紫雷イオNXTハロウィンハボック大トリ防衛!北米王座Jガルガノに移動

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 10月28日のハロウィンハボックは不吉な第13回目とのことだが、今回はPPV大会ではなく普通にプライムタイムでやっているNXT番組として幅広くに提供された。但し、予算もかけて仕様も豪華であり、ホストのショッツィ・ブラックハートが月夜に吠えて、火花が出るレイザー銃を撃ちまくる派手なオープニングから。近年の吸血鬼ハンター、ヴァン・ヘルシングの映画は、時代考証もへったくれもなくドンドン、パチパチ極彩色に展開するのと同じようなものか。


 試合はダミアン・プリーストの北米王座防衛戦でジョニー・ガルガノが挑戦者。ショッツイがルーレットを回して止まったのは「デビルズ・プレイグラウンドマッチ」ということで、要するにフォールカウント・エニウェア戦ということ。最初はリングやその周辺でやりあっていたんだが、最後はプリーストがセットが組み立てられた高いところから藁とおがくずが敷き詰められたところへ突き落とされ、ガルガノが再び北米王座を戴冠に。掴みはバッチりである。


 先週の放送回でタッグ王者となったオニー・ローカン&ダニー・バーチについたのは元NFLのスーパースター、パット・マカフィーである。軍団のお出ましではマカフィーが「史上最高のプロレス・デビュー戦だったというのはすべての媒体が同意している」と自画自賛。はい、本誌もそう書きました(笑)。

 そこにアンディスピューテド・エラのカイル・オライリーが絡みに行くと、驚いたことに英国から戻ってきてくれたブルーザー級ことピート・ダンではないか。まして、その肉体はぜい肉をそぎ落とした究極のシェイプに変身している。コロナ期で試合が出来ず太る者もいるのだが、逆に肉体改造にも成功ということ。当初はカイルを助けに来たような素振りではあったが、そんな訳ないじゃないかということで英国系とも言えるマカフィー軍団入り。今後のお楽しみとなった。


 レスリングは職人だし、カリスマ性もあるキャメロン・グライムスに対するは、無口、無表情、田舎の農夫にして殺人鬼のデクスター・ルミスである。こちらは最初から映画仕様の「ホーンテッド・ハウス・オブ・テラー」と断ってある事前収録のもので、番組を通じてto be continued…のテロップが出たりと、番組に挟まれて中継される構成に。マイケル・ヘイズも顔見世していたから、彼がロケ班指揮を兼ねたエージェント担当なのだろう。

 その呪われた家にだどりついたキャメロンだが、ぬう~っとそこらかしかにデクスターが出てくるし、ドアは本当に怪力でぶち壊されるし、ゾンビたちにも襲撃されるのだ。いや~、コロナ期になって必ずしも生中継でなくていいとなり、この映画仕様マッチが増えてきたんだが、回を重ねて編集テクニックもこなれたのかガチに怖いし3分の短編作品としてpart1セグメントは非常に良く出来ている。

 命からがら呪われた家から脱出して車にたどり着いたキャメロンだが、振り向くと運転席に座っていたのはデクスターじゃないかという・・・続く。


 先週の6人タッグの因縁があるから、ここではジェイク・アトラスとサントス・エスコバがシングル戦。うまい具合にメキシコ死者の日だから、エスコバはあの半分骸骨ペイントをしている。ここはファンタズマ軍のアシストもあり、レガードが決まるのだった。


 大女ラケル・ゴンザレスとリア・リプリーの一騎打ちも待望されていたカードになる。SmackDown/RAWの評だと辛口にやるのが専門媒体のお約束でもあるが、この大型同士の激しいハードヒット戦を堪能して欲しい。WWEを揶揄するのは簡単なんだが、これらの人材宝庫を思えば将来は安泰という見方も出来よう。そしてリアのリップタイドが決まった。


 リングに戻ったキャメロンとデクスターの映画仕様マッチ。リングにスモークがたちこめてと幻想のエンディングへ。編集の妙もあるが、ダラダラ長くならなかったのは二重丸か。テンポが良かったのだ。

 最後はデクスターの締め技サイレンスが決まった。これでいいのだ。THE ENDのテロップ付きだった。


 ハロウィンハボックの大トリが紫雷イオの王座防衛戦。ショッツィのルーレットがテーブル、ラダー、スケアーズ戦で止まる。キャンディス・レラエとのチャンピオンシップの幕が開いた。

■ WWE NXT
日時:10月28日(現地時間)
会場:米フロリダ州オーランド キャピタル・レスリング・センター

◆紫雷イオがキャンディス・レラエを下して王座防衛に成功

 紫雷イオがキャンディス・レラエと「NXT:ハロウィン・ハボック」のNXT女子王座テーブル、ラダー&スケアーズ戦で再戦し、激闘の末にイオが天井に吊り下がったベルトを奪取して王座防衛に成功した。新世代アーティストPoppyと共にメイン戦に登場したイオはスピン・ザ・ウィール(回転ボード)で試合形式がテーブル、ラダー&スケアーズ戦に決定するとフラップジャックからトペ・スイシーダを放って先制する。キャンディスも解説席のノートパソコンを叩きつけて反撃すれば、イオがダブル・ニーや場外スープレックスで応酬して激しい攻防を展開した。

 中盤にはイオがムーンサルトやダブル・ニーをかわされてパイプ椅子やラダーに自爆すると、続けて619もかわしたキャンディスはネックブリーカーでイオをテーブル葬。さらにここで乱入した謎のゴーストフェイスがキャンディスをラダートップに押し上げてイオがピンチに陥るも、ハロウィン・ハボックのホストを務めるショッツィ・ブラックハートがゴーストフェイスを攻撃してリング外に排除した。

 なお、当初の予定ではキャンディスとグルでメリケンサックを渡したりしていたインディ・ハートウェルが加勢する出番の役だったが、パフォーマンス・センターでまたコロナ感染の事態が前日、火曜日に発覚。隔離措置になったためハボックに参加できず。実況では夫の「ガルガノなのか?」と謎のゴーストフェイスを取り繕っていたが、奇跡的にもハボック出場予定が当日キャンセルになったのは彼女1名だけだった。

 終盤にはイオとキャンディスがラダー上の攻防を展開すると、キャンディスがサミングでイオをラダーから落下させてベルトを狙ったが、すかさずイオがラダーを倒してキャンディスはそのまま場外のラダーに激突。最後はリングに1人残ったイオがラダートップまで登ると吊り下がったベルトを奪取してNXT女子王座防衛に成功した。

◆ショッツィ・ブラックハート無事ホストの大役遂行!そして視聴者数逆転

 本誌が「毎週出せ!」と書き残してきたショッツィが、ついにここまで来たことになる。感慨深い。平均視聴者数はAEW Dynamiteが約3万人増え(+3.7%)781,000の数字に対し、ハロウィンハボック企画を掲げたNXTは約23万人(+18.6%)の大きなジャンプを記録して876,000と逆転している。「水曜TV戦争」はまだまだ続く。お楽しみはこれからだ。


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