SmackDown地上波HIAC帝国-謎面!中佐アジーズ試合-King中邑真輔

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 現地では前日、あるいは当日の朝から盛んにSNSで告知されていたとはいえ、現地日曜のPPV大会『ヘル・イン・ア・セル』=HIACで予定されていた金網でのレイ・ミステリオのローマン・レインズのユニバーサル王座に挑戦するカードが、急遽、米国では地上波FOXで「金曜夜8時」に放送されるSmackDownで行われることに。なんでも「ネットワークでHIACがLIVE中継で放送されるのは初!」とのこと。なにしろ現在のWWEの収益構造は、なんといってもテレビ局からの巨額放送権料なのだが、PPV大会は購入者件数の成功、失敗が問われない、ピーコック配信(日本など海外はWWEネットワーク)となった以上、いずれはこうなると目されていたにせよ、ついに新時代がわかりやすい形で提示されたことになる。


 試合はコマンダー・アジーズの正式な初試合ということで、当然アポロ・クルーズと組んで、ケビン・オーエンズ&ビッグE組とのタッグ戦。当然ながらサミ・ゼインが実況席に付いて陰謀論を唱える。

 ケツは普通にアジーズの東洋の神秘ナイジェリアン・ネイルにオーエンズが沈むんだが、実況席のゼインが大喜びではしゃぐから、KOはあとのバックステージ場面で役員組に詰め寄り、『ヘル・イン・ア・セル』大会でゼインと一騎打ちに。なるほど、ミステリオの試合が消えたので、新たなカード挿入ということのようだ。


 さて、日本の視聴者にはお待ちかね。こちらは前週からの発表通りの中邑真輔とバロン・コービンの王冠争奪戦には、再びジューダス・プリースト印のヘッドをあしらえたフライングVが♪Rising Sunを鳴り響きかせて、世界のメタルヘッドが歓喜にむせび泣くのである。


 ビアンカ・ブレアとベイリーの前哨戦というかマイク合戦と乱闘は・・・はい、サンダードームのモニターが2週前の全部高笑いに続いて、今度は髪の毛がアインシュタインになってるベイリーがベルトを掲げる絵になります。


 そして番組トリは、尺もたっぷり取っての地上波ネットワーク初のLIVE中継となる、金網HIAC戦になるのであった。

■ WWE SmackDown
日時:6月18日(現地時間)
会場:米フロリダ州タンパ サンダードーム(イングリング・センター)

◆中邑真輔がキング・コービンとの王冠争奪戦を制す「俺がWWEのキングだ」

 “キング・オブ・ストロングスタイル”中邑真輔(withリック・ブーグス)が対戦したキング・コービンをキンシャサで仕留めて王冠争奪戦を制した。序盤、中邑はスライディング・ジャーマン・スープレックスやスライディング・ニーで攻め込むと王冠奪還を狙うコービンもディープシックスやジャーマン・スープレックスを放って白熱の攻防を展開。

 終盤には中邑がキンシャサを狙うもコービンの強烈なクローズラインを食らってダメージを負ったが、延髄切りや2ndロープからのダイビング・ニー2発を放つと最後は渾身のキンシャサをコービンに叩き込んで王冠争奪戦を制した。

 試合後、中邑はステージに用意された王座で王冠をかぶると「俺がWWEのキングだ」と叫び、さらにバックステージのインタビューでは「初めから俺がキングだ。俺がこの王冠に新たな価値を与えたんだ」と答えた。

◆ローマン・レインズがレイ・ミステリオ相手のHIAC戦で王座防衛

 王者ローマン・レインズとレイ・ミステリオのユニバーサル王座HIAC戦がミステリオの要望によりPPV「ヘル・イン・ア・セル」を待たずにスマックダウンで行われると、死闘の末にレインズがミステリオからギロチンでタップ勝ちを収めて王座防衛に成功した。息子の仕返しを狙うミステリオがオープニングに登場すると「もう待てない。今日、HIACで対戦だ」とPPV「ヘル・イン・ア・セル」で行われる予定だった試合をスマックダウンで要求した。

 これに応じたレインズがメイン戦で対戦するとミステリオのパイプ椅子や消火器攻撃で序盤から劣勢となってしまう。さらにレインズが放ったスピアーがテーブルに誤爆すると619やフロッグスプラッシュ2発を食らって防戦となったが、最後は捕まえたミステリオをリングから場外に放り投げて金網に叩きつけると、ギロチンでミステリオを捕まえてタップ勝ち。レインズがミステリオを返り討ちにして王座防衛に成功した。

 試合後、レインズはベルトを掲げて王座防衛を誇ると再び倒れていたミステリオをギロチンで沈めてトドメを刺した。


■ WWE 205 LIVE
日時:6月18日(録画番組 現地配信開始時間)
会場:米フロリダ州オーランド Capital Wrestling Center


 現地火曜NXTのLIVE中継の際に一緒に収録されたと思われ、お客さんを入れた状態でのパンデミック以降としては初の205 LIVEに。大型新人のプッシュ扱いされているグレイソン・ウェラーは、シン・ブラザースのスニル・シンをケガさせてガチ病院送りのデビューだったのだが、彼に落ち度はないとの判断で、オーストラリア出身のアッシャー・ヘイルをスターナー連発からのカーブ・ストンプでフォールする好試合から。

 アッシャーはやたらリーンな身体つきだと思っていたら、解説ナイジェル・マクギネスによるとMMAからの転向だそうで、グラウンドの攻防も見ごたえアリ。それにしても日本時間土曜のWWE、SmackDownは興奮したら実況席の台に上がって踊りながら叫ぶ元NFLのスーパースター、パット・マカフィーが笑えるし、205 LIVEはマクギネスの博識解説が心地よい。3時間のRAWだと、お仕事評価のために画面は凝視しても、自然と手がリモコンの音声ボタンをCDに替えていて、買ったのにまだ聴けてない音楽にしてしまうのは本誌だけではないと思う。


 そしてイケメン二郎である。職人トニー・ニースは使う技とか組み立てがもとから結構似ている。ここの現場監督Bookerはスコティ2ホッティことスコット・ガーランドである。

 お前がジャケットを使ったパンチ攻撃するなら、俺もとばかり、ジャージーを持ち出して同じパンチとか、構成が練ってあって面白かった。NXTがUSAネットワークで放送される2時間番組となった現在、さらにコアなユニバース向きの205 LIVEとなるが、当然ながらレスリングの質を売りにして存在意義を維持していることになろう。

◆イケメン二郎が元クルーザー級王者トニー・ニース撃破「夢を叶えに来たんだよ!見てろよ」

 イケメン二郎が205 Liveで対戦した元クルーザー級王者トニー・ニースにイケメンスラッシュを叩き込んで勝利を収めた。ひまわり柄ジャケットで登場した二郎はジャケット掌底で攻め込むと、ニースは馬鹿にするかのように上着を着た掌底を放って反撃した。さらに二郎はスピニング・ヒールキックやアトミックドロップ、スワントーンボムと連続攻撃を決めるとニースもフランケンシュタイナーやスーパーキックで応戦して白熱の攻防を展開したが、最後は二郎がスーパーキックから豪快なイケメンスラッシュをニースの顔面に叩き込んで勝利を収めた。

 試合後、元クルーザー級王者ニースを撃破した二郎は「夢を叶えに来たんだよ! 見てろよ」と息巻くと自身のツイッターでは「なんて幸せな日だ! 俺は元クルーザー級王者トニー・ニースに勝ったぞ! まだ興奮が止まらない。次の試合が待ちきれない!」と英語で投稿した。


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