ヤマモ式・令和元年 鷹の爪大賞 BEST 3

▼ヤマモ式・令和元年 鷹の爪大賞 BEST 3
 by 山本雅俊
・長州さんが引退興行であんなにも長くマイクで喋った事
・グラン浜田さん、廃業。メキシコに帰る
・新井健一郎、ドラゴンゲートに“復帰”
・オマケ・雑感:プロレスとは挑戦であって守りではない
・超オマケ:ジミー鈴木TCW+さよなら浅草橋ファイトカフェトーク


長州さんが引退興行であんなにも長くマイクで喋った事。
尚且つあの時長州さんが「ずっと猪木さんの背中を追いかけていた」と言った事

 本当だろうか? だとしたら美談過ぎる。
 ではWJ設立前の新日本退団時のあの猪木さんへの罵詈雑言は何だったのか。自分はあれも長州さんの本音だったと思う。
 今回は引退し“一般人”に戻るに際して、猪木には反目せず巻かれてしまったほうが今後の人生にとって得だと長州さんは計算したのではないか。そしてその計算を猪木さんに届かせる為には、世間が注目するあの引退興行でのリングでの発言しかないと思ったのではないか。
 だとしたら長州さんは大仁田さんを遥かに越えるしたたかな嘘つきだと思う。

 しかしもし、あのマイクが本音だったら?

 誰か(或いは自身のプロレス観と違うもの)を、敵に回したり憎しみを保つキャラクターを演じていたプロレスラーを、もう辞める。つまりあれはプロレスラーという仕事からの真の撤退。という事は吉田光雄氏はこの数十年間、革命戦士・長州力というプロレスラーを公私共に24時間演じ続けていたわけで、これも凄い。
 でも、申し訳ないけど、自分はそれは絶対ないと思う。

▼WJに、ビックリした!!

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グラン浜田さん、廃業。メキシコに帰る
編集部注:グラン浜田は現在69歳 新日本プロレス黎明期の故ヤミキ、ポーゴとは同期生(右)

 自分にとっては、ジャパン女子プロレスで業界に入った時の事実上の直属の上司であり、有名なプロレスラーの人と日常的にやりとりをした第一号が浜田さんだった。

 とにかくわがままで、また彼は自分から団体発展の為のアイデア提案などは何ひとつしようとしなかった。コーチ代金としての月々80万円の高待遇に、さらに団体支払いのホテル住まいの毎日なのに、いつも不満ばかり漏らしていた。

 団体内での陰口で自分から数え切れないほどのトラブルを起こしていながら、何かあると「俺、わかんねえ」を繰り返した。

 文子が間違いをおかした時の記者会見でも同じ事を言った「すみません、本当に私は何も知らないんです」。
 知っている知らないの問題ではない、浜田さん、自分の娘のことだぜ。
 世間に向けてどうこうのかしこまったコメントなど不器用な浜田さんには求めない。それでも父親として、何かほかに言葉が無かったのか。

 地方の屋外会場で雨模様の大会だと「こういう時はぱっぱっとやって帰ろう」と、まだキャリアが浅い女子選手達に手抜きを指図していた。その日を楽しみにわざわざ会場に来てくれたプロレスファンや子供達がいたのに。
 彼を通して経験した、とても人に言えない嫌なことや数々の事実は、例えこの週刊ファイトでもやはり表にはできない。

 ただ、もし今の自分自身・山本雅俊の人生が、真っ当な、或いは常識的で道を踏み外していないものだと周りから見てもらえているとしたら、それは同時期に巡り会えた恩師・山本小鉄さんのおかげであると同時に、間違いなく浜田さんのおかげでもある。何故なら、あれほど見事な反面教師に出会うなどは普通出来ない。
「浜田さんのような居振る舞いや人間関係の駆け引きは、絶対にしない」~その教訓を自分は今も大事にしている。

 自分は人生の中で「お金ではない宝くじ」に何度か当った事のある、非常にラッキーな人間だと思っている。
 浜田さんは、やはり当りくじだった。おそらく五等賞くらいの。

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▼ある極悪レスラーの懺悔01 グラン浜田、ジャンボ鶴田と運命の遭遇

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新井健一郎、ドラゴンゲートに“復帰”

 事情通だけでなく、ファンも既に承知されていると思うがドラゲーのあの御家事情の反動で、干されていた(他に言葉があるか?)、アラケンさんがなんとドラゲーのリングにレギュラーで復帰してストーリーにもラインアップされている。

 あの超満員の後楽園のリングでの「いいかお前ら、今や俺はヒールもベビーフェイスも超越した存在なんだ」の、斬れ味良すぎるマイクには鳥肌が立った。
 アラケンさんが不本意ながらも放浪し続けたこの10年間が、この復帰で逆に大きな価値を持つ人生経験として彼のたたずまいに箔を付けて、更にプロレスラーとして独自のステージを築く結果となった事は、正に新井さんのこれまでの超地道な努力が実ったわけで、とても凄いと思う。

 本当に人生とは何が起きるかわからない。アラケンさんは今年の自分的MVPである。

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オマケ・雑感:プロレスとは挑戦であって守りではない

 平成の時代から、人はことさらに他人の真面目な感性や努力を笑ったり馬鹿にしたりするようになった。

 だが、道から外れた事でさえなければ、人はそれぞれ何を考えようが何をやろうが自由であり、無責任な他人の評価を気にする必要はない。どこかのレスラーや団体がどんなにハングリーな状態や状況で活動していても、それを理由に彼等や彼女達を否定することは、プロレスに最も大事なフロンティアスピリットを失う事に直結する。

 プロレスとは挑戦であって守りではないと思う。だからプロレスに人は憧れる。挑戦を続ける姿勢を大衆に示し続ける事こそがプロレスの生命線だと思う。
 動かない水は腐る。
 大スポンサーが付いたから成功で人生ゲームの“あがり”だなどの感性はプロレスではない。

 ブシロード、またサイバーエージェントの傘下で活躍する選手も、また他の勢力(インディー、ローカルインディー)の選手やフロントにも、改めてプロレスというジャンルや文化に対して果敢に挑戦をしていく事で、新たなブームを築いて欲しいと思う。

 アラケンさんではないが、おそらく令和は、愚直に尚且つ堅実に道を歩むことこそが評価される時代になるだろうし、そうあって欲しいと切に思う。

▼ファイトカフェトーク 
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超オマケ:ジミー鈴木TCW+さよなら浅草橋ファイトカフェトーク

 令和2年2月19日に自分がリングアナ進行を承っているTCWの新木場大会がある。
 ファン・観客の満足度だけを第一に考え、採算を度外視して選手を投入し、しかもファンの心に刺さるシミュレーションを重ねながら興行を打ち続ける、ジミー、ガンダーラの両鈴木氏のバイタリティには毎回頭が下がる思いがする。

 TCWが現在の日本プロレス界で、どの辺りの位置で評価されているのかは自分はわからないが、むしろ、他と比較することは、このプロモーションに限っては全くナンセンスだと思う。
 当日はダン・スバーン対船木誠勝のドリームカードが既にラインアップされている。まだ、同プロを観戦された事がない方には是非とも来場をお勧めする。


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 さよなら浅草橋ファイトカフェトーク 山本雅俊xガンダーラ鈴木

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