ONEクアラルンプール決戦第二弾!V.V MEI「チャトリさんからアジア女性の代表になれと言われて・・・」

【現地クアラルンプール発】

 計量を済ませたV.V MEIがインタビューに応じてくれた。UFCと違い、ONEは一気に水抜きで落とすという計量方をとっておらず、前々日、そして前日の計量があるだけでなく、尿検査も義務付けており、水を飲まずに無理やり計量に臨めば濃いおしっこ(高い尿酸値)になってしまいダメ。検査のためにも700MLの水は飲むことになり、アトム級(47.6kg)といっても、52.4kgでパスというシステムになっている。男子なんか当日に10kgとか戻す選手が平気でいるが、それでは内臓への負担が大きい。要は「健康な状態で来なさい」というやり方になり、UFCの朝計量が失格続出で崩壊の危機にある話題を知っている専門媒体的には納得ということになろう。
 ボクシングでも、減量は1階級上までにして、なんとかクリアしても、次の試合から階級を上げるよう指導される組織が増えているが、UFCにせよ、点滴で一気に戻すようなやり方は禁止になっている。当日計量まではやらないONEだが、MEIは当日もせいぜい53とか54kgだそうで、以前は毎回、毎回大きな相手とばかり闘うハンディがあったが、自分に合っているという。前回の試合から間隔が空いているとの質問にも、和術慧舟會GODSやHeartsで毎月誰か選手が試合しているので、緊張感が続いているとのこと。また打撃は那須川天心のTEPPENジムに通っており、アンジェラ戦再戦で練習したのに出せなかったものを今回は出したいとも。手数を出せなかった反省はあるという。

 ただし、対戦相手フィリピン、ジョマリー・トーレスのコーチも断言していたように、アンジェラ戦2は勝ったんじゃないかという話題になり、自身も「勝ったと思った。周囲もそう言っていた」とも。実際、ONE関係者からも「hey, Champ」とか挨拶され、SNS用にはMEIの打撃が命中している絵ばかり選んだというエピソードもあるそうだ。今、思い出すと、本誌も無意識でMEIを軸に選んでいたなぁ(笑)。無料アプリの英語版で見ている専門媒体と、AbemaTVの日本語実況で見ているファンとでは、どうしても違うニュアンスになってしまうものであり、大沢ケンジの解説は日本選手に厳しいというか・・・。
 ただ、「アンジェラが出るだけでスポンサーから何億円単位の金が動く」とも。だから、「仕方ない」と納得はしていて、「ONEはMUST判定じゃないから後半で取ればジャッジの印象になると、前半で出したいことが出来なかった反省はある」と冷静だ。今回は3Rなので「序盤から仕掛ける」という。
 対戦相手については、「今回はちゃんと勝てよというTEST」だと自覚しており、「勝ち方を問われている」とも。

 本誌的には、やはりブラック・サバスの♪アイアン・マンを入場曲に使っていることだが、まずは誰もが知っている「アメコミ」を使うというイメージがあり、最初はヒットガールというのを使っていたが、シュートボクシングに出た時から♪アイアン・マンになったのだそうだ。いつも、入場は沸かしてくれているプロ意識の高いMEIである。

 ONEについて、チケットの売り方もあるにせよ、どこに行っても毎回満杯なのが凄いという。ミャンマー大会もフルハウスだった。なんでもフィリピンのバラカイ島に選手が招集された時があったそうで、バケーションだと思っていたらSNSの使い方やら、インスタのフォロワーを増やすことまで、セミナー勉強会がびっしりあったそうだ。チャトリ代表の話にも引き込まれ、やはり説得力が凄いとも。実際、最初にアンジェラと闘った段階では、街にポスターも見かけなかったそうだが、5月の再戦になると、バスの車体広告とか浸透しているのに驚いたという。「最初はチケット貰ったから来た人もいる。そういう初めてMMAを見た人が、また次も来ようとなっている。アジア人は熱い試合で盛り上がる」とも。なんか頭打ちの日本の格闘技界が教訓にしないといけないONEの戦略は現地でも感じた。
 ホテルは市内ではなく、選手や関係者も泊まるイスラム教徒歓迎が売りの施設だったが、そこの電光掲示板に大会のポスター絵が出てくるのはなんの驚きもなかったものの、クアラルンプール市内に行ってみると、日本のISETANデパートやH&Mがある繁華街の大通りがあって、そこの目立つ大きな電光掲示板に大会のが出てきたのにはやはり驚いた。記憶が定かではないのだが、渋谷のスクランブル交差点に大晦日のK-1大会の看板が出たのは2003年だったか、もっと前だったか。その時は、「いよいよ格闘技がお茶の間に浸透してきた」実感を覚えたものだが、今回のはそれと似ている情景であった。

 最後に、チャトリ代表から以前、「お前はアジア女性の代表なんだ」と言われて、ピンと来なかったそうなのだが、今は「本気でそれを言っている」と納得したようである。恐るべし、ONE Championshipなのだ。 

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ビィ・ヌグエンはアトム級なのだ。


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▼ONEクアラルンプール12・7『DESTINY OF CHAMPIONS』現地取材詳細

[ファイトクラブ]ONEクアラルンプール12・7『DESTINY OF CHAMPIONS』現地取材詳細

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’18年12月16日号鷹の爪大賞 爆弾小僧Ray追悼 年内最終ONEクアラルンプール Jewels