紫雷イオTストーム!新NXT女子タッグ王者SブラックハートEムーン

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 先週はAEWがシャキール・オニールのプロレス初挑戦を投入してきたのであえて対抗の番組作りにしなかったNXTだが、今週は最初から最後まで強力カードかつ内容充実で反撃の狼煙を挙げた。まずはウィリアム・リーガルの「重大発表」は、『レッスルマニア』週間になる現地時間4月7日(水)、8日(木)の2夜連続での『NXTテイクオーバー:スタンド&デリバー』開催を正式発表。これは現地100万人いるWWEネットワークからピーコックへのスムーズな移行には、当然いきなり『レッスルマニア』では当日大混乱になりかねない。PPV大会『ファストレーン』からではあるのだが、やはりWWEネットワークを毎月購読というか、月額サブスクリプションをさせているのはNXTが見たいからである。
 7日は通常通り現地ではUSAネットワークでTV中継の放送となるが、翌8日はWWEネットワークのみの特番であり、『ファストレーン』をスキップしたとしても、ここで一気に移行させてしまわないといけないということ。但し、規模では世界最大規模の『レッスルマニア』だろうが、もう何年も前からその直前にやる『NXTテイクオーバー』の方が、中身ははるかに凄いというのはもはや定番、定説であり、今回のタイトル通り世界最高峰の高品質との約束はデリバーされてきた実績がある。いよいよ今回の移行を機会に、NXTの攻勢を目玉にしてきたのだ。


 International Womes’s Dayは3月8日だったが、今月は女性月間でもある。女子勢がずらりと花道に並ぶなか、リーガル卿のもう一つの重大発表は、やはりNXT女子タッグ王座の新設だった。そしてダスティ杯トーナメントを制したラケル・ゴンザレス&ダコタ・カイが初代王者に認定される。記者には文句はない。まぁ先週のWWE女子タッグ戦のお粗末があるから文句たれる者はいるだろうが・・・タイトルの価値は中身である。もはや最初からSmackDown-RAW共通の女子タッグ王座より、明らかに権威あるベルトであることは述べるまでもない。さっそくショッツイ・ブラックハート&エンバー・ムーンが挑戦をブチ上げる。大人のファンはわかったことだろう。しかし、それはどうでもイイことだ。説得力のある中身をデリバー出来たか否かである。そして世界最高峰の陣容を誇るNXT女子部の侵攻が始まった。


 トップバッターは紫雷イオの女子王座防衛戦である。対するはフロリダに移住してきたトニー・ストームだ。宿命の闘いがデリバーされていくのである。


 続くピート・ダンがジェイク・アトラスにクロス・アームブリーカーを極める職人対決が圧巻だ。自称ブルーザー級王者が、「世界最高のテクニカル・レスラー」を宣言しても異論がない。これで掴みの2カードがバッチリというか、もう現地の裏番組にチャンネルを変えようとは思わなくなったかも。


 そしてさっそくのNXT女子王座戦が始まる。ダコタ・カイが受けて、受けて、受けまくるのである。大女ラケル・ゴンザレスを場外に追いやり、ショッツイ・ブラックハートがレッグクラッチ・ホールドでダコタを固めた。第二代NXT女子タッグ王者の誕生である。


 続いてもNXTは女子のシングル戦で畳みかけた。二週前の番組でパートナーの最初ケイシー・カタンザーロがやられて足を負傷させられたフィリピン出身のケイデン・カーターが、老女マスターのもとで変身したザイア・リーに立ち向かう。当然ケイシーも松葉杖でザイアを攻撃、裁定上は反則をとられてしまったが、変身以降の中国武術家ザイアが初めてやられる展開になった。


 男子のタッグ戦線も陣容は揃っている。サントス・エスコバ親分がウィリアム・リーガルに詰め寄る場面(英国から暫定王者ジョーダン・デブリンが近くフロリダ入り)から出てきたファンタズマ軍のホアキン・ワイルド&ラウル・メンドーサと、リバプールNo.1から世界No.1を目指すGYV(グリズドル・ヤング・ベテランズ)のザック・ギブソン&ジェームス・ドレイクの攻防カードに。途中、前週の宇宙人服ながらタイラー・ブリーズじゃないかも?となったブリザンゴ組を真似て、ダスティ杯優勝のMSKも姿を見せてくる。こちらはウェス・リーがケガしてしまい試合出来ないのだが、これに同様したドレイクがワイルドに丸め込まれることに。

 さらに、宇宙服MSKはファンタズマ軍を襲い本物のブリザンゴも出てきてベビーフェイス組はダンスを踊ることに。タッグチームの層は厚いのである。


 番組トリはフィン・ベイラーvs.アダム・コールのNXT王座戦が締める。もう何度でもやってくれ、ずっとやってくれという至宝戦内容に。

 途中、ベイラーがカイル・オライリーに顎を砕かれしばらくの欠場に追い込まれたその箇所をコールが蹴り上げ、ヒヤリとする場面もあったが、パナマ・サンライズも返されと見たい内容が次々にデリバリーされていく。


 その因縁のオライリーが会場に現れと、しかし下手に試合介入しないのがよろしい。


 試合はベイラーのクーデグラが決まって王座防衛となるも、そこからアンディピューティド・エラの仲間割れ劇場に。またも急所打ちを狙うコールの腕をとったオライリーが、今度はコールをボコボコにしていく。


 しかし、ベイラーの勝利もつかの間。リングに現れたのはキャリオン・クロスというエンディングに。大変な中身充実であり必見回であろう。


 平均視聴率、AEWは先週がシャキール・オニール登場という特例だったので約19万人減(-20.5%)の743,000となろうが驚きはない。NXTは約1,000人減なのでマージンエラー範囲だから、ほとんど先週と変わらずの691,000だった。但し2日間の『NXTテイクオーバー:スタンド&デリバー』開催発表など、NXTが攻勢をかけていて両者の差は縮じまると予想されよう。

■ WWE NXT
日時:3月10日(現地時間)
会場:米フロリダ州オーランド Capital Wrestling Center

◆リーガルGMが2日連続の「NXTテイクオーバー」とNXT女子タッグ王座の新設を発表

NXTオープニングに登場したウィリアム・リーガルGMが2つの重大発表として米国時間4月7日、8日の2日間連続となる「NXTテイクオーバー:スタンド&デリバー」とNXT女子タッグ王座の新設も発表して初代王者に女子ダスティ杯優勝者ダコタ・カイ&ラケル・ゴンザレスを認定した。

しかし、そこでエンバー・ムーン&ショッツィ・ブラックハートが王座挑戦を表明すると両チームがNXT女子タッグ王座戦で対戦することになった。序盤、エンバーがダブル・ニー、ショッツィがトペ・スイシーダをラケルに放って攻め込むと、ダコタはランニング・ビックブーツからラケルと連携攻撃をエンバーに放って両チーム白熱の攻防を展開。終盤にはエンバーが必殺のエクリプスを放つもラケルが持前のパワーで回避して接戦となったが、ダコタがこの2人に誤爆するとその隙にショッツィがロール・アップでダコタを丸め込んで3カウント。初代王者ダコタ&ラケルは初戦で王座陥落し、エンバー&ショッツィが新NXT女子タッグ王者となった。『NXTテイクオーバー:スタンド&デリバー』は日本時間4月8日、9日にWWEネットワークで配信される。

◆紫雷イオが宿敵トニー・ストームとの一騎打ちを制して王座防衛次期挑戦者にラケル・ゴンザレスを指名

 王者紫雷イオがNXT女子王座戦で激突した宿敵トニー・ストームをクロスフェイスで締め上げて王座防衛に成功すると、試合後にはラケル・ゴンザレスを挑発して次期挑戦者として指名した。序盤、イオがダブル・ニーやオクトパスホールドを決めれば、トニーもエプロンや鉄製ステップにイオを叩きつけて両者激しい攻防を展開。さらにイオは場外へのムーンサルトプレスや掌底アッパー3連発を放って攻め込むと、トニーはムーンサルトで自爆したイオを捕まえて必殺のストーム・ゼロを叩き込み、続けてコーナートップからのダイビング・ヘッドバットを放ったが、最後はこれを回避したイオがクロスフェイスでトニーを締め上げてタップ勝ち。ついにイオが宿敵トニーとの一騎打ちを制して王座防衛に成功した。

 さらに試合後にイオはWWE女子タッグ王座から陥落したラケル・ゴンザレスの前に姿を現すと「次はお前がいいな」と挑発して王者自ら次期挑戦者を指名した。

◆王座防衛のベイラーが前王者クロスと睨み合いの火花!敗戦したコールは元盟友オライリーと大乱闘

 王者フィン・ベイラーがNXT王座戦で対戦したアダム・コールをクー・デ・グラで沈めて王座防衛に成功すると、試合後には敗戦となったコールとカイル・オライリーが大乱闘。さらにベイラーは姿を現した前王者キャリオン・クロスと対峙すると睨み合いを展開した。ベイラーがダブルストンプ、ファイナルカットや場外でのスープレックスを放って攻め込むと、コールはスーパーキックからのラスト・ショット、パナマ・サンライズと大技を連続で叩き込んだ。

 しかし、ベイラーがこれをカウント2で返すと、このタイミングで仲間割れしたカイル・オライリーが現れてコールが動揺。すると今度はベイラーがトペ・コンヒーロから場外で1916をコールに叩き込むと、最後はクー・デ・グラを放って王座防衛に成功した。試合後、コールは対峙したオライリーにローブローを放つも不発に終わると、オライリーはコールからチーム腕章を取り上げて大乱闘に発展。さらにリングではベイラーが現れた前王者クロスと対峙すると「時間かかったな」と挑発して2人は睨み合いの火花を散らした。

◆モーリー・ホーリーが2021年のWWE殿堂入り決定

 モーリー・ホーリーが2021年第1号となる名誉殿堂「WWEホール・オブ・フェーム(HOF)」入りすることが発表された。モーリー・ホーリーは結成したザ・ホーリー・カズンズやザ・ハリケーンと組んだ正義のヒーロー、マイティ・モーリーとしてWWEで活躍。2002年のレッスルマニア18では女子レスラーとして初のハードコア王座を獲得すると、2004年のレッスルマニア20ではビクトリアとの髪切りマッチで敗北してスキンヘッドを披露して人気を博した。尚、今年の「WWEホール・オブ・フェーム2021」は昨年式典が中止となったものの殿堂入りが発表されたバティスタ、nWo、ベラ・ツインズ、JBL、デイビーボーイ・スミス、そして獣神サンダー・ライガーを加えて日本時間4月7日にWWEネットワークで配信される。


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’21年03月18日号NJcup鷹木SANADA 戦士ジュリア Assemble 不発AEW革命 ノア Jewels