ブルックリンRAWカイリ-シェイナ、アンドラデAガザ組連投、Rオートン半ガチ演説RKO

photo by George Napolitano

 大会場になるブルックリンはバークレイズセンターからの生中継。ダークマッチには戸澤陽も登場と、バックステージ情報含めて自前取材大会の全容と詳細は金曜発売の週刊ファイトに収録するが、タッグ王座の移動を含む盛沢山の内容ではあった。

 但し、それが高評価に繋がるかと問われるなら、サウジアラビアは『Super ShowDown』でのブロック・レスナーに秒殺されるだけの酷い扱いに続いて、リコシェが今度はジョーク王座である24/7タイトルに挑戦して、ここでも王者リディック・モスにクリーンに負ける役割で、もはや完全にbury(埋葬)されていたのはどうなのか。

お客のマンデイナイト・ロリンズに対する冷ややかな反応はプラカードの通り!

 ストリート・プロフィッツは『NXT:テイクオーバー』大会など、ブルックリンで馴染みなのでここはセス・ロリンズ&バディ・マーフィー組からタッグ王座が移動。ケビン・オーエンズの顔見世程度の加勢も味方している。但し、『エリミネーション・チェンバー』ですぐにこのカードは再戦だそうだ。


 アリスター・ブラックとAJスタイルズのシングル戦は大いに期待させたんだが、なんでも契約ではカール・アンダーソン、ルーク・ギャロウェイを倒さないとAJにたどり着けないとの急遽の変更?で、ようやくAJにたどり着いた段階では3試合目になって弱っているという設定にして、落とさないようにしていたんだが、結局はじっくりしたシングル戦はこれまた『エリミネーション・チェンバー』に持ち越しと。


 リブ・モーガンとルビー・ライオットの遺恨戦は、レフェリーがサラ・ローガンとひねってあって、最後は高速カウントで金髪美人に変身したモーガンの手があがるが、そのローガンがランニング・ニーでモーガンを倒すオチで、これでライオット・スクワッドは全員バラバラという絵になった。

 エリック・ローワンは今日は試合なし。但し、バックステージでNo Wayホセのダンス軍団に、ついに鳥籠の中身を見せるスキッドが挿入され、長らく引っ張った謎の生物はタランチュラ。もっともおもちゃで足が動くだけなのが丸わかりのスパイダーという・・・。

 3時間目に入って、前日の発表ではアスカvs.シェイナ・ベイズラーだったが、アスカは手に包帯を巻いてケガしているからと、新婚のカイリがシェイナと闘うことに。ただ、スターダムでやっていた内容に比べるとWWE流の型にはまった展開であり、カイリの持ち味は出せなかった嫌いは残ろう。


 喜ばしかったのは、試合としてはまたアンドラデ&エンジェル・ガザ w/ゼリーナ・ベガ組に、レイ・ミステリオ&ウンベルト・カリーヨが組まれたことか。唯一、まともなプロレスなんだから、本誌的には「毎週出してくれ!」である。


 番組のトリのセグメントは、お約束だったエッジ夫人べス・フェニックス(NXTの実況陣)と、ランディ・オートンの対峙である。「なんであんなことをしたの?」と詰め寄るのだが、オートンの演説内容は父ボブ・オートンに連れられてセントルイスの会場にファンとして入って、エッジから激励された逸話から始まり、やがてデビューしてお互いが戦うまでになり全国の会場でメインイベントを務めたことや、タッグを組んだことなど、シュート演説になったのが興味深い。
 そして、「友人だと思うからこそ、車椅子生活をさせたくないからまた復帰するとなって、二度とリングに立てないようにしてやったのだ」と、筋の通った説明をやり出したのだ。まして、「エッジは薬物中毒だ、いったは俺が救ってやったのだが、悪いのはお前(べス夫人)で、お前がドラッグをエッジにアルコールと一緒に飲ませていたんだ、娘たちに父が車椅子にならないためにも、ああして痛めつけたんだ」と、ガチ演説は強烈だったかも。
 あえてマイクは拾わないように切ったが、「ビッチ!」と言い放ってべスにRKOするエンディング。お客さんの呆然とした表情が印象深いto be continued…なのであった。

■ WWE RAW
日時:3月2日(現地時間)
会場:ニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン バークレイズ・センター

◆王者レスナー、マッキンタイアのクレイモア3発でKOされる

 WWE王者ブロック・レスナーがPPV「レッスルマニア36」で対戦するドリュー・マッキンタイアの必殺技クレイモア3発を食らってKOされた。オープニングに王者レスナーと代理人ポール・ヘイマンが登場すると、ヘイマンが「ロイヤルランブル戦の言い訳はしないが、マッキンタイアがレスナーに勝てる訳ないだろ」と余裕を見せると、そこへマッキンタイアが現れた。2人は対峙して睨み合うも、リングを去るふりをしたレスナーが突如襲い掛かると、マッキンタイアがカウンターのクレイモアを放ってレスナーは撃沈。さらに一度はバックステージに戻ったマッキンタイアだったが、ステージ上で再び不意打ちのクレイモアをレスナーに決めると、“ワンモアタイム”チャントに応えるかのように3発目のクレイモアでレスナーに止めを刺してKO。大一番を前にマッキンタイアは会場のレッスルマニア・ロゴを指さした。
 PPV「レッスルマニア36」は日本時間4月6日にWWEネットワーク(日本語実況版有り)でライブ配信される。

◆代理出場のカイリがシェイナに惜敗 因縁シェイナと王者ベッキーは挑発合戦!

 “海賊姫”カイリ・セインが長年のライバルとなっているシェイナ・ベイズラーと激突した。当初、アスカ対シェイナ戦が予定されていたが、アスカが手首を負傷したため、パートナーのカイリが代理出場。試合前、カイリは「私にお任せあれ」と言って自信を見せると、セコンドとして登場したアスカも「エリミネーション・チェンバーでは今日の代わりにやってやるからな! コノヤロー」と息巻いた。試合では平手打ちを食らわしたカイリが自身のお尻を叩いて挑発すれば、シェイナはスパインバスターからカイリの左足を危ない方向に踏みつけて集中攻撃した。

 試合途中にはRAW女子王者ベッキー・リンチがゲスト解説として登場すると、カイリがスライディングD(但し、顔面には命中せず)、シェイナもスーパープレックスを放って激しい攻防を展開。終盤ではカイリがスピアーから必殺のインセイン・エルボーを放ったが、これを蹴りで迎撃してカイリのヒジを両足先が直撃。シェイナは立ったままキリフダクラッチでカイリを捕まえてタップ勝ちを収めた。試合後にはシェイナが再びキリフダクラッチでカイリを締め落としてその残忍さを王者に見せつけると、王者ベッキーはRAW女子王座のベルトを掲げてシェイナを挑発した。
 アスカ、シェイナら6人によるRAW女子王座挑戦権をかけた金網檻ルールで行なわれるPPV「エリミネーション・チェンバー」は、日本時間3月9日にWWEネットワーク(日本語実況版有り)でライブ配信される。

◆Truth Hurts:オートンがエッジを中毒者と諭し妻ベスにもRKO!

 ランディ・オートンに裏切りの襲撃を受けたエッジの妻ベス・フェニックスがエンディングに登場した。ベスがエッジの回復状況を説明しようとすると、話を遮るようにオートンが登場。ベスがハグや握手を求めるオートンを拒否すると、オートンは「エッジはもう試合をすることはできない。俺がやらなければ、いつか誰かがエッジを車椅子送りにしていただろう。俺のおかげで娘たちと遊べるんだ」と9年ぶりに復帰したエッジを襲撃した理由に関して際どい持論を展開。続けてオートンが「悪いのはお前のせいだ。エッジを止めるのはお前の役目だったんだ」と妻のベスを非難すると、これにベスはオートンに強烈な平手打ちで返答。さらに睨み合う2人だったが、オートンがマイクを通さず小声でベスを挑発し、怒ったベスにRKOを決めてしまった。

 観客のショック表情が画面に大写しになり、3時間番組だが1分程延長して衝撃の余韻がブルックリン会場から放送されていた。


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