吉田沙保里をはじめ数々のレスラーを育てた栄和人氏のパワハラ問題は記憶に新しいところ。栄氏にパワハラ疑惑が向けられたのは2018年3月。週刊誌や各メディアが『伊調馨の練習環境を妨害した』などと取り上げられた。
翌4月には、日本レスリング協会の第三者委員会は、伊調への暴言を含む４件のパワハラを認定。
この件を受けて、強化本部長を辞任した栄氏は、虚偽の内容を含む告発によって名誉を傷つけられたとして、伊調馨選手の元コーチに330万円の賠償を求めた。
だが、東京地裁は10日、栄氏の請求を棄却。成田晋司裁判長は「リークを推認できるだけの証拠はない」と全面的に退けた。
吉田沙保里が1日警察署長を務めた際の栄和人氏との師弟コンビ
格闘技・スポーツの世界でパワハラやセクハラなどハラスメントに関する問題がクローズアップされる昨今。テコンドー、ボクシング、空手においても指導者や権力を握る者たちによるパワハラが暴露され、世間を賑わせた。かつて相撲部屋で起こった、かわいがりという暴行事件の類は言語道断だが、何でもハラスメントで片づけるのはいかがなものだろう。
勝負の世界に身を置くのであれば、厳しい指導や叱咤は覚悟するのが当然なのでは。同時に、指導者の能力低下も問題視されなくてはいけないが。東京五輪が開催されたとしても、メダル獲得は難しいと言わざるを得ない。
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