のAEW登場は秒読み段階となった。

 フレアーは試合に介入するコナンを抑え、オメガにチョップ。そしてコナンに必殺の足4の字固めを極めるなど見せ場を作った。しかし、試合はコナンがレフェリーの注意をそらしている間にオメガがベルトでアンドラーデを攻撃。そして必殺の片翼の天使でアンドラーデをベルトに叩きつけてフォール勝ち。オメガが反則攻撃でフォールを奪い王座防衛を果たしている。
 但し、AAAの米国での放送権を持つルチャ・アンダーグラウンドが現在AAAに対して訴訟を起こしており、公式には『AAAトリプレマニア29』は米国内で配信系含めて一切放送されていない。だからフレアーがなにをやろうが治外法権だったという事情通の分析もあるが、別の情報筋からはフレアーとAEWの契約は完了、あとは米国内での放送に関して弁護士の判断待ちなのだという。


 一方、女子王座選手権はダブル王座戦となり、大方の予想通りディオナ・プラッソがファビー・アパッチェを下して2本のベルトを掲げている。

 またAAAへの侵略軍ラ・エンプレサ(プーマ・キング、サム・アドニス、ディアマンテ・アスール)に対してAAA選抜チーム(パガノ、マーダー・クラウン、チェスマン)が対戦。しかしパガノとチェスマンはテクニコとルードで抗争中であり、チームワークが心配される。そして試合ではやはりパガノとチェスマンが仲間割れを起こしてラ・エンプレサが勝利してしまった。


 さらにバーダル杯でイグアナが優勝したのだが、試合終了後、なんとCMLLを離脱した新生ダイナマイト兄弟がリングに上がったのだった。新生ダイナマイト兄弟はイグアナを攻撃し担架送り。これに対しAAA側としてポデル・デル・ノルテが迎撃に出てくるも、今度はラ・エンプレサも現れて新生ダイナマイト兄弟と合体。元CMLL勢が手を組んでAAA制圧をアピールした。
 CMLLは現存継続する最古のプロレス団体と評されるも、放送権料でなく興行収益に頼った昔ながらの運営であり、コロナ禍でもっとも深刻に打撃を受けたとされ、トップ選手への給料保証もなかったことから離脱があとを絶たない。ダイナマイト兄弟の離脱はトドメの一撃だったとされている。提携する新日本プロレスの出方が注目されよう。

■ AAA トリプレマニア29
日時:2021年8月14日(現地時間)
会場:メキシコ合衆国メキシコシティ

<マスカラ・コントラ・カベジェラ>
○サイコ・クラウン
 ピンフォール
●レイ・エスコルピオン

<AAAメガ王座タイトルマッチ>
○ケニー・オメガ(王者)
 ピンフォール
●アンドラーデ(挑戦者)

<6人タッグマッチ>
○ラ・エンプレサ(プーマ・キング、サム・アドニス、ディアマンテ・アスール)
 ピンフォール
●AAA選抜チーム(パガノ、マーダー・クラウン、チェスマン)

<AAAタッグ王座タイトル3WAYマッチ>
○フェニックス、ペンタゴンJr.(王者)
 ピンフォール
●イホ・デル・ビキンゴ、ラレドキッド(挑戦者)
タウルス、ブライアン・ケイジ(挑戦者)

<王者対王者>
○ディオナ・プラッソ(インパクト女子王者)
 ジャベ
●ファビー・アパッチェ(AAA女子王者)

<トリプレマニア29バーダル杯>
勝者:ミステル・イグアナ


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