AEWサミー・ゲバラMJF次世代コロナ禍15ヶ月デイリーズプレイス最後

(c) AEW

■ AEW Dynamite
日時:6月30日(現地時間)
会場:米フロリダ州ジャクソンビル デイリーズプレイス


 来週からAEWはいよいよツアー再開。ということで、パンデミックにより15ヶ月間も本拠地デイリーズプレイスを番組Dynamiteの収録会場として使ってきたが、いよいよ今回が最後のジャクソンビル発中継となる。実況も度々そのことに触れるんだが、奇しくもこの日はクリス・ジェリコの新しい本の発売日。ウルティモ・ドラゴン浅井校長も同じことをやっているのを見せてもらったことがあるが、自身の全試合の参戦した日付、会場、対戦カード、反省メモをずっとノートに付けてきたタイプであり、『完全リスト』と題してケーフェイなしの内容を公開するという。つまり、「アイツがミスった」、「俺が台無しにしてしまった」とかも活字になっているんだそうだ。

 ということで、今宵はジェリコが実況席に加わっての仕様に。まずはペンタゴン&エディ・キングストンに、ヤングバックスというマッチメイクから。ヒール軍の付人(笑)ブライアン・コトラーのスプレー攻撃が誤爆とか、ベビーフェイス軍で”エリート・キラー”と化したフランキー・ガザリアンの介入など、いつもの多人数が絡むAEWのタッグ戦である。ペンタのパッケージドライバーとキングストンの裏拳がマットに炸裂というフィニッシュだった。目まぐるしいスピード展開で、番組の掴みはバッチリなのだ。


 てっきり今週がイーサン・ペイジとダービー・アレンの棺桶マッチだと思っていたんだが、記者が聞き間違えたのか、例によって予定がクルクル変わってるだけなのか。

 するとそこに、6年ぶりに『Double or Nothing』で試合してガチで動けなくなったらしい62歳スティングさんが、まるでジャンゴのように棺桶を引きずって、しばしのお休みを貰っていたあとで花道に復帰登場。出てきたのは・・・当然フェイスペイントが半分骸骨のアレン君である。

 ところがそこで試合が始まったかのようになったから、またまた記者は混乱してしまう。トニー・シェバーニーに対するペイジのインタビュー内容は、「なぜに俺が棺桶マッチを選んだかと言うと・・・」というもので、「そういうのは前週にやれよ」と思った矢先だったからだ。
 ただ、結局はやはり次のFYTER FESでこのカードが組まれるようで、ペイジ自身は「もう棺桶マッチなんかやらない」と言ってたんだが・・・。なんかよくわからないままなんだが、それにしても凄かったのはペイジへのブーイングの音量だ。客を入れてると、こうもWWEと光景が違って見えるものなのかと。また、アレンを”銀ちゃんの階段落ち”にしたペイジのヒール人気というか、ヒートを買っている現場を目の当たりにできた収穫はある。


 特番Dynamite Saturday Nightでケニー・オメガに負けて次世代スター誕生を印象付けたジャングルボーイが、ここでジャック・エバンスにスネアトラップを決めるのはお約束。
 試合後いちゃもんをつけにきたマット・ハーディをクリスチャン・ケイジが懲らしめたり、憎々しく「ジャングルボーイに勝ったんだから、もう挑戦者は誰もいない」とウソぶくケニー・オメガに、ダークオーダー軍のイーヴィル・ウノが「俺がいる」と出てくるんだが、「格が違う」と・・・そんなスキットが続きます。客はもちろん”ハングマン”合唱と、ハングマンペイジを期待しているのだが。


 ますます体型がゴリラ化しているミロのTNT王座に挑戦の名乗りを上げたのはブライアン・ピルマンjrだ。どんどん親父に似てきて上手くなっているピルマン、なかなか良かったのである。柵を超えてコンクリートで投げたりと、ハードヒットのド迫力試合を披露してくれた。


 さて、問題のビッキー・ゲレロ&ナイラ・ローズvs.Dr.ブリット・ベイカーD.M.D&自称レベルのレバ戦である。ビッキーおばさんが試合すると発表あった時から、本誌は明瞭に「止めてくれ」と書き残していたんだが、恐れていたことが現実に。

 試合自体はベイカーのロックジョーが決まってビッキーがタップするも、収まりのつかないローズがベイカーをテーブル葬にするという前哨戦として普通のフィニッシュだったんだが、レバがケガして病院送りだったそうだ。やっぱりこういうカードはどこかで事故を起こしてしまう。
 ちなみに今週のNXT-AEW戦争、ザイア・リーのハイキックにメルセデス・マルティネスがKOされるカードがあったんだが、今になって判明したことによるとガチの失神だったようでメルセデスも病院送り。画面に担架や救急車が出てくる場合はお芝居だが、やはりあのレフェリーのうろたえはリアルだったのだ。競争は結構なことだが、こんなところでの競演は困ったことである。


 試合トリが、サミー・ゲバラvs. MJFである。いや、まだ20代の二人がメインって、もの凄いことなのだ。道理で、WWEがどうやらNXTのブロンソン・リードをメインルースター投入で急がせたようなのも頷ける。こういう競争はどんどんやってくれなのだ。若手を登用しないと未来なんかない。

 期待にたがわぬ攻防を魅せてくれた二人、ここは金網から落とされた師匠ジェリコの仇をサミーが取るのかと思いきや、ショーン・スピアーズがレフェリーの死角の隙にパイプ椅子でガツンとやった介入があったにせよ、MJFがフォールして勝利というのも捻ってあって良かった。インナーサークルとピナクルの抗争は、まだまだ続いていくのであった。

 番組の最後は、パンデミック期間のデイリーズプレイスの思い出の数々をハイライトで流す心憎い演出に。ずっと見てきたファンは、涙したかも知れない。いよいよ米国は、コロナの終焉を迎えたのである。この感動のフィナーレ、水曜夜に戻ったこともあるので前週比とかは無意味になるのだが、平均視聴者数は883,000を数えている。


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