NXTショッツイ&エンバーStreet Fightキャンディス&インディ新タッグ王者

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 ゴングと同時にいきなりリオン・ラフが飛んできてというところから、アイゼア”SWERVE”スコットとの名勝負数え歌から番組開始。お互い手の内わかっているだけでなく、若い二人は研究熱心だから闘いがどんどん進化している。目を見張る攻防が目まぐるしいスピードで展開して、今宵の番組も品質保証マークがいきなり確定である。

 試合はエニウェアフォールマッチということで、ロッカーに軽いリオンがブチ付けられるなど破天荒な内容に。最後は初登場となるAJフランシスがスコットに加勢したこともあり、JMLドライバーが決まってスコットの勝利。ただ、この二人は何度でもやってくれというほかない。そしてオープニング試合の白熱が、そのまま以降も持続していくことになるのだ。


 続いてはあえて短くあっさり目というか、キャメロン・グライムスが必殺ケイブンで知らないアッシャー・ヘイルを仕留めるカード。順番もよく考えてある。もっとも成金ギミックのキャメロン、あとの映像セグメントでまたもミリオンダラーマン、本家テッド・デビアスに出し抜かれるスキットに再登場という構成だ。


 そして本誌の大期待カードにして、実際もうひとつの目玉扱いだったトマソ・チャンパ&ティモシー・サッチャーの熟練コンビに、若いが滅茶滅茶上手いGYV(グリズドル・ヤング・ベテランズ=ザック・ギブソン&ジェームス・ドレイク)である。そもそもサッチャーは関節技に加えてヨーロピアン・アッパーカットで試合組み立てる選手であり、対するリバープール組だって正調の使い手なんだから4人はスイングしまくりに。

 通好みの本格的なストロング・スタイルが堪能できるハズとなって、しかも今の日本でやっているのより早いスピードで凝縮してやるんだから期待を上回るド迫力に。最後はサッチャーが実況のウェイド・バレットの固そうな英国紳士靴でレフェリーの見てないところでギブソンを叩くから、必殺フジワラ・アームバーにタップアウトとなるフィニッシュだったが、その靴にせよ、相棒チャンパが実況席にぶつけられていたからという布石もある。単にリング上の攻防だけをじっくり魅せたわけでもなく、あとWWEだとTVカメラ優先なので正面から撮れているカットがなかなかないのだが、熟練チームの豊かな顔芸が凄いのだ。日本のプロレスで表情で仕事するのは稀だろう。これは満点付けてもいい素晴らしい出来だった。WWEネットワークは必携、是非皆さん見てください!


 キャリオン・クロスの「誰が挑戦してくるのか!」に対しては、カイル・オライリー、ピート・ダン、そしてバケーションから戻ったフィン・ベイラーが次々にリングインして乱闘に。

 とりあえず次週やることが決まっているオースチン・セオリー君とジョニー・ガルガノ親分が先制でダブルキックやったりしてはいたんだが・・・。

 ちなみに先の映像スキットのセグメントでは、ウィリアム・リーガルGMとスカーレットが話している最中に、勝手にTHE WAYが執務室に入ってきて、スカーレットに「大きいなぁ」と豊かな胸を見つめる・・・と思いきや、「長いネイルが大きいなぁ」だったコントも挿入されていた(笑)。


 サレイの2戦目はトニー・ストームに勝ったということで、ゾーイ・スタークと一緒に売り出されているゼイダ・ラミエが相手。ただ、初試合のシューティング・スタープレス、小さいから出来たんだろうが危ないフォームでモノにはしてなかったんだが・・・・。サレイは今回は各種ドロップキックを披露。最後は裏投げでした。トニー・ストームの文句のセグメントもあとで挿入されていた。


 ウォルターのインぺリアムへの指令ビデオは、ドイツ語なのでわかりません。ただ、怖いというのはわかります。続くしゃべれるLAナイトはジェイク・アトラスをDDTで料理。短い尺だったが、両者の持ち味は出ている。ジェイク・アトラスは上手いんだけど、こういう役なのかなぁ。なんか勿体ない。


 ファンタズマ軍はスーツ姿も決まってのプロモ登場。サントス・エスコバは次週KUSHIDAとの再戦、ラウル・メンドーザ&ヨアキム・ワイルドは「トリプルスレッド戦では俺たちがフォールされたわけではない」とMSKのタッグ王座に再挑戦表明だ。


 トリがショッツィ・ブラックハート&エンバー・ムーンのタッグ王座に、デクスター・ルミスとの恋愛騒動?のインディー・ハートウェル&キャンディス・レラエのTHE WAYが挑戦。冒頭、いつもの戦車にプードルちゃんが乗っていて、最初は「まぁ可愛い」だったものの、いざ乗ろうとすると座席にウンチしていたことがわかり、こりゃ臭いと戦車入場ナシに。大人のファンにはわかってしまったと思うのだが・・・。もっとも替わりにホラー映画のジェイソンのホッケーマスクに、フレディーの牙爪のコスプレ登場してくれたんだけど。

 試合はストリートファイト形式で、あらゆる武器の使用が可能ということで消火器噴射まで出てくるハチャメチャぶりに。こういう形式の場合、いくら予定していてもうまくいかなかったりする箇所が必ず出てくるのだが、恐らく一般視聴者にはなにをどうミスって、どうやってうまくカバーしたかまでは気づかせていないと思われる。それだけ上手くやれていたのだ。但し、ショッツイは危険なことやって自身が自爆してしまうのが恒例になっているが、ハシゴの上に乗せたキャンディスめがけてのセントーンは、ハシゴが壊れてくれなくて攻撃している方が「痛たぁ~!」と、やる側に感情移入して見ている大人のファンは画面見ながら声出してしまったかも(笑)。

 ショッツイが照明台によじ登って実況席に飛ぶのは支障なく成功しました。


 最後はキャンディスがショッツイの顔をイスの上にしてのウィッキド・ステップシスターが炸裂。新タッグ王者が誕生である。それにしても「これが女子戦か!」なんか評したら時代遅れなのかもだが、お互い凶器で身体をブチ付け合う激しい王座戦だった。圧巻である。

■ WWE NXT
日時:5月4日(現地放送時間、WWEネットワーク配信翌日)
会場:米フロリダ州オーランド Capital Wrestling Center

◆王者クロスがベイラーらとの乱闘を制するもガルガノ&セオリーに襲撃KOされる

 NXT王者キャリオン・クロス(with スカーレット)が王座を狙うフィン・ベイラー、カイル・オライリー、ピート・ダンとの乱闘を制するも、次週対戦が決定したオースチン・セオリー&ジョニー・ガルガノに襲撃KOされた。リングに登場した王者クロスは「王者の俺に挑戦したい奴は出てこい。次週はセオリーを痛めつけてやる」と挑発しているとそこへオライリーが姿を現した。オライリーは「俺が望んでいるのはお前との王座戦だ。そのためにここに来た」と王座挑戦を表明すると、ブルーザー級ダンも現れて「新しいオライリーとかクロスが王者とか関係ない。俺がNXT一番のワルだと証明してやる」と2人を挑発。さらに前王者ベイラーも登場してクロスに殴り掛かると4人が入り乱れた乱闘に発展した。

 セキュリティが止めに入る中、クロスがダンを場外に投げ飛ばし、ベイラーもクローズラインで吹き飛ばして一蹴してその場を制したが、突如背後から次週対戦が決定したセオリーとNXT北米王者ガルガノに襲撃されてダブルスーパーキックを決められるとガルガノの王座ベルト強打でKOされた。

◆“太陽の戦士”サレイがゼイダとの接戦を制してNXT2連勝

 “太陽の戦士”ことサレイが対戦したゼイダ・ラミエを裏投げで沈めてNXT2連勝を飾った。いきなりサレイは、低空ドロップキックを尻がリングに付いているゼイダの顔面に直球で放って先制すると、ゼイダもアッパーカットやスリーパーホールドで反撃して白熱の攻防を展開。さらにサレイは鎌固めやフィッシャーマンズ・スープレックス、ミサイルキックと怒涛の連続攻撃で攻め込むもドロップキックをかわされた隙にゼイダのアッパーカットやスリングブレイドを食らって接戦となったが、最後はサレイがソバット、ジャーマン・スープレックスから得意の裏投げをゼイダに決めて3カウント。サレイがデビュー戦に続いて2戦目でもゼイダとの接戦を制して無傷のNXT2連勝を飾った。試合後、サレイは「サレイの裏投げ! WWEユニバース(ファン)ありがとう」と必殺技の写真と共に自身のツイッターに投稿してファンに勝利を報告した。

◆王者KUSHIDAと前王者サントス・エスコバのNXTクルーザー級王座再戦が次週のNXTで決定

 王者KUSHIDAが前王者サントス・エスコバとのNXTクルーザー級王座リマッチが次週のNXTで決定した。レガード・デル・ファンタズマがリングに登場すると、エスコバは「俺はルチャリブレの皇帝だ。先週の試合を見ただろ。俺はNXTクルーザー級王座を取り戻す」と先週のKUSHIDAに勝利した6人タッグ戦に言及しながら王座奪還を宣言。

 さらにホアキン・ワイルド&ラウル・メンドーサは王者MSKにNXTタッグ王座戦を要求した。するとエスコバーの話を遮るようにKUSHIDAが会場スクリーンに現れると「ヘイ!サントス、一線超えちまったな。やられたらやり返すぞ、俺は。次週、俺とお前でNXTクルーザー級王座戦だ」と王者自ら対戦を要求し、これにエスコバーが「これで決まりだ」と承諾してKUSHIDAとエスコバーのNXTクルーザー級王座リマッチが次週のNXTで決定した。


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