[週刊ファイト12月19日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼記者座談会
木谷氏 腹をくくって新日再建に着手。今度は女子プロレスのメシアに?
・今年の日本マット界は沈没する団体もなく概ね好況
・新日プロと全日プロ、ノアなどを比較した場合、大手スーパーと個人商店くらいの差がある
・木谷氏なら何とかしてみせるんじゃないかと期待しています
・まずは女子マットの再編成に注目しましょう
残り半月余りとなった2019年。今年の日本マット界は沈没する団体もなく概ね好況だったが、業績を伸ばし続ける新日プロと、現状維持が精いっぱいの他団体との格差は広がるばかり。頑張っている割に待遇面で恵まれない選手、フロント社員はあまりにも多い。新日プロにもそんな時期があったが、『ブシロード』のプロレス参入によって暗いトンネルから抜け出している。さァ、次は・・・。
(*編注 A=『マット界舞台裏』特約記者、B=スポーツ紙記者 C=フリーのべテラン記者)
A まずは19年の日本マットを振り返って下さい。
B 新日プロの海外戦略が加速したのと崩壊寸前のノアが息を吹き返したくらいで大きな変化はなかったですね。『ブシロード』傘下となったスターダムは12月に始動したばかりなので女子マットが変わっていくのは来年以降でしょ。
C 新日プロの独走状態が続いて中堅、インディーズは横バイという感じの1年でした。マスコミ的には新日プロの対抗勢力が出て来たほうが面白いけど、そういう気配はまったくなし(笑)。WWEvs.AEWがボッ発した米マットは政治的なネタも多い。
A 正直、新日プロと全日プロ、ノアなどを比較した場合、大手スーパーと個人商店くらいの差がある。
B それはちょっと言い過ぎでは?(笑)。個人商店レベルだと国技館で興行を打てないからね。
C でも、大企業と小企業くらいの差はありますよ。選手、社員の待遇面を含めて、この2、3年の急成長で新日プロのファイトマネー、社員給与は高騰しているので格差は相当なものです。
B 05年11月に『ユークス』体制になって選手も社員も思い切り下げられて、みんなブーブー言ってた(笑)。とことん業績が悪化した新日プロの年商は15億円以下。で、『ユークス』としては旧・新日プロ時代の待遇を維持できなくなって、選手の年棒を50~60%くらいカット。その状況が7~8年続いたわけです。ま、『ブシロード』が受け継いでいなくても、買い手は現れたでしょうが、団体規模は縮小されていたのでは・・・。
C 今日の新日本プロレスはなかったはず。木谷さんが腹をくくって団体再建に取り組んだからこそ完全復興を成し遂げたと思います。
A 木谷氏は旧・新日プロ時代から在籍する選手や社員にとって、メシアのような存在?
C メシア以外の何ものでもない。ヘタしたら『ブシロード』が傾いていたわけだから。
A で、今度は女子プロレスのメシアですか?