NXT飛翔MSK巧ブリザンゴ-女子ラケルG、KUSHIDA2-1サントス防衛

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 オープニングはキャリオン・クロスとスカーレット様のお出ましから。小さく狭いCapital Wrestling Centerとはいえ、カメラ正面に大きなスクリーンを導入したことで印象は違って見えるものだ。オースチン・セオリーがやられ役なのは誰もがわかっていることで、どのように派手にやられるかどうか。

 そして期待以上に面白かったのだから誉めるしかない。最後は武士道刺青のプエルトリカンが締め落としの勝利。リングにはフィン・ベイラーが立っていて、2週間後のNXT王座戦が発表された。


 左端写真はタイラー・ブリーズとウェス・リーのキックが交差した瞬間だが、ウェスが痛がっていたのはセールではなくガチだろう。それにしても現タッグ王者MSKとベテラン組ブリザンゴのカードもスイングして非常に良い。

 公式写真にこそ省かれているが、レフェリーまで調子に乗って身体を飛び越えたりするspot(リープフロッグ)を含み、恐らくは若手組が提案した展開をベテラン組も了承したんだから、これが進化した今のタッグ試合なのである。日本のチンタラした古い様式のタッグ対決を見たあとでこれを見ると、大きな差がついているんじゃないかと思うのは本誌だけではないはずだ。

 最後はハート・アタックとブロックバスターの合体技(トランスミッション)でナッシュ・カーターが参謀ブリーズさんをフォールした。ダウンの時は必ずタイラーが寝るのだ。偉い!
 GYVとか、自由に意見交換して試合作れる同士でなく、ベテラン組相手にこれだけ魅せれたことでMSKが現タッグ王者であることの起用正解が証明されたことになる。世界のマット界でのタッグ部門を見渡しても、これだけクリエイティブな動きが出来るチームはない。


 先にウィリアム・リーガルGMの執事室にて、「俺を出せ」と直談判するリオン・ラフ君に、「お前は前週負けて、しかもメディカルのクリアーが出てない」と怒るリーガル師匠のスキットが伏線で仕込んであるのだが、ピート・ダンの対戦相手が当日熱が出たそうで「誰の挑戦でも・・・」とやっている最中に、いきなり勝手にリオン・ラフが後ろからド突いてきて、ロジック的にはオカシイんだがそのまま試合に。

 えてしてこういう急遽のカードが白熱になったりするものなのだが、やられ役なのはお約束にせよ、リオン・ラフが激しくがんばって散るのである。フィニッシュはリオン君の頭をレッグロックで固定してピートがエルボーでタコ殴りという残忍なものでのレフェリーストップだ。例によって指パッチンもやられていたんだが、面白かったかと。


 目玉の一つNXT女子王座戦。ラケル・ゴンザレスは大女だが、メルセデス・マルティネスも大柄ではあり、お互いハードヒットするバチバチ内容に。

 マルティネスが3度はゴンザレスの顔面にヒザをぶち込んでいたが、最後は必殺のパワーボム式チョークスラムで叩きつけてのラケルの王座防衛だった。


 先週段階ではちらっと顔見世だったが、アイゼア”SWERVE”スコットの新ユニットは黒人4人の”Hit Row”だと正式に紹介。ヒップポップのグループということなのか・・・。明らかに全員アスリートのようで、埋もれていた選手たちなんだろう。


 映像スキット挿入なので公式写真にはないんだが、なんかプール付きの豪邸のオークションが200万ドルから始まって、キャメロン・グライムスが調子に乗っているんだが、最後は元祖ミリオンダラーマン、テッド・デビアスが2000万ドルでかっさらうという・・・。


 来週はゾーイ・スタークvs.トニー・ストームの再戦あります。


 キャラが”クール”になったカイル・オライリーと、相棒のケガでシングル戦登場のオニー・ローカンには、当然にピート・ダンが絡んできます。

 となれば、久しぶりに出てきたのはボビー・フィッシュだ。今のところ今回は救出での登場だが、カイルの仲間なのかはまだ不明みたいな扱いだったが、色々面白くなってきた。カイルの試合フィニッシュはフライング・ニードロップだった。


 番組トリがKUSHIDAとサントス・エスコバのクルーザー級王座戦だ。しかも、3本勝負というのが考えてある。エスコバには当然にファンタズモ軍がついているんだが、いきなり画面に映ってないところからMSKが飛び込んできてラウル・メンドーサー&ヨアキム・ワイルドを追い払うことで、二人にじっくりやらせるというお膳立ても出来上がった。なにしろMSKushidaなのである

 そして尺も貰ったメインイベントに相応しい、真正の国際戦がNXTのリングで闘われていく。

■ WWE NXT
日時:5月11日(現地時間)
会場:米フロリダ州オーランド Capital Wrestling Center

◆王者キャリオン・クロスと前王者フィン・ベイラーの王座戦リマッチ決定

 因縁が勃発した王者クロス(with スカーレット)とオースチン・セオリー(with ジョニー・ガルガノ)がノンタイトル戦で激突するとクロスが強烈なビックブーツやクローズラインをセオリーに叩き込んで圧倒。一時、セコンドのガルガノが介入した隙にクロスがセオリーのサミング攻撃やDDTを食らってピンチとなるも、最後はクロスがドゥームズデイ・サイトー2連打やフォアアーム連打からクロスジャケットでセオリーを沈めてレフェリーストップとなった。

 試合後、王者クロスの前に前王者ベイラーが現れると「俺は順番を待たないぞ。リマッチさせろ」と睨みつけながら王座戦を要求。クロスも「望むところだ」とその要求を受諾して2人の王座戦リマッチが2週間後のNXTで行われることが決定した。

◆KUSHIDAが因縁の前王者エスコバとの3本勝負を制して王座防衛に成功

 序盤、KUSHIDAがいきなり場外でレガード・デル・ファンタズマに介入されるも、MSKがこれを阻止して波乱の幕開けとなると、今度はKUSHIDAが反撃とばかりにコーナートップからトペ・コンヒーロをエスコバに放って攻め込んだ。その後もエスコバがロメロスペシャルやダブル・ニーを放てば、KUSHIDAもハンドスプリング・エルボーやドロップキックで応酬したが、最後はエスコバーがファントムドライバーでKUSHIDAを沈めて1本目を先制。

 負けられないKUSHIDAもその直後にアーム・バーでエスコバからタップを奪って巻き返しを図ると勝負を決める三本目ではハイレベルなフォールの奪い合いからクローズラインの相打ちで両者譲らない互角の攻防を展開。しかし、KUSHIDAがコーナートップからの雪崩式ホバーボードロックで追い詰めると最後はハンマーロック・スープレックス・ホールドでエスコバから2本目を奪って王座防衛に成功した。
 試合後、KUSHIDAはベルトと共に両腕を上げて王座防衛成功をアピールするとインタビューでは「今日は特別な日になりました。メインイベントで3本勝負。しかもこのタイトルは過去と比べてこれだけの輝きがあったでしょうか? ますます磨きをかけて次の挑戦者誰でも受けて立つ」と王者としての自信を示した。

◆WWEネットワークは生放送終了後、ビデオオンデマンド方式で視聴可能

 女子王座はラケル・ゴンザレスの防衛。クルーザー級王座は38歳を迎えたKUSHIDAが2-1で勝ち越して2度目の防衛に成功と、結果だけを取り上げれば順当な放送回となるが、MSKとブリザンゴのタッグ試合以下、中身の濃さが堪能できるLIVE収録番組となっている。WWEネットワーク配信の良いところは好きな時間に楽しめること。日本国内の大会が中止、延期になる最中、比較してみる観点からも必見番組であろう。


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’21年05月20日号マット界コロナ回顧 WWEイケメンKUSHIDA コレガプロレス ケン田島