NXT30分Fベイラー戴冠Aコール善玉化!Rリプリー金網葬Mマルティネス

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 前週の60分アイアンマン戦が決着にならなかったと、ファール数で同点だったフィン・ベイラーとアダム・コールの決着戦から。王座誕生だと鉄人戦を煽っておいて翌週も現地火曜の変則編成になったからと引き伸ばしたのはケシカランとの声もあったが、二週続けてもの凄い攻防が堪能できるんだから文句なんかありません。少なくとも、どこかの介入、介入ばかりのメインイベントが続く団体のよりは大満足なのではないか。
 だいたい、そもそもがせっかく新NXT王者となったキャリオン・クロスなんだが、巨体のキース・リー戦は代償も大きく肩脱臼で王座返上に。そこでベイラー、前王者コールに、トマソ・チャンパ、ジョニー・ガルガノという最高の面子が召集され4way戦ということに。ただ、ロジックで考えるならこういう場合、日数的にも長期政権だったコールに戻すのでなく、NXTに帰ってきてくれたベイラーとなるのが順当だろう。実際60分のアイアンマン戦、最後の1分間でバタバタとフォールが決まる離れ業が印象に残るものの、当初は4名誰も決まらない一進一退が続き、ようやく開始25分を過ぎてベイラーがクー・デ・グラでコールを仕留め先制している。この時点で計画が読めた大人のファンは少なくないだろう。これでいいのだ。
 そして、前回の引き延ばしに批判があったことを精査した上で、ちゃんとこの決着戦からいきなり始め、なんの介入もなく激しい闘いを30分やり、クリーンに雪雪崩式1916(ブラディサンデー)が決まったのだから見事だ。作った側含めて素晴らしい。また、終わってからのバックステージでもお互い健闘を称えあい、コールは「今日は負けを認めるが次は・・・」と、ベビーフェイス・ターンがいよいよ明確にされる。ベイラーは「戻ってきた理由はコレだ」と誇る。全部を見ているWWEユニバースにとって、どのタイトルに価値があるかは述べるまでもない。


 リア・リプリーvs.メルセデス・マルティネスの金網戦がメインという予告に続いては、試合ではなくセグメント扱いなんだが、紫雷イオ様に文句をつけたアリーヤとロバート・ストーンが、ショッツイ・ブラックハートとイオのベビーフェイス組に制裁されるも、ショッツィがイオの王座に挑戦を迫るというもの。来週はショッツイもイオも両方見れて、それが王座戦なんだから大変喜ばしい。中身で他を圧倒すればイイのだ。あと、イオ様とアリーヤではスクワッシュ・マッチにしかならないが、ショッツイはついに王座挑戦まで来たということ。ニンマリである。バックステージでは戦車のサイズが大型化していた。


 次はベルベティーン・ドリームが、よく知らない黒人選手にデスバレー・ドライバーを極めるんだが、このカードのミソはKUSHIDAのヒール・ターン。噂ではドリームの方が復帰後はヒールということだったんだが、私服のKUSHIDAが痛ぶっていた。


 RAWのセス・ロリンズ率いる月曜夜の救世主軍から、巨体大型のAOPが消えていたのはケガだったんだが、ようやくケガが直った途端に解雇通知とのこと。また、ポール・ヘイマンの左遷もあり、若いオースチン・セオリーもNXTに逆戻りだったが、ブロンソン・リードの試合に介入して試合を落とさせたりしていたから、ここで遺恨戦に。当然ここはリードがフロッグ・スプラッシュで勝利。まぁセオリー君はまだ若いし、またNXTで修行すればいいんです。

 本当にやるんだとなったのが、キャンディス・レラエとジョニー・ガルガノ夫妻宅に、ティーガン・ノックスが呼ばれるセグメント。ブル中野Tシャツのティーガン、スターダム時代のニッキー・ニューウェルちゃんはまだ子供だったのにえらい美人になってるなぁ。やはり、一皮剥けたんでしょう。二人の経緯を察してガルガノが夕食の皿を持って「ボクは二階に行っておくよ」となるのが妙にリアルかも。
 サラダをティーガンに投げつけたのは性悪女キャンディスから。そこからはもう・・・。ガチ、ガチ、ガチ、ブル、ブル、ブル。


 アンディスピューティド・エラは解体の方向なんだろうが、ロデリック・ストロングは、これまた忘れないでくださいのキリアン・デインとシングル戦。但し、ボビー・フィッシュがセコンドについてるストロングのジャンピング・ニーが決まる。

 もっともここで、デイン救出のつもりでドリュー・マベリックがバットを持ってリングインするんだが、両方からやられてしまう憐れな役なのだった。


 前回NXTが金網戦をやったマット・リドルのSmackDownに行く前の最後の試合、関節技の鬼ティモシー・サッチャーに負けるカードの時は「NXTファイトピット」ということで、二階の台座というか、スキャフォルド・マッチとの合体ユニークな仕様だったのだが、今回は元の金網を使用。下はフロアーでなくエイプロンに納まり、ロープと金網の間はほとんどない。レフェリーはドレイク・ヤンガーでゴングが鳴る前からリア・リプリーとメルセデス・マルティネスは激しくやりあった。


 最後はセオリー通りというか、メルセデスが自分で組み立てテーブルに、リプリーが雪雪崩式リップ・タイドで落とされる幕切れだった。

■ NXT Super Tuesday Ⅱ
日時:9月8日(現地時間)
会場:米フロリダ州ウィンターパーク フルセイル大学

◆新NXT王者はフィン・ベイラー!アダム・コールと激闘30分

 先週行われたNXT王座決定60分アイアンマン戦が決着つかず、タイとなったベイラーとコールがNXT王座を決めるべく直接対決で激突した。序盤、ベイラーがパワースラムからのエルボードロップで攻め込めば、コールも延髄切りからのバックスタバーで反撃。続けてベイラーがスリング・ブレイドを放てば、コールもシャイニング・ウィザードでやり返して両者譲らない白熱の応酬を展開した。

 中盤ではベイラーがスリング・ブレイド、ダブル・ドロップキックから必殺のクー・デ・グラを叩き込むも決定打とはならず、逆に今度はコールが足4の字固めでベイラーの左足を痛めつけるとスーパーキックから必殺のラスト・ショットを叩き込むもカウント2。両者互角の闘いを展開したが、最後はパナマ・サンライズをかわしたベイラーがリバース1916を決めると、コーナートップの攻防から雪崩式1916をコールに炸裂させて3カウント。ベイラーがコールを破ってNXT王者に返り咲きを果たした。試合後のバックステージでベイラーはトリプルHやウィリアム・リーガルGMに祝福されながらコールとも“Too Sweet”ポーズで互いの健闘を称えると、「この10カ月間、みんながなぜNXTに戻ってきたのかと聞いてきたが、これが理由だ」と腰に巻いたNXT王座を誇った。

◆紫雷イオ「痛い目に遭いたいのか!」ショッツィ・ブラックハートと火花

 NXT女子王者紫雷イオが王座を狙う緑髪&ヘルメットのショッツィ・ブラックハートと火花を散らした。ショッツィが自身の戦車型の大型カートを破壊しようとするアリーヤ&ロバート・ストーンとバックステージで乱闘となるとアリーヤの攻撃が間違ってイオに誤爆してしまう。アリーヤは「これはアクシデントよ。ワザとじゃなの」と言い訳したものの、イオは「てめぇ、喧嘩売ってんのか」と逃げるアリーヤをショッツィと共にリングに追い詰めるとバックブリーカーで撃沈。
 続けて今度はストーンが背後のコーナートップから攻撃を狙うも、これに気づいたショッツィがイオの回避を助けると、すかさずイオがストーンにムーンサルト、ショッツィがアリーヤにダイビング・セントーン叩き込んで2人を撃退した。

 共闘を展開したイオとショッツィだったが、最後はショッツィがイオの王座ベルトを手放さず王座戦線入りをアピールすると、イオは強引に取り上げて「痛い目に遭いたいのか」と忠告。その後、火花を散らしたイオとショッツィのシングル戦が次週のNXTで行われることが決定した。

◆KUSHIDA因縁のベルベティーン・ドリーム強襲!アーム・バーで仕返し

 KUSHIDAが遺恨を持つベルベティーン・ドリームを襲撃して2人の因縁が激化した。8月に行われた北米王座決定ラダー戦予選の試合後にドリームがKUSHIDAに暴行を加えたことで因縁が勃発。この日、報復を狙うKUSHIDAはドリームがアシャンティ・アドニス相手のシングル戦に勝利したところでリングに乱入すると、背後から強襲して何度もドリームを殴打した。一度は3人のレフェリーに止められて場外に出るKUSHIDAだったが、反撃を仕掛けるドリームを引っ張ってポストに2度も叩きつけると最後はエプロンからロープ越しのアーム・バーを決めて仕返しした。


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’20年09月17日号AEW事故AllOut UWF鈴木健 横浜文化 FベイラーNXT戴冠 RISE 青木真也