(c) AEW
■ AEW Dynamite
日時:4月28日(現地放送時間 録画番組)
会場:米フロリダ州ジャクソンビル デイリーズ・プレイス
このところ冒頭にハングマン・ペイジが出てきて勝ち星を拾う第1試合が続いてたので、ブライアン・ケイジがカーボーイを叩きつけての勝利というのは結構なことかと。だいたい、AEWは勝率ランキングとかを発表する変なところがあって、だったらペイジこそケニー・オメガの王座挑戦者じゃないのかとかになり、いずれはやるんだろうけど今のタイミングではないから、ペイジが負けるカードもやっておかないといけないのだ。またケイジのタズ軍団にせよ、先週はリッキー・スタークスが負けているのでこれで色々回していけることになる。
現在のAEWは2週ごとのサイクル収録で、水曜のLIVE回、翌木曜の録画回が交互となる。今回のは編集可能でミス箇所を削り繋ぎ直す番組なので、先週木曜に収録された現地の試合順とは違うのだが、ヤングバックスvs.マット&マイク・サイダルの兄弟対決タッグは、もの凄かったとしか評しようがない。目まぐるしいスピードでメモなんか取れないし、やはりベストマッチ賞になってしまう。お互い兄弟となれば、やはり技のタイミングが神業級になり、ましてこの4人だから立体的に映えるのだ。
BTEトリガーでマイクが沈むフィニッシュだが、花道に出てきたのはSCU(クリストファー・ダニエルズ&フランキー・ガザリアン)である。なんでもかの勝率ランキング1位なんだそうで、そうだっけ?とも思うのだが、ヤングバックスに負けたらSCU解散をマイクしていた。ちなみに、すでにスコーピオ・スカイはヒールターンしている。そういうことなのである。
映像セグメントは公式写真では回ってこないのだが、前週にエリート軍の大型トレイラーがジョン・モクスリー&エディ・キングストンに襲撃されるスキットだったので、今回が超大型リムジン内からのケニー・オメガのインパクト王座奪取が祝われることに。運転手マイケル中澤がギャグをかますという・・・。
ペンタゴンとオレンジ・キャシディのシングル戦となれば、両者ともにコメディspotをやる選手であり、そもそもオレンジ君はポケットに両手を突っ込んだまま技を見せるんだが、噛み合って面白かった。例えばペンタゴンが手袋を投げたらセコンドのレイ・フェニックスはきっちり受け止めるんだが、オレンジ君がトレードマークのサングラスを投げても、トレントは知らん顔で拾いもしない(笑)。ペンタがオレンジの腕折りを狙えば、やはり手はポケットに収まるから関節技から抜け出せるんだと。
当然にペンタゴンの通訳兼マネジャー、アレックスも絡み、言ってはいけないトレント・ママの悪口やるもんだから、リング内に落とされバンプ取る展開に。最後はそのマイクでペンタゴンの頭を叩いてのオレンジ・パンチでフォール。笑える試合が全体の構成からのアクセントになっている。
詳細はファイトクラブ記事に譲るが、いよいよ来週が$30チケットでデイリー・プレイスを満杯になるまで客入れしての『Blood & Guts』特番扱い仕様のLIVE中継である。クリス・ジェリコ親分インナー・サークルの登場はバイクの先導と派手に凝っていて、もちろん♪Judasの合掌入場だ。対するMJFのピナクル軍も弁舌なら負けない。ルールはWAR GAMES形式、野外会場ながら簡易的な雨除けの屋根らしきものこそある会場ながら、天井から金網が下りてくる仕組みは出来ないため、来週は2つのリングが用意され、通常のと最初からの金網ので行われる。
AEWの番組構成における中間部の目玉がこのプロモ合戦だった。皆さんマイク達者で次週への期待が高まる。ジェリコ親分のもド迫力なんだが、「1969年がサマー・オブ・ラブなら2021年はペイン・オブ・バイオレンスだ」とブチ上げるのは、やや意外というか・・・。日本のファンにはなんのことかわからないだけでなく、米国内視聴者にせよ1969年のサンフランシスコとか、世代的に知らない若者の方が多いんじゃないかとも思うのだが・・・。そもそもお前はカナダ人じゃないのか? まぁムーブメントの思想に共鳴したのかもだが、翌1970年生まれのジェリコさん、それでも年齢が合わないのでは?
マイケル中澤は万年サイドキック役という自覚なのか・・・。先週ではエディ・キングストンとの一騎打ちとか門番試合の予定だったハズなんだが、結局はMOXとエディがオメガの足を壊すとばかりイスを足に挟んでマウスピース役のドン・キャリスを脅迫するスキットに変更。
結局は来週に、中澤オメガ組vs.MOXエディ組ということに。ちなみにDDTの竹下幸之介が、隔離期間入れて1ヶ月の穴を開けてまでAEWに売り込み参戦して渡米、ハウスショーに出たことは本誌も周知のことなんだが、Dynamite番組に出して貰えるとすれば今回が最後のチャンスだったハズ。しかし、日本人選手担当役員でもあるオメガの厳しい評価判定では見送り落選だった模様。そりゃ例外もあるわけで、誰かが「ItoちゃんはKAWAII」とか首脳陣に吹き込んだらしく、なぜか東京女子プロレスの伊藤麻希がいきなりDynamiteに出てきたとかはあったんだが、女子の場合は基準が緩いというか・・・。AEWはDARKだけでなく、いろんな傍系番組もあり選手数も膨大になっているから、なかなか狭き門になっている事実はある。ただ、この大変な時期に一人で渡米した勇気は評価されよう。
その基準が甘いというか、NXTと比べて弱いAEWの女子部門、異星人クリス・スタットランダーはケガから復帰したらDynamite出して貰えるとか陰口も聞こえてくるが、ペネロペ・フォードとのシングル戦はなかなか良かった。わからないものなのだ。ペネロペにせよ髪型変えて風貌変わったこともあるにせよ、リング結婚式とかのスキット登場やらされていたから真面目に見れてなかったのかもだが、ちゃんと試合やれるのである。もっとも別のセグメントで、夫のキップ・セイビアンが愛の鞭というか、THE BESTMANのミロにロッカールームでボコボコにされるスキットも挿入されており、世の中甘くはない。
ナイトメア・ファミリーの大型バスから降りてきたのはQTマーシャルらの分派THE FACTORYで、こちらには五輪ボクサーのアンソニー・アゴーゴーもパンチで加勢(写真中央)もあれば、対するダスティン・ローズの本家軍、ビリー・ガンにリー・ジョンソンの6人タッグ戦なんだが、もとが大きなファミリーなんで、誰がどっちだったかわからなくなるカードも挿入。カウベル持ってるFACTORYのブルーザー・ブロディ役はニック・コモロトです。
多分収録は最後かつ、深夜までかけてあとからかなり編集カットしたと推測され、結局大型バスに戻るとCodyが出てきて、最後はバスの上でQTとやり合うという・・・。あとから編集すればよいと(恐らく)長く闘った録画番組回の欠点カードだったかも。
来週のBlood & Gutsのカード紹介に続いて、2週後にはジョン・モクスリーのIWGP US王座防衛戦をDynamiteで永田裕志とやるとの発表も。実況のトニー・シェバーニが興奮して、WCW中継やっていた「TNTにYUJIが戻ってくる」と。23年前なんですけど・・・(笑)。この件はファイトクラブ記事に詳細します。
結局トリは、視聴率の数字データも取ってるダービー・アレンの毎週連続のTNT王座戦に順番組み換え。今宵の相手はダークオーダー軍の10号だ。後見人のスティングが絡むのはともかく、ダークオーダー軍がいるから、尺も貰ったメインなんでごちゃごちゃ入り乱れた箇所もあったのだが、二人の試合は筋が通っていて魅せてはくれた。
マスクを破くなど若き王者もラフに闘い、フィニッシュはフルネルソンされるダービー君がターンバックルを蹴ってクルっと回っての押さえ込みで王座防衛。最後は健闘を称え合い10号の腕に巻かれていたブロディー・リー追悼のアームバンドを掲げるhappy end・・・と思ったら、イーサン・ペイジが半ズボン私服で襲撃、さらにはランス・アーチャーも顔見世救出と、次の仕込みも忘れないAEWなのであった。
前日NXTの平均視聴者数は744,000(-11.5%)、AEWはバイデン大統領がTogether, Togetherと発する施政方針演説とかぶったからなのか889,000(-19.5%)となっている。
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