[週刊ファイト8月8日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼7・28『RIZIN.17』さいたまスーパーアリーナ大会深淵分析と6時間興行
Photo & text by シン上田、タダシ☆タナカ(Top画像のみRizin FF)
・前日の異業種ビジネス交流会と賭け解禁日本でのファンタジースポーツ
・堀口恭司は12・29ベラトール日本!?ヒョードル、ギャビ、サイボーグ??
・互角の扇久保博正x元谷友貴!判定は1-2で修斗王者が接戦を制す
・トリは実力差露呈して矢地祐介が3連敗も朝倉未来は喧嘩野郎臭ナシ
・まだ強い石渡伸太郎復活!佐々木憂流迦にノースサウスチョーク一本
・ハム・ソヒ日本凱旋!JEWELSアトム級王者・前澤智KO山本美憂戦へ
・フリーになり減量もしたKINGレイナRIZIN3連敗!スイス柔道家圧倒
・ジョニー・ケースが担架送り!キモ強哀戦士Rizinにぶら下がる北岡悟
・契約上消化しないといけない試合が多く全12試合、6時間興行は勘弁
7月28日、さいたまスーパーアリーナにて『RIZIN.17』が開催、英語表現でOn Paperという言い方があるが、確かに食いつきの悪そうな、余り世間向きにはそそられないカードが並んでおり、大丈夫なのかとも心配したものだが、蓋を開けてみれば主催者発表で16,930人の集客である。もとからフジテレビの生中継番組は今のところ年4回であり、今回はそれでも週遅れになるが8月3日(土)26時よりフジ地上波の放送もある。新日本プロレスの親会社ブシロードはマザーズへの上場を果たしたが、肝心のG1期間中だというのに30分番組の『ワールドプロレスリング』はゴルフ中継で飛ばされる扱いなんだから、新日信者とか、プロレスだけのファン層には受け入れたくない現実なのかもだが、一般大衆にはRIZINの方が知られているのかも。
実際、週刊ファイトの安威川敏樹に課題テーマを与えて、「ボクシングの井上尚弥は世間が話題にしているのに、マット界はどうなのか」みたいな1本どうかと振ったら、トップ画像の選択含めて那須川天心になるという・・・
▼出でよ! 井上尚弥を凌ぐプロレス・格闘技界のスーパースター
また、RIZIN大会の前日は公開計量だけでなく、ビジネス交流会があった。株式会社ドリームファクトリーワールドワイドの篠田荘太郎取締役が、パワーポイントを駆使して将来のビジョンや海外戦略を語っていたのが興味深い。なかでも、MGM系列のホテルにラウンジがあるファンタジースポーツを主催する2大組織の1つ、DRAFTKINGSのことにも触れている。簡単に言えば勝った負けたに賭けるんではなく、架空のスポーツチームを作成するなどのシュミレーションゲームなんだが、実際の試合の得点差とか、野球ならどこまで特定の人気打者が連続ヒットを記録するかなど、関心を呼ぶものに大金が動いている。eスポーツの拡大と並んで市場規模を聞いたら日本の感覚からは信じられないとなろう。
よって、競技における八百長のリスク心配がなく、事実、WWEの真夏の祭典である8・11『サマースラム』も、DRAFTKINGSがさかんに勧誘している最中なのだ。
逆に言えば、RIZINはeスポーツやファンタジースポーツとも提携していく準備をしているという揚言が異業種ビジネス交流会の主旨であり、それを思えば、ヲタクの小宇宙世界内だけで完結しているかのような新日本プロレス以下のプロレス団体は、様々な面からも考え方が古いままで世界の潮流から遅れていることになろう。もちろんRIZINは、UFCのやり方も注視はしているが、むしろWWEの動向を研究しているのが納得する次第である。
▼RIZINが異業種ビジネス交流会も実施
後半でも、他媒体との差別化から単なる試合レポートとは違った観点の分析は試みるが、『RIZIN.17』に戻すなら、ややマニア向きだったかもにせよ、最後の3試合は選手にとってハイリスクなマッチメイクであり、見ごたえはあったと考える。
特に、第10試合の元谷友貴と修斗王者・扇久保博正の熱戦は大会屈指の接戦に。1,2Rは扇久保がとったが、ガス欠になった3Rは元谷のパンチが面白いように扇久保の顔面にヒット。UFCのようなラウンドごとの判定ではないこともあり、どっちにつくのかわからず実際判定は割れたのだが、扇久保が逃げ切った格好になろう。
堀口恭司は12・29ベラトール日本!?ヒョードル、ギャビ、サイボーグ??
ダブルチャンピオンとして凱旋帰国した堀口恭司が挨拶。リング上では勝手に四天王と称された石渡伸太郎、佐々木憂流迦、元谷友貴、扇久保博正が潰し合いを始めるのだが・・・
12・29のことは本誌既報のように、恐らく堀口恭司は12・29ベラトールのさいたまスーパーアリーナ大会の方に出場、選ばれた最強の刺客と防衛戦になるのではなかろうか。
▼AEW-WWE-G1大会衝突!格闘技ONE-Bellator-UFCマット界一網打尽KO
二度対戦したダリオン・コールドウェルは、そもそもバンタム級にしては大き過ぎる過酷な減量だったと推定されるが、今度は上げてフェザー級トーナメントにエントリーしている。
となると、ベラトール大会の方は日本は最後になるらしい皇帝エメリヤーエンコ・ヒョードルに、クイントン”ランペイジ”ジャクソンか、ジョシュ・バーネットを当てるメイン他、堀口恭司は大晦日には出ないことになろう。もっとも、大晦日のRIZINにはベラトールとの対抗戦もあり、ライアン・ベーダーの名前も取り沙汰され、貸した分の見返りも十分ということになる。
また、女子ではすでにギャビ・ガルシアとの無差別級戦をブチ上げているフェザー級王者ジュリア・バッドがおり、このカードも年末のいずれか、恐らくはベラトール大会の方だと予測されている。
▼Bellatorジュリア・バッド11連勝防衛後RIZINギャビ・ガルシア戦ブチ上げ!ストラッサー起一散る
▼CサイボーグUFC最後!? マックス・ホロウェイがフランキー・エドガー下しフェザー級王座防衛
気になるところでは、クリス・サイボーグとUFCの契約がいったん切れたことか。ディナ・ホワイト代表とは舌戦もあったりでぎくしゃくしているままであり、再契約となるのかどうか。もともとStrikeforce王者だったからスコット・コーカー代表とは問題ない。もしベラトール契約となれば日本に来る可能性があり、年末はやたら豪華な顔ぶれが揃うことになろう。UFC日本大会はFight Night扱いでトップが来てくれたわけではなかった経緯がある。
Congratulations on the victory @CrisCyborg! pic.twitter.com/sSUXzvAirb
— Scott Coker (@ScottCoker) July 28, 2019
互角の扇久保博正x元谷友貴!判定は1-2で修斗王者が接戦を制す
<第10試合 RIZIN MMAルール : 5分 3R(61.0kg)※肘あり>
○元谷友貴(フリー/元DEEPフライ級/元DEEPバンタム級王者)
判定1-2
●扇久保博正(パラエストラ松戸/修斗世界フライ級王者)