SmackDownのGMとして採用されたエリック・ビショフがクビに!

 ある意味では予想されたことなのかもだが、WWEがエリック・ビショッフの解任を発表した。今年の6月に、SmackDownが秋からFOXに移行することを見据えて、重役陣との折衝などにはいいかもという判断でエグゼクティブ・ディレクターという肩書を貰い、自宅もアトランタからWWE本社のあるコネティカットに引っ越して満を持していたものの、生中継収録などに毎週顔は出しているものの、目立った貢献がないままとは陰口が出ていた。

 述べるまでもなく、ビショッフはWWEがWCWと「月曜生TV戦争」を繰り広げた約20年前のWCW代表である。一時はWWEのRAW視聴率をWCWのNitroが上回り、成功者として祭り上げられたが、番組の質低下が始まりRAWに逆転されるだけでなく、最終的にはWCWはWWEに吸収される末路を迎えている。その後、ビンス・マクマホンWWE代表と戦争を繰り広げた敵役だったこともあり、RAWなどの番組にGMなどのキャラとして登場したことはあったが、それはいわば役者業としての出演であって、舞台裏の責務なりを担当したことはなかった。それがこの6月に、RAWはポール・ヘイマン、SmackDownはエリック・ビショッフのエグゼクティブ・ディレクター就任が発表され、誰もが驚いたのであるが・・・。

 やはりなんらかの形でプロレスと関わってきたとはいえ、裏方業としての20年の空白は大きすぎるものがあり、すっかり変わった今のアメプロに関してどれだけ知識があるのかも含めて、就任当初から不安視されていたものだ。ウォール街の株価アナリスト目線では、名前のある大物重役を幹部に迎えていよいよFOXにSmackDownが移行すると、好意的に受け止められた経緯になるが、改善のアイデアなりを提案できなければ使いようがないと断罪されたことになろう。

 そのSmackDownだが、初回こそロック様以下、レジェンドたちが顔見世したから視聴率が跳ね上がるのは当然なんだが、もう2回目には「ドラフト会議」というテーマを持ってきて趣向を凝らしたつもりなのに、ほぼ100万人視聴者数ダウンを記録してしまい、早くも先行きが危ぶまれることに。内容的にも「なんじゃこりゃ?」という出来でしかなく、また、日本時間火曜日のRAWも、ドラフト会議第二弾だったものの、またもチグハグな番組になってしまい、正直、大丈夫なのかと本誌も活字にしたばかりの解雇ニュースなのであった。

 ちなみにエリック・ビショッフとサニー・オノオは本年2月15日に大阪で行われた『闘将・マサ斎藤 追悼試合』に来日している。SmackDown総監督の後任には、ビンス・マクマホンとは旧知であり、番組のキャラ上では赤顔のドーランを塗りたくった愛の伝道師ブラザー・ラブを演じていたブルース・プリチャードと、ヘッドライターのエド・コスキーが就任とのこと。もっとも、今年になってビショッフを推薦したのがプリチャードという、ややこしい因縁もできてしまったそうだ。


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